“あくび”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:アクビ
語句割合
欠伸90.2%
3.9%
悪日2.2%
1.1%
欠呻0.9%
呿呻0.7%
0.4%
呟呻0.2%
0.2%
悪火0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
すると警察医は、一寸そのままで黙っていたが、やがてゆっくり立上って大きく欠伸あくびをひとつすると、ロイド眼鏡の硝子たまを拭き拭き
気狂い機関車 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
良久しばらくして芋蟲いもむしくちから煙管きせるはなし、二つ三つあくびをして身振みぶるひしたかとおもふと、やがきのこしたくさなかへ這ひみました、たゞのこして
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
通していないんだから、くたくたのひょろひょろ、棒鼻にもたれてようやく立っているというばかり、ひでえ悪日あくびもあるもンだ
だ方々へ行ったのだけれど、其を一々書くと夜半よなかまでかかる。又鮒のようにあくびが出始めたから、是でお仕舞にしよう。夕飯までに写真を皆配って帰って来た。
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
顴骨ほほぼねの高い、疲労の色を湛へた、大きい眼のどんよりとした顔に、唇だけが際立つて紅かつた。其口が例外なみはづれに大きくて、欠呻あくびをする度に、鉄漿おはぐろの剥げた歯が醜い。
刑余の叔父 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
うしてるうちに、階下したでは源助が大きなあくびをする声がして、やがてお吉が何か言ふ。五分許り過ぎて誰やら起きた様な気色けはひがしたので、二人も立つて帯を締めた。
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
素知らぬさまをしてるのは、干からびた塩鱒しほびきの頭を引擦つて行く地種ぢだねの痩犬、百年も千年も眠つてゐた様な張合のない顔をして、日向ひなた呟呻あくびをしてゐる真黒な猫
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
あくび念仏ねぶつかみまぜおとがなでまはししがひげをぬきて居たり。
(黒髪のその呪詛のろいの火を払い消さんとするや、かえって青き火、幣に移りて、めらめらと燃上り、心火と業火ごうかと、ものすご立累たちかさなる)やあ、消せ、消せ、悪火あくびを消せ、悪火を消せ。ええ、らちあかぬ。
多神教 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)