)” の例文
に言伝える。天狗てんぐ狗賓ぐひんむ、巨樹、大木は、その幹のまた、枝の交叉こうさ一所ひとところせんを伸べ、床を磨いたごとく、清く滑かである。
今夜という今夜はたしかの実地を見届けたのだ、あれがにいう魔とか幽霊とか云うものであろう。
画工と幽霊 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
特に彼が典型と認める中古の物語は、「の人の情とははるかにまさりて」、「こよなくあはれ深き」、「みやびやかなるこころ」のかぎりを写している(玉の小櫛、全集五。一一九八—九九)。
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
本玉ほんたまとかいふ水晶製の眼鏡の価たかきをもいとはで此彼これかれと多くあがなひ求めて掛替々々凌ぐものから(中略、去歳こぞ庚子かのえね即ち天保十一年の)夏に至りては只朦々朧々として細字を書く事ならねばその稿本を
八犬伝談余 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
けれども、の奥様は大層お優しい方で、わがうみの児よりも継子ままこの御総領の方を大層可愛がって、にいう継母ままはは根性などと云う事は少しもない、誠に気質きだての美しい方でした。
画工と幽霊 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)