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ふりがな文庫
“
縦
(
よ
)” の例文
旧字:
縱
縦
(
よ
)
しや其選屑の中には、大正五年に八十二歳の齢を重ねて健存せる蘭軒の
孫女
(
まごむすめ
)
おそのさんの談片の如き、
金粉玉屑
(
きんふんぎよくせつ
)
があるにしても。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
縦
(
よ
)
し一方が余の見立通り老人は唯一突にて
痛
(
いたみ
)
を感ずる間も無きうちに事切れたりと見定むるとも其一方が然らずと云わば何とせん
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
縦
(
よ
)
し予の嗜好の変遷にして往々邪路に迷ふことありとするも、十年前の嗜好が十年後の嗜好よりも高尚に、俳句界に入りし当時の標準が
俳句の初歩
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
その秋がくれば、草木の性質として花を咲かす機会到来は
必定
(
ひつじょう
)
。けだし去年の花は
縦
(
よ
)
しまったく散り
了
(
おわ
)
っても、根さえ枯れずに健全なれば。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
此の三人の生命を通じ、
縦
(
よ
)
しそこにそれぞれ天稟の相違はあつても、何と云つてもおのづからひとつ流の交感がある。
月に吠える:02 月に吠える
(新字旧仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
▼ もっと見る
此の三人の生命を通じ、
縦
(
よ
)
しそこにそれぞれ天稟の相違はあつても、何と云つてもおのづからひとつ流の交感がある。
月に吠える:01 序
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
縦
(
よ
)
しやこれを免れ得るとするも、国内に
瀰漫
(
びまん
)
する社会民主的思想の高潮は
如何
(
いか
)
なる結果を生ずるか、あるいはその勢力に依って国外に放逐さるること無きか。
列強環視の中心に在る日本
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
縦
(
よ
)
し俳句に於て思うままに望を遂げたりともそは余の大望の殆ど無窮大なるに比して僅かに
零
(
ゼロ
)
を値するのみ。
子規居士と余
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
私の体験は、
縦
(
よ
)
しそれが貧弱なものであろうとも——愛の本質を、与える本能として感ずることが出来ない。
惜みなく愛は奪う
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
次に作者は中皇命か間人連老か両説あるが、これは中皇命の御歌であろう。
縦
(
よ
)
しんば間人連老の作という仮定をゆるすとしても中皇命の御心を以て作ったということになる。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
しかし
縦
(
よ
)
しやそんな風に根本の観念は生れ変って来るかも知れないとしても、宗教上に寺院の破壊が
大事件
(
たいじけん
)
であると同じわけで、固まった道義的観念の破壊も大事件に相違ありません。
家常茶飯 附・現代思想
(新字新仮名)
/
ライネル・マリア・リルケ
(著)
英雄縦不吾曹事(英雄は
縦
(
よ
)
し
吾曹
(
わがそう
)
の事にあらずとも)
大菩薩峠:37 恐山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
縦
(
よ
)
しやあなたの方で纏った物を出したところで
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
その音調といふ事が、
縦
(
よ
)
し意匠といくばくかの関係ありとするも、そは意匠の極小部分との関係なるべく、決して意匠即調といふを得ず。
人々に答ふ
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
なぜと云うに、
縦
(
よ
)
しや
強
(
す
)
ねてことわって見たい情はあるとしても、
卑怯
(
ひきょう
)
らしく
退嬰
(
たいえい
)
の態度を見せることが、残念になるに
極
(
き
)
まっているからである。
青年
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
散髪頭で遣って来た美少年姿の輪田夏子とは
縦
(
よ
)
し多少の似た所は有るとも全くの別人と見え、是ならば新しい生命を与えた者と云って少しも差し支えはないと思いました。
幽霊塔
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
縦
(
よ
)
し
亜米利加
(
アメリカ
)
国内に起った事であっても、まだそういう事に力を尽す人は他に幾らもある。即ちその場合が違っておる。これ教育の弊がついにそういう工合にしたのである。
女子教育の目的
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
人
(
ひと
)
は
縦
(
よ
)
し
思
(
おも
)
ひ
止
(
や
)
むとも
玉
(
たま
)
かづら
影
(
かげ
)
に
見
(
み
)
えつつ
忘
(
わす
)
らえぬかも 〔巻二・一四九〕 倭姫皇后
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
私の価値がいかに低いものであろうとも、私の正しい価値の中にあろうとするそのこと自身は何物かであらねばならぬ。
縦
(
よ
)
しそれが何物でもないにしろ、その外に私の採るべき態度はないではないか。
惜みなく愛は奪う
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
我ならぬ言ひたやすかり
縦
(
よ
)
しや眼は耳に聴けちふ心に観よちふ
黒檜
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
縦
(
よ
)
しそれも許して置いた処で「雲かかる」といへば一片の雲と見ゆる処いと
可笑
(
おか
)
しく候。試みにこの歌の景を想像
可被成
(
なさるべく
)
候。
人々に答ふ
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
父は
縦
(
よ
)
しや愚であつたにしても、若し智者に親近することが出来たなら、自ら発明する所があつたのかも知れない。
津下四郎左衛門
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
縦
(
よ
)
し発起人と迄に至らずとも
真
(
まこと
)
の罪人を知れるやも知れず、
否
(
いな
)
多分は知れるならん。
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
縦
(
よ
)
し選挙権を拡張し選挙区制を改めても、国民に政治思想が乏しく
公
(
おおやけ
)
に対する道徳
幼穉
(
ようち
)
なれば、同じく諸種の弊害を
醸
(
かも
)
すのである。これに対しては当局者もまたその責を分たねばならぬ。
選挙人に与う
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
夢なりや
縦
(
よ
)
しやかなしき我が
業
(
わざ
)
と君楽しみき悔いむ何無し
夢殿
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
縦
(
よ
)
し自然といふ事が唯一の方針にあらずとするも、芭蕉が古池の句につきて感じたる処はこの自然にあり。彼がその後の方針は皆自然に向ひて進みたり。
古池の句の弁
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
二洲は
瓜葛
(
くわかつ
)
の親とは、思軒以来の套語であるが、
縦
(
よ
)
しや山陽は一時の不平のために其家を去つたとしても、全く母の妹の家と絶つたのでないことは言を
須
(
ま
)
たない。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
真逆
(
まさか
)
に此の天女の様な美人が今まで主人無しに居る筈も無く、
縦
(
よ
)
しや居たとてそう
容易
(
たやす
)
く余に
靡
(
なび
)
く筈は無く、思えば余の心は余り軽率過ぎたなれど、此の時は全く此の様にまで思った
幽霊塔
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
今後
如何
(
いか
)
になるか知らぬが、
独逸
(
ドイツ
)
が勝ったとしても、優秀な人間は死んでしまって、後に残る民は破壊されてしまう。
縦
(
よ
)
し多少得るところがあっても、失ったところの十分の一も補うことは出来ない。
大戦乱後の国際平和
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
縦
(
よ
)
しや、また花の
館
(
やかた
)
に恋ごもれ、君が
驕楽
(
けうらく
)
第二邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
されどこもその歌がその場合に適切なるがために多く感じたるにやあらん。
縦
(
よ
)
しその人は自ら感じたる歌を善き歌と思ひたりとも、他の人必ずしもそを善しとは思はず。
人々に答ふ
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
二洲が
此
(
かく
)
の如き
小疵瑕
(
せうしか
)
の故を以て山陽を逐つたのでないことは言を
須
(
ま
)
たない。又
縦
(
よ
)
しや二洲の怒が
劇
(
はげし
)
かつたとしても、其妻
直
(
なほ
)
は必ずや姉の愛児のために調停したことを疑はない。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
しゑや、
縦
(
よ
)
しや、善き悪しき
新頌
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
感情の上より来る美感と全く種類を異にす。これらの句
縦
(
よ
)
し幾多の文学的技倆を現し得たりとも、根本において理窟に陥る者、特にこれを賞するは美を解せざるがためなり。
俳句の初歩
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
父は
縦
(
よ
)
しや預言者たる素質を有してゐなかつたにしても、
遂
(
つひ
)
に consacrés の群に加はることが出来ずに時勢の秘密を
覗
(
うかゞ
)
ひ得なかつたのは、単に身分が低かつたためではあるまいか。
津下四郎左衛門
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
縦
(
よ
)
しや
火遁
(
くわとん
)
の術ありとも
新頌
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
縦
(
よ
)
しまた複雑なる者なりとも、その中より
最
(
もっとも
)
文学的俳句的なる一要素を抜き来りてこれを十七字中に収めなば俳句となるべし。初学の人は議論するより作る方こそ
肝心
(
かんじん
)
なめれ。
俳諧大要
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
蕪村は古文法など知らざりけん、
縦
(
よ
)
し知りたりともそれに
拘
(
かかわ
)
らざりけん、文法に
違
(
たが
)
ひたる句
俳人蕪村
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
「
鮎
(
あゆ
)
くれて」の句、此の如き意匠は古来なき所、
縦
(
よ
)
しありたりとも「よらで過ぎ行く」とは言い得ざりしなり。常人をして言はしめば鮎くれしを主にして言ふべし。そは平凡なり。
俳人蕪村
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
惜むらくは「霞のまより」といふ句が
疵
(
きず
)
にて候。一面にたなびきたる霞に間といふも
可笑
(
おか
)
しく、
縦
(
よ
)
し間ありともそれはこの趣向に必要ならず候。入日も海も霞みながらに見ゆるこそ趣は候なれ。
歌よみに与ふる書
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
縦
(
よ
)
し言ひおほせたりとて、この種の美は美の中の下等なる者と存候。
歌よみに与ふる書
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
“縦”の意味
《名詞》
(たて)平面では上下に、立体では前後に貫く方向。
《形容動詞》
(ほしいまま)自分の思い通りに行動するさま。
(出典:Wiktionary)
“縦(縦と横)”の解説
縦(たて)は主に垂直や前後の方向を、横(よこ)は主に水平や左右の方向を指す語である。
縦と横は対義語である。
(出典:Wikipedia)
縦
常用漢字
小6
部首:⽷
16画
“縦”を含む語句
縦令
放縦
縦横
操縦
放縦不羈
淫縦
操縦席
放縦無頼
縦覧
一擒一縦
縦様
放縦不覊
縦横十文字
縦縞
縦横無尽
横縦
擒縦
縦皺
先縦
縦横無碍
...