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吉
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よ
ふりがな文庫
“
吉
(
よ
)” の例文
「それは頼もしい。朝廟にも
校尉
(
こうい
)
种輯
(
ちゅうしゅう
)
、
議郎
(
ぎろう
)
呉碩
(
ごせき
)
の二人がある。二人とも漢家の忠良だ。
吉
(
よ
)
い日をはかって、打明けてみよう」
三国志:05 臣道の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
遂にスペイン人に
賠
(
つぐな
)
われて城に帰った、それは
吉
(
よ
)
かったが全体この女性質慓悍で上長の人の命に
遵
(
したが
)
わぬから遂に野獣に
啖
(
く
)
わす刑に処せられた
十二支考:01 虎に関する史話と伝説民俗
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
御領主にも関係しているらしい一大事なんて、
吉
(
よ
)
かれ
凶
(
あし
)
かれそうした事件に掛り合っては、まかり間違えば実際首が飛ぶ。
備前天一坊
(新字新仮名)
/
江見水蔭
(著)
母親は自分の兄弟に媒を頼んで、
吉
(
よ
)
い日を選んで桑を入婿にしようとした。桑は家へ帰って蓮香に知らして燕児と結婚することについて相談した。
蓮香
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
急いで下りて行くと息はあるが、血だらけになっているので、誰であるか分らなかったとのことである。何にしても余り
吉
(
よ
)
い夢ではない、今日は少しマズイなと思う。
黒部川奥の山旅
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
▼ もっと見る
かれ朝目
吉
(
よ
)
く汝取り持ちて天つ神の御子に獻れと、のりたまひき。かれ夢の教のまにま、
旦
(
あした
)
におのが倉を見しかば、
信
(
まこと
)
に
横刀
(
たち
)
ありき。かれこの横刀をもちて獻らくのみ
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
彼はその酒を取りて、
吉
(
よ
)
き事積りし後の凶の凶なる今夜の
末期
(
まつご
)
に
酬
(
むく
)
ゆるの、
可哀
(
あはれ
)
に余り、
可悲
(
かなし
)
きに
過
(
すぐ
)
るを観じては、口にこそ言はざりけれど、玉成す涙は
点々
(
ほろほろ
)
と散りて
零
(
こぼ
)
れぬ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
八日が日が
吉
(
よ
)
いようですから、八日にさせて
戴
(
いただ
)
きたいと、陣場夫人から云って来たので、そのつもりで雪子を呼び寄せたのであったが、五日の夜中に思いもかけぬ事件が起ったために
細雪:01 上巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「アンタに賞められると話す張合いがある。……ところがなあ。
吉
(
よ
)
い事には魔が
翳
(
さ
)
すちゅうてなあ。アンタも知っておんなさるか知らんが、この縁談に一つの大きな故障が入ったらしい」
狂歌師赤猪口兵衛:博多名物非人探偵
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
ある地方にて元日に
芋
(
いも
)
の
頭
(
かしら
)
を食するは、人の頭になるを祝する意である。また、他の地方にて除夜に菊の茎または
茄子
(
なす
)
の茎を焼くのは、
吉
(
よ
)
きこときく、または善きことをなすの祝意である。
迷信と宗教
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
なぜならば葬式を出すにも日の
吉
(
よ
)
い
凶
(
わる
)
いがあって、
其日
(
それ
)
をよく見定めてから、どういう方法の葬式にしようか、この屍体はどう始末をつければよいかということをラマに尋ねなければならん。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
注意して見ると「これより気山領の番号始め苧村便理
吉
(
よ
)
し」と読める。
地名の研究
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
あらゆるいけない
凶
(
わる
)
いことも、側からどんどん
吉
(
よ
)
いことに変えられていくのだろう、まるで
手品師
(
てづまし
)
が真っ白なまま函へ入れた
糝粉
(
しんこ
)
細工の
蓋
(
ふた
)
とればたちまち紅美しき桃の花一輪とは変っているように。
小説 円朝
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
現
(
げ
)
に
吉
(
よ
)
き
兵
(
つはもの
)
かなと見えたり。
武士を夷ということの考
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
「あゝ何と云ふ厭なものが舞ひ込んだもんぢやらうか。妾はもう恐ろしうて。恐ろしうて。あの仁がばてれんの化けた者ぢやとしても、お上のお役人ぢやとしても、どつちにしてもお前の身に
吉
(
よ
)
い事はない気がするでな。ほんに天狗よ。」
青銅の基督:――一名南蛮鋳物師の死
(新字旧仮名)
/
長与善郎
(著)
立て
良
(
やゝ
)
久敷
(
ひさしく
)
考へ居たりしが靱負に向ひ此
卦
(
け
)
は甚だ
占
(
うらな
)
ひ難し早く歸り給へと云ふに
靱負
(
ゆきへ
)
如何にも心得ぬ
面色
(
おももち
)
にて某しの卦は何故に
占
(
うらな
)
ひ
難
(
がた
)
きや察する所
卦
(
け
)
の
表
(
へう
)
吉
(
よ
)
からざれば
白地
(
あらは
)
に示し難きならんか然ども
故意
(
わざ/\
)
參
(
まゐ
)
りしこと故何事なりとも
忌憚
(
いみはゞか
)
りなく
占
(
うらな
)
ひ下されよと云ひければ白水翁
頭
(
かしら
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
法皇の恩寵と、鎌倉との板ばさみになって、この
吉
(
よ
)
い日を、歓ぶにも歓べない立場が、宇治川や一ノ谷の働きに対する骨肉の人の答えとは。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
この日城攻め合戦剛猛の事に
吉
(
よ
)
し、
惣
(
そう
)
じて万事大吉なりとあるは、その猪突の勇に因んだものだ。
十二支考:10 猪に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
「だって、
吉
(
よ
)
かれ
凶
(
あ
)
しかれ
事件
(
こと
)
さえ起れば、あなたの
懐中
(
ふところ
)
へお宝は流れ込むんで」
悪因縁の怨
(新字新仮名)
/
江見水蔭
(著)
「明日御都合がお悪いのでしたら、十六日は大変日が
吉
(
よ
)
いのだそうですが、十六日にきめて
戴
(
いただ
)
く訳には参りませんでしょうか」———幸子は先日、出しなに電話に
掴
(
つか
)
まった時にそう云われて
細雪:01 上巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「よいお名じゃ。
吉
(
よ
)
い日でもおざった。では、この辺りは平家の衆も多い事、東国までは、すこしも早く急がるるがよい」
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
飛騨国猿神生贄を止むる
語
(
こと
)
第八に、猴神に
痩
(
や
)
せた生贄を供うれば、神怒りて作物も
吉
(
よ
)
からず、人も病み郷も静かならず、因って生贄に供うべき人に何度ともなく物多く食わせ太らする習俗を載す。
十二支考:07 猴に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
あるだけのガレージを呼び出して見るけれども、今日は日が
吉
(
よ
)
いので結婚が何十組もあるのと、
生憎
(
あいにく
)
雨が降り出したのとで、皆出払っておりますから帰りましたらお廻し致しますと云う
挨拶
(
あいさつ
)
である。
細雪:01 上巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「誰しも、
吉
(
よ
)
い日を選ぶとみえましてな、今宵は、こちらへ参る途中で、四、五軒も
高張提灯
(
たかはり
)
を見うけましたよ」
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
秋作はことごとく
吉
(
よし
)
、ただし春の詰まりに秋
吉
(
よ
)
けれども、物も作らぬ者いよいよ明けし春までも貧なり。この年半ばの頃よりも年号替わるなり云々とありて、永正四
丁卯
(
ひのとう
)
、弥勒二年丁卯と並べ掲ぐ。
十二支考:08 鶏に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
「それならまたとない
吉
(
よ
)
いお
門出
(
かどで
)
、その折には、藤夜叉が一生のお願いを、どうぞおかなえ下さいませ」
私本太平記:07 千早帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
十分
慇懃
(
いんぎん
)
に拝むがよいという心懸けらしく、かつ上に述べたごとく、こんな極悪の者でも何か往く往く間に合う見込みがあればこそ世にあるのだという想像で、これを拝むと時々
吉
(
よ
)
い事にも遇うので
十二支考:11 鼠に関する民俗と信念
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
「ようがす。負けておきましょう。——じゃあ旦那は、
諏訪
(
すわ
)
明神の楼門でお待ちなすっていておくんなさい。晩までにゃ、きっと、
吉
(
よ
)
いお
報
(
し
)
らせをいたしますから」
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「お欣びなさい。今はまだ申されませんが、きょうは、やがて
吉
(
よ
)
い
事
(
こと
)
がございますぞ。——吉い事が」
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「そうか。何せい
吉
(
よ
)
い
日
(
ひ
)
ではある。道三もたんと生きよう。次の会う日には、孫の顔なと見せなされ」
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
もっとも、この暗さ。浦も川すじも、芦屋一帯が闇と風音ばかりです。が、どうもこの地は
吉
(
よ
)
い
気配
(
けはい
)
とも思われませぬ。いちど貝を吹かせて、こころみに、おひきあげを
私本太平記:11 筑紫帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
遠い娘時代の
流行
(
はや
)
り事であるから、彼女ももうその占い方さえ忘れていた。けれど、こよいの灯は、なんとなく、彼女に
吉
(
よ
)
い事があるように、そよめき立っている気がする。
宮本武蔵:07 二天の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「あの
離亭
(
はなれ
)
にて、お待ちしておりますれば、どうか明朝には、
吉
(
よ
)
い御返辞を」
私本太平記:01 あしかが帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「きっと、御再会の日をお待ちする。その日はさらに、
吉
(
よ
)
い日の下で」
私本太平記:01 あしかが帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「きょうは、
吉
(
よ
)
い事があるので、それをお聞かせしたいと存じてな」
宮本武蔵:07 二天の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
捕
(
と
)
った。さいさきは
吉
(
よ
)
いぞ。官軍の一将彭玘はいけどったぞっ」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「今日は、日も
吉
(
よ
)
いから、
貂蝉
(
ちょうせん
)
を送ろうと、李儒は云ったが?」
三国志:03 群星の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「いや、こんな
吉
(
よ
)
い
日
(
ひ
)
はない」
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
吉
(
よ
)
い日じゃ」
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“吉(
吉凶
)”の解説
吉凶(きっきょう)は、吉(きち)と凶(きょう)、つまり「よいこと、さいわい」と「わるいこと、わざわい」を合わせて呼ぶ言葉である。
占いの結果を、良い悪いの2種類で表すときに使う(例:仏滅は万事に凶)。非常な吉と非常な凶を特に、大吉・大凶と呼ぶ。おみくじでは「大」だけでなく「中」「小」「末」などもつけて種類を増やす。
(出典:Wikipedia)
吉
常用漢字
中学
部首:⼝
6画
“吉”を含む語句
吉祥寺
吉原
英吉利
吉野
吉凶
吉左右
住吉
不吉
吉川
長吉
吉瑞
吉三
吉日
吉事
黄道吉日
庄吉
兼吉
吉田
三吉
嘉吉
...