“おくび”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
51.3%
噯気16.7%
15.4%
5.1%
小欠2.6%
曖気2.6%
1.3%
吹呿1.3%
噫気1.3%
噯氣1.3%
(他:1)1.1%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
のっそりとおくびをしたり、眼をぱちくりさせたり、たてがみを振ってみたり、——それにもう刈りとられて仕舞うその早さ。
ある朝酒月が宿酔ふつかよいおくびで咽喉を鳴らしながら噴水の傍を通りかかり、フト思いついた悪計だったのである。
魔都 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
彼の貪食ぶりは言語に絶した壮観で、挑みかかるようにありったけのものを喰いつくすと、喉を鳴らして遠慮なく噯気おくびをした。
黒い手帳 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
さうなると腹を痛めないかぎりに許しがでるのをこつそりとがなすきがなちぎつてぼたん杏の噯気おくびがでるまでくふ。
銀の匙 (新字旧仮名) / 中勘助(著)
森成さんの御蔭おかげでこの苦しみがだいぶ退いた時ですら、動くたびに腥いおくびは常に鼻をつらぬいた。
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
私は先ず胸を撫で降ろし自分の空腹は仕方がないのでおくびにも出さず、再び一郎の手を引くと、音痴な声を張上げ、「箱根の山は天下の険」
箱根の山 (新字新仮名) / 田中英光(著)
こぼれ落ちるものは頭垢ふけと涙、湧きいづるものは、泉、乳、虱、接吻くちづけのあとのおくび、紅き薔薇さうびの虫、白蟻。
第二真珠抄 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
刺身は調味つまのみになッておくび応答うけこたえをするころになッて、お政は、例の所へでも往きたくなッたか、ふとッて坐舗ざしきを出た。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
こう言って挨拶する親戚しんせきの前では、義雄は弟の遠い旅に行った動機なぞを小欠おくびにも出すまいとする風であった。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
年をとるなんて、相川に言わせると、そんなことは小欠おくびにも出したくなかった。
並木 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
それから丁度翻芻族はんすうぞくの獣のやうに、曖気おくびをした。
と正木博士は曖気おくびをしながらり返った。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
父はルムペンかと思うような身装みなりも平気だが、母はやわらかい羽織でも引っかけ、印台の金の指環ゆびわなど指にめて、おまいりでもして歩きたいふうで、家の暮しも小楽らしく何かと取り繕い、芸者をしている娘から仕送ってもらっていることなどは、おくびにも出さなかった。
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
吹呿おくびのまぎれ、辻賣はつぶやくけはひ。
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
物がたり吹呿おくびまじりに、
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
岡田が洋行の事を噫気おくびにも出さぬので、僕は色々話したい事のあるのをこらえて、石原と岡田との間に交換せられる競漕きょうそうの経歴談などに耳を傾けていた。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
おちかは二度と會ひに來ず、腹では煮えかへる思ひをしながら息子のことは噯氣おくびにも出さずに暮して來た。
第一義の道 (旧字旧仮名) / 島木健作(著)
この御頸おくびけたたまの名をミクラタナの神と申します。