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可
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え
ふりがな文庫
“
可
(
え
)” の例文
学者はさうなけりやならんけど、世間は皆学者ではないぞ、
可
(
え
)
えか。実業家の精神は
唯財
(
ただかね
)
じや、世の中の奴の慾も財より外には無い。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
『
慝
(
かく
)
すには及ばんぞ、
聞
(
きい
)
たら聞いたと言うが
可
(
え
)
え。そんなら
乃父
(
おれ
)
には
考案
(
かんがえ
)
があるから。サア慝くさずに言うが可え。何か聞いたろう?』
運命論者
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
葡萄酒の瓶がその後に倒れ、漬物の皿、破茶碗などが
四邊
(
あたり
)
に
散亂
(
ちらば
)
つてゐる。『其麽に痛えがす? お由
殿
(
どん
)
、寢だら
可
(
え
)
がべす。』
赤痢
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
内務省は煙草専売局、印紙
御貼用済
(
ごちょうようずみ
)
。味は至極
可
(
え
)
えで、
喫
(
の
)
んで見た上で買いなさい。大阪は安井銀行、第三蔵庫の担保品。
露肆
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「そないに君
吃驚
(
びつくり
)
せんでも
可
(
え
)
えやないかいな。僕はこれでも雅号を
米水
(
べいすい
)
と云つて、
小室翠雲
(
こむろすいうん
)
さんのお弟子だよ。」
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
▼ もっと見る
『
泣
(
なか
)
んでも
可
(
え
)
え、
最早
(
もう
)
乃父
(
おれ
)
も問わんから、サア奥へ帰るが
可
(
え
)
え、』と
優
(
やさ
)
しく言った
其
(
その
)
言葉は少ないが、慈愛に
満
(
みち
)
て居たのです。
運命論者
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
此反對な二人の莫迦に
親密
(
なかよし
)
なのは、他の娘共から常に怪まれてゐた位で、また半分は嫉妬氣味から、「
那麽
(
あんな
)
阿婆摺
(
あばづれ
)
と一緒にならねえ方が
可
(
え
)
えす。」
天鵞絨
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
まだ
慾
(
よく
)
の言えば、お
前
(
ま
)
んとお孝と
対向
(
さしむかい
)
で、
一猪口
(
ひとちょこ
)
飲
(
や
)
る処をですだ、敷居の外からでも
可
(
え
)
い、見ていたいものですだ。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
自身に足るほどの物があつたら、それで
可
(
え
)
えと満足して了うてからに手を
退
(
ひ
)
くやうな
了簡
(
りようけん
)
であつたら、国は
忽
(
たちま
)
ち
亡
(
ほろぶ
)
るじや——社会の事業は発達せんじや。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
お前も卒業までと思ったろうし、又大学までとも
志
(
こころざ
)
して
居
(
い
)
たろうけれど、人は一日も早く独立の生活を営む方が
可
(
え
)
えことはお前も知って居るだろう。
運命論者
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
「お定ツ子は
穩
(
おとな
)
しくて
可
(
え
)
え
喃
(
なう
)
。」と言はれる度、今も昔も顏を染めては、「
俺
(
おら
)
知らねえす。」と人の後に隱れる。
天鵞絨
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
この頃は
病気
(
やまい
)
と張合う
勇
(
いさみ
)
もないで、どうなとしてくれ、もう
投身
(
なげみ
)
じゃ。人に由っては
大蒜
(
にんにく
)
が
可
(
え
)
え、と云うだがな。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
若い男の所へ若い
女子
(
をなご
)
が度々
出入
(
でいり
)
したら、そんな事は無うても、人がかれこれ言ひ
易
(
やす
)
い、
可
(
え
)
えですか、そしたら、間はとにかくじや、
赤樫様
(
あかがしさん
)
と云ふ者のある貴方の
躯
(
からだ
)
に
疵
(
きず
)
が付く。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
「お定ツ子は
穏
(
おとな
)
しくて
可
(
え
)
え
喃
(
なあ
)
。」と言はれる度、今も昔も顔を染めては、「
俺
(
おら
)
知らねえす。」と人の後に隠れる。
天鵞絨
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「それに何だか我が折れて愚に
還
(
かえ
)
ったような風も見えるだ。それを見ると私も気の毒でならん、
喧
(
やか
)
まし人は
矢張
(
やっぱり
)
喧しゅうしていてくれる方が
可
(
え
)
えと思いなされ」
富岡先生
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
「そんなに
急
(
あせ
)
らんでもまあ
可
(
え
)
えわい。心配なさるな、どうにかなる。時に、才子は今夜来ていないかの。」綾子「
百田様
(
ももたさん
)
?」伯は「うう」「は、参っております。」
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「何處だと
聞
(
きか
)
つしやるな。何處でも
可
(
え
)
えじや御座んせんか、徳の伴れてゆく處に面白うない處はない」
少年の悲哀
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
日帰りに山家から
麓
(
ふもと
)
の里へ通う
機織
(
はたおり
)
の女工が七人づれ、
可
(
え
)
えですか。……峠をもう一息で越そうという時、下駄の
端緒
(
はなお
)
が切れて、一足後れた女が一人キャッと云う。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
『この
人
(
しと
)
アまあ、
可
(
え
)
え工夫してること。』と笑つた。お定も心持顔を赧くして笑つたが、風呂敷包は、難なく其処から
戸外
(
そと
)
へ吊り下された。格子は元の通りに直された。
天鵞絨
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
鯉
(
こひ
)
とも
思
(
おも
)
ふが、
木
(
き
)
が
小
(
ちつこ
)
い。
鰌
(
どぜう
)
では
可笑
(
をかし
)
かんべい。
鮒
(
ふな
)
を
一
(
ひと
)
ツ
製
(
こさ
)
へて
見
(
み
)
せつせえ。
雑
(
ざつ
)
と
形
(
かたち
)
で
可
(
え
)
え。
鱗
(
うろこ
)
は
縦横
(
たてよこ
)
に
筋
(
すぢ
)
を
引
(
ひ
)
くだ、……
私
(
わし
)
も
同
(
おな
)
じに
遣
(
や
)
らかすで、
較
(
くら
)
べて
見
(
み
)
るだね。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「持ても
可
(
え
)
えなんチュウことは言わさん、あれほど
可愛
(
かわ
)
いがっておって未だ文句が有るのか」
酒中日記
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
『伴れて行くともす。今朝誰も居ねえ時聞いて見たば、伴れてつても
可
(
え
)
えつて
居
(
え
)
たもの。』
天鵞絨
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
宜
(
よろ
)
しゅうございます。行っていらっしゃいと云うて、その
金子
(
かね
)
を
請取
(
うけと
)
ったんじゃ、
可
(
え
)
えか、諸君。
露肆
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「ウーン
三輔
(
さんすけ
)
のことか、そうか、三輔なら三輔と早く言えば
可
(
え
)
えに。時に三輔は達者かナ」
富岡先生
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
『伴れて行くともす。今朝誰も居ねえ時聞いて見たば、伴れてつても
可
(
え
)
えつて
居
(
え
)
たもの。』
天鵞絨
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「
出番
(
でばん
)
と
見
(
み
)
たら、ちやんと
拵
(
こしら
)
ツて
置
(
お
)
くが
可
(
え
)
いだ。お
客
(
きやく
)
を
待
(
ま
)
たして、タイヤに
空氣
(
くうき
)
を
入
(
い
)
れるだあもの。……
馬鹿親仁
(
ばかおやぢ
)
。」と
散溢
(
ちりこぼ
)
れた
石炭屑
(
せきたんくづ
)
を
草鞋
(
わらぢ
)
の
腹
(
はら
)
でバラリと
横
(
よこ
)
に
蹴
(
け
)
つて
飯坂ゆき
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
それも
彼奴
(
きゃつ
)
等の癖だからまア
可
(
え
)
えわ、辛棒出来んのは高山や長谷川の奴らの様子だ、オイ細川、
彼等
(
きゃつら
)
全然
(
まる
)
でだめだぞ、大津と同じことだぞ、生意気で
猪小才
(
ちょこざい
)
で高慢な顔をして
富岡先生
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
『そして、少し家業に身を入れて呉れると
可
(
え
)
えども。』と、母が
何日
(
いつ
)
でも附加へた。
刑余の叔父
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「裏表とも気を
注
(
つ
)
けるじゃ、
可
(
え
)
いか、可いか。ちょっと道寄りをして来るで、可いか、お方。」
歌行灯
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「それは不実だ。先生もなかなか浮気だの、新らしいのが
可
(
え
)
えだ」と言って老人は笑った。
酒中日記
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
文選小僧は「明日の新聞も景気が
可
(
え
)
えぞ。」と工場で叫んで居た。
菊池君
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
さて
困
(
こま
)
つたは、
寒
(
さむ
)
ければ、へい、
寒
(
さむ
)
し、
暑
(
あつ
)
ければ
暑
(
あつ
)
い
身躰
(
からだ
)
ぢや、
飯
(
めし
)
も
食
(
く
)
へば、
酒
(
さけ
)
も
飲
(
の
)
むで、
昼間
(
ひるま
)
寐
(
ね
)
て
夜
(
よる
)
出懸
(
でか
)
けて、
沼
(
ぬま
)
の
姫様
(
ひいさま
)
見
(
み
)
るは
可
(
え
)
えが、そればかりでは
活
(
い
)
きて
居
(
ゐ
)
られぬ。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
文選小僧は『明日の新聞も景気が
可
(
え
)
えぞ。』と工場で叫んで居た。
菊池君
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
分
(
わか
)
つた、
分
(
わか
)
つたよ、
御坊
(
ごばう
)
。お
前様
(
めえさま
)
が、
仏
(
ほとけ
)
でも
鬼
(
おに
)
でも、
魔物
(
まもの
)
でも、
唯
(
たゞ
)
の
人間
(
にんげん
)
の
坊様
(
ばうさま
)
でも
可
(
え
)
え。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
『まだ
可
(
え
)
がべえどら。』と、お由が呟く様に口を入れた。
赤痢
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
そこでじゃ諸君、
可
(
え
)
えか、その熊手の値を聞いた海軍の水兵君が言わるるには、
可
(
よし
)
、熊手屋、二円五十銭は分った、しかしながらじゃな、ここに持合わせの銭が五十銭ほか無い。
露肆
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
『エツヘヘ。源作さあ
何日
(
いつ
)
でも気楽で
可
(
え
)
えでヤなあ。』
刑余の叔父
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
この
願
(
ねがい
)
を聞届け遣わされりゃ、殺されても、俺、
礫
(
はりつけ
)
になっても
可
(
え
)
えのですだで。国手。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
『
其麽
(
そんな
)
に痛えがす? お
由殿
(
よしどな
)
、寝だら
可
(
え
)
がべす。』
赤痢
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
又、
汝等
(
きさまら
)
とても、
恁
(
こ
)
う云ふ事件の最後の際には、其の家の主人か、
良人
(
おっと
)
か、
可
(
え
)
えか、俺がぢや、
或
(
ある
)
手段として旅行するに
極
(
きま
)
つとる事を知つて
居
(
お
)
る。
汝
(
きさま
)
は知らいでも、
怜悧
(
りこう
)
な
彼
(
あれ
)
は知つて
居
(
お
)
る。
紅玉
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
『
可
(
え
)
えでヤ。』と言つた叔父の声は稍高かつた。
刑余の叔父
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「や、ここで
可
(
え
)
え。話は
直
(
じ
)
き分る。」と英臣は
杖
(
ステッキ
)
を脇挟んで、葉巻を
銜
(
くわ
)
えた。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
『千早先生も、それなら
可
(
え
)
がべす?』
足跡
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「
南無阿弥陀仏
(
なんまいだぶ
)
、ソ、それは、それ、この次の、次の、小座敷で亡くならしっけえ、どっかの嬢様が書いて
貼
(
は
)
っただとよ、
直
(
じ
)
きそこだ、今ソンな事あどうでも
可
(
え
)
え。頭から、
慄然
(
ぞっ
)
とするだに、」
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
また、
汝等
(
きさまら
)
とても、こういう事件の最後の際には、その家の主人か、
良人
(
おっと
)
か、
可
(
え
)
えか、俺がじゃ、ある手段として旅行するに
極
(
きま
)
っとる事を知っておる。
汝
(
きさま
)
は知らいでも、
怜悧
(
りこう
)
なあれは知っておる。
紅玉
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「かね……
私
(
わし
)
また西洋の
雀躍
(
すずめおどり
)
か、と思ったけ、まあ、
可
(
え
)
え。」
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
(
藥賣
(
くすりう
)
りぢやに
買
(
か
)
ひないな、
可
(
え
)
え
所
(
ところ
)
へ
來
(
き
)
たでや。)
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
荷
(
に
)
もつも
寄越
(
よこ
)
すが
可
(
え
)
いよ。」
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
(
斃
(
お
)
ちても
可
(
え
)
えか……はあ、)
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
“可”の意味
《名詞》
(カ)成績や品質などの等級表示で、合格のための最低限のレベル。
(出典:Wiktionary)
可
常用漢字
小5
部首:⼝
5画
“可”を含む語句
可憐
可愛
不可
可恐
可哀
可笑
可惜
可怖
可傷
可怪
可厭
可憫
可怕
許可
可忌
可成
可哀想
可愛想
可訝
可懷
...