“あくび”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:アクビ
語句割合
欠伸89.5%
4.1%
悪日2.4%
1.0%
欠呻1.0%
呿呻0.7%
0.5%
呟呻0.2%
0.2%
悪火0.2%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
健策は相手を皮肉るでもなくこう云って笑うと、思い切って大きな欠伸あくびを一つした。硝子ガラス窓越しにチラチラ光る綿雪を見遣りながら……。
復讐 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
犬は毛の長い耳を振って、大きな欠伸あくびを一つすると、そのまままたごろりと横になって、仔細しさいらしく俊助の靴のにおいを嗅ぎ出した。
路上 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
良久しばらくして芋蟲いもむしくちから煙管きせるはなし、二つ三つあくびをして身振みぶるひしたかとおもふと
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
結構尽けっこうづくめの御身体は弱々しくなり、しんつかれ、風邪かぜも引き易くなって、朝はあくびばかりなさいました。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
こうと知ったら、定めし白髪しらが引挘ひきむしって、頭を壁へ打付けて、おれを産んだ日を悪日あくびのろって、人の子を苦しめに、戦争なんぞを発明した此世界をさぞののしこッたろうなア!
一夜のうちにこれほどの失敗が重なったのは、彼等に取ってよくよくの悪日あくびとも云うべきであった。
半七捕物帳:69 白蝶怪 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
又鮒のようにあくびが出始めたから、是でお仕舞にしよう。
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
と言うので、銀子も去就に迷い、生咬なまがみのあくびを手で抑えるのだった。
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
それを見て辻の巡査は出かかった欠呻あくびみしめ、
(新字旧仮名) / 石川啄木(著)
其口が例外なみはづれに大きくて、欠呻あくびをする度に、鉄漿おはぐろの剥げた歯が醜い。
刑余の叔父 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
路傍みちばたに犬ながながと呿呻あくびしぬ
一握の砂 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
さう言ふ校長の声も半分は呿呻あくびであつた。
(新字旧仮名) / 石川啄木(著)
うしてるうちに、階下したでは源助が大きなあくびをする聲がして、軈てお吉が何か言ふ。
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
うしてるうちに、階下したでは源助が大きなあくびをする声がして、やがてお吉が何か言ふ。
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
素知らぬさまをしてるのは、干からびた塩鱒しほびきの頭を引擦つて行く地種ぢだねの痩犬、百年も千年も眠つてゐた様な張合のない顔をして、日向ひなた呟呻あくびをしてゐる真黒な猫、往還の中央まんなかつるんでゐる鶏くらゐなもの。
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
御坊ごばうこそくせをいだしてふねこぎ玉ふらめ、おとたかししづかにいへ、幽霊を見るともかまへて音をたて玉ふな、といひつゝ手作てさくとて人にもらひたる烟草たばこのあらくきざみたるもやゝすひあきて、あくび念仏ねぶつかみまぜおとがなでまはししがひげをぬきて居たり。
(黒髪のその呪詛のろいの火を払い消さんとするや、かえって青き火、幣に移りて、めらめらと燃上り、心火と業火ごうかと、ものすご立累たちかさなる)やあ、消せ、消せ、悪火あくびを消せ、悪火を消せ。
多神教 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)