)” の例文
「それは頼もしい。朝廟にも校尉こうい种輯ちゅうしゅう議郎ぎろう呉碩ごせきの二人がある。二人とも漢家の忠良だ。い日をはかって、打明けてみよう」
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
遂にスペイン人につぐなわれて城に帰った、それはかったが全体この女性質慓悍で上長の人の命にしたがわぬから遂に野獣にわす刑に処せられた
御領主にも関係しているらしい一大事なんて、かれあしかれそうした事件に掛り合っては、まかり間違えば実際首が飛ぶ。
備前天一坊 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
母親は自分の兄弟に媒を頼んで、い日を選んで桑を入婿にしようとした。桑は家へ帰って蓮香に知らして燕児と結婚することについて相談した。
蓮香 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
急いで下りて行くと息はあるが、血だらけになっているので、誰であるか分らなかったとのことである。何にしても余りい夢ではない、今日は少しマズイなと思う。
黒部川奥の山旅 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
かれ朝目く汝取り持ちて天つ神の御子に獻れと、のりたまひき。かれ夢の教のまにま、あしたにおのが倉を見しかば、まこと横刀たちありき。かれこの横刀をもちて獻らくのみ
彼はその酒を取りて、き事積りし後の凶の凶なる今夜の末期まつごむくゆるの、可哀あはれに余り、可悲かなしきにすぐるを観じては、口にこそ言はざりけれど、玉成す涙は点々ほろほろと散りてこぼれぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
八日が日がいようですから、八日にさせていただきたいと、陣場夫人から云って来たので、そのつもりで雪子を呼び寄せたのであったが、五日の夜中に思いもかけぬ事件が起ったために
細雪:01 上巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
「アンタに賞められると話す張合いがある。……ところがなあ。い事には魔がすちゅうてなあ。アンタも知っておんなさるか知らんが、この縁談に一つの大きな故障が入ったらしい」
ある地方にて元日にいもかしらを食するは、人の頭になるを祝する意である。また、他の地方にて除夜に菊の茎または茄子なすの茎を焼くのは、きこときく、または善きことをなすの祝意である。
迷信と宗教 (新字新仮名) / 井上円了(著)
なぜならば葬式を出すにも日のわるいがあって、其日それをよく見定めてから、どういう方法の葬式にしようか、この屍体はどう始末をつければよいかということをラマに尋ねなければならん。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
注意して見ると「これより気山領の番号始め苧村便理し」と読める。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
あらゆるいけないわるいことも、側からどんどんいことに変えられていくのだろう、まるで手品師てづましが真っ白なまま函へ入れた糝粉しんこ細工のふたとればたちまち紅美しき桃の花一輪とは変っているように。
小説 円朝 (新字新仮名) / 正岡容(著)
つはものかなと見えたり。
武士を夷ということの考 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
「あゝ何と云ふ厭なものが舞ひ込んだもんぢやらうか。妾はもう恐ろしうて。恐ろしうて。あの仁がばてれんの化けた者ぢやとしても、お上のお役人ぢやとしても、どつちにしてもお前の身にい事はない気がするでな。ほんに天狗よ。」
立てやゝ久敷ひさしく考へ居たりしが靱負に向ひ此は甚だうらなひ難し早く歸り給へと云ふに靱負ゆきへ如何にも心得ぬ面色おももちにて某しの卦は何故にうらながたきや察する所へうからざれば白地あらはに示し難きならんか然ども故意わざ/\まゐりしこと故何事なりとも忌憚いみはゞかりなくうらなひ下されよと云ひければ白水翁かしら
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
法皇の恩寵と、鎌倉との板ばさみになって、このい日を、歓ぶにも歓べない立場が、宇治川や一ノ谷の働きに対する骨肉の人の答えとは。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この日城攻め合戦剛猛の事にし、そうじて万事大吉なりとあるは、その猪突の勇に因んだものだ。
「だって、かれしかれ事件ことさえ起れば、あなたの懐中ふところへお宝は流れ込むんで」
悪因縁の怨 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
「明日御都合がお悪いのでしたら、十六日は大変日がいのだそうですが、十六日にきめていただく訳には参りませんでしょうか」———幸子は先日、出しなに電話につかまった時にそう云われて
細雪:01 上巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
「よいお名じゃ。い日でもおざった。では、この辺りは平家の衆も多い事、東国までは、すこしも早く急がるるがよい」
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
飛騨国猿神生贄を止むること第八に、猴神にせた生贄を供うれば、神怒りて作物もからず、人も病み郷も静かならず、因って生贄に供うべき人に何度ともなく物多く食わせ太らする習俗を載す。
あるだけのガレージを呼び出して見るけれども、今日は日がいので結婚が何十組もあるのと、生憎あいにく雨が降り出したのとで、皆出払っておりますから帰りましたらお廻し致しますと云う挨拶あいさつである。
細雪:01 上巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
「誰しも、い日を選ぶとみえましてな、今宵は、こちらへ参る途中で、四、五軒も高張提灯たかはりを見うけましたよ」
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
秋作はことごとくよし、ただし春の詰まりに秋けれども、物も作らぬ者いよいよ明けし春までも貧なり。この年半ばの頃よりも年号替わるなり云々とありて、永正四丁卯ひのとう、弥勒二年丁卯と並べ掲ぐ。
「それならまたとないいお門出かどで、その折には、藤夜叉が一生のお願いを、どうぞおかなえ下さいませ」
私本太平記:07 千早帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
十分慇懃いんぎんに拝むがよいという心懸けらしく、かつ上に述べたごとく、こんな極悪の者でも何か往く往く間に合う見込みがあればこそ世にあるのだという想像で、これを拝むと時々い事にも遇うので
「ようがす。負けておきましょう。——じゃあ旦那は、諏訪すわ明神の楼門でお待ちなすっていておくんなさい。晩までにゃ、きっと、いおらせをいたしますから」
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「お欣びなさい。今はまだ申されませんが、きょうは、やがてことがございますぞ。——吉い事が」
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「そうか。何せいではある。道三もたんと生きよう。次の会う日には、孫の顔なと見せなされ」
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
もっとも、この暗さ。浦も川すじも、芦屋一帯が闇と風音ばかりです。が、どうもこの地は気配けはいとも思われませぬ。いちど貝を吹かせて、こころみに、おひきあげを
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
遠い娘時代の流行はやり事であるから、彼女ももうその占い方さえ忘れていた。けれど、こよいの灯は、なんとなく、彼女にい事があるように、そよめき立っている気がする。
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「あの離亭はなれにて、お待ちしておりますれば、どうか明朝には、い御返辞を」
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「きっと、御再会の日をお待ちする。その日はさらに、い日の下で」
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「きょうは、い事があるので、それをお聞かせしたいと存じてな」
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
った。さいさきはいぞ。官軍の一将彭玘はいけどったぞっ」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「今日は、日もいから、貂蝉ちょうせんを送ろうと、李儒は云ったが?」
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「いや、こんなはない」
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
い日じゃ」
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)