“おくび”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
47.7%
20.9%
噯気15.1%
5.8%
小欠2.3%
曖気2.3%
1.2%
吹呿1.2%
噫気1.2%
噯氣1.2%
(他:1)1.1%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
おくびをするかと思うと、印半纏しるしばんてんの肩をそびやかして、のッとく。新姐子しんぞっこがばらばらとけて通す。
露肆 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
過日の、広芝の件はおくびにも出さないで、真っ向へこう探りを入れてみましたが万太郎もここへ来る間に、相当の応酬の用意をもっていたとみえ、
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
喰いたくもねえものを勿体もってえねえ、お附合いに買うにゃ当りやせん、食もたれのおくびなんぞで、せせり箸をされた日にゃ、第一うおが可哀相だ。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
平素彼は彼女の前でおくびにも出したことのない子供の名を假令たとひ夢であるにしても呼んだとしたら、彼女はどんなに苦しみ出したかしれなかつた。
崖の下 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
私は先ず胸を撫で降ろし自分の空腹は仕方がないのでおくびにも出さず、再び一郎の手を引くと、音痴な声を張上げ、「箱根の山は天下の険」
箱根の山 (新字新仮名) / 田中英光(著)
そこでそんな顏馴染の住人達のことは彼女にはおくびにも出さないで、彼はずんずんその家のなかにはひつていつて、すました顏をしてヴェランダに腰を下ろした。
巣立ち (旧字旧仮名) / 堀辰雄(著)
讃岐守はさつと顔色を変へた。そして鳥はその儘出入の者に呉れてやつて、そのは死ぬるまで鶉を聞かうなどとは噯気おくびにも出さなかつた。
また、母も、わたくしが年頃になり、売物として花を飾らなければならない必要から、乞食の子呼ばりは噯気おくびにも出さなくなりました。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
父の胸に息づまるほど抱きしめられ、酒臭い息や泥酔でいすい噯気おくびを顔に感じ、気味悪い涙や接吻にらされて、嫌悪けんおと恐怖とにもだえていた。
刺身は調味つまのみになッておくび応答うけこたえをするころになッて、お政は、例の所へでも往きたくなッたか、ふとッて坐舗ざしきを出た。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
こぼれ落ちるものは頭垢ふけと涙、湧きいづるものは、泉、乳、虱、接吻くちづけのあとのおくび、紅き薔薇さうびの虫、白蟻。
第二真珠抄 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
家で知ってる人なぞは、元はれっきとしたばくち打ちだったらしいが、おくびにもそんな処は出さねえぞ。
沓掛時次郎 三幕十場 (新字新仮名) / 長谷川伸(著)
こう言って挨拶する親戚しんせきの前では、義雄は弟の遠い旅に行った動機なぞを小欠おくびにも出すまいとする風であった。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
年をとるなんて、相川に言わせると、そんなことは小欠おくびにも出したくなかった。
並木 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
それから丁度翻芻族はんすうぞくの獣のやうに、曖気おくびをした。
と正木博士は曖気おくびをしながらり返った。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
曖気おくびをする。
父はルムペンかと思うような身装みなりも平気だが、母はやわらかい羽織でも引っかけ、印台の金の指環ゆびわなど指にめて、おまいりでもして歩きたいふうで、家の暮しも小楽らしく何かと取り繕い、芸者をしている娘から仕送ってもらっていることなどは、おくびにも出さなかった。
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
吹呿おくびのまぎれ、辻賣はつぶやくけはひ。
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
物がたり吹呿おくびまじりに、
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
岡田が洋行の事を噫気おくびにも出さぬので、僕は色々話したい事のあるのをこらえて、石原と岡田との間に交換せられる競漕きょうそうの経歴談などに耳を傾けていた。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
おちかは二度と會ひに來ず、腹では煮えかへる思ひをしながら息子のことは噯氣おくびにも出さずに暮して來た。
第一義の道 (旧字旧仮名) / 島木健作(著)
この御頸おくびけたたまの名をミクラタナの神と申します。