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学者はさうなけりやならんけど、世間は皆学者ではないぞ、えか。実業家の精神は唯財ただかねじや、世の中の奴の慾も財より外には無い。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
かくすには及ばんぞ、きいたら聞いたと言うがえ。そんなら乃父おれには考案かんがえがあるから。サア慝くさずに言うが可え。何か聞いたろう?』
運命論者 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
葡萄酒の瓶がその後に倒れ、漬物の皿、破茶碗などが四邊あたり散亂ちらばつてゐる。『其麽に痛えがす? お由殿どん、寢だらがべす。』
赤痢 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
内務省は煙草専売局、印紙御貼用済ごちょうようずみ。味は至極えで、んで見た上で買いなさい。大阪は安井銀行、第三蔵庫の担保品。
露肆 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「そないに君吃驚びつくりせんでもえやないかいな。僕はこれでも雅号を米水べいすいと云つて、小室翠雲こむろすいうんさんのお弟子だよ。」
なかんでもえ、最早もう乃父おれも問わんから、サア奥へ帰るがえ、』とやさしく言ったその言葉は少ないが、慈愛にみちて居たのです。
運命論者 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
此反對な二人の莫迦に親密なかよしなのは、他の娘共から常に怪まれてゐた位で、また半分は嫉妬氣味から、「那麽あんな阿婆摺あばづれと一緒にならねえ方がえす。」
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
まだよくの言えば、おんとお孝と対向さしむかいで、一猪口ひとちょこる処をですだ、敷居の外からでもい、見ていたいものですだ。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
自身に足るほどの物があつたら、それでえと満足して了うてからに手を退くやうな了簡りようけんであつたら、国はたちまほろぶるじや——社会の事業は発達せんじや。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
お前も卒業までと思ったろうし、又大学までともこころざしてたろうけれど、人は一日も早く独立の生活を営む方がえことはお前も知って居るだろう。
運命論者 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
「お定ツ子はおとなしくてなう。」と言はれる度、今も昔も顏を染めては、「おら知らねえす。」と人の後に隱れる。
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
この頃は病気やまいと張合ういさみもないで、どうなとしてくれ、もう投身なげみじゃ。人に由っては大蒜にんにくえ、と云うだがな。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
若い男の所へ若い女子をなごが度々出入でいりしたら、そんな事は無うても、人がかれこれ言ひやすい、えですか、そしたら、間はとにかくじや、赤樫様あかがしさんと云ふ者のある貴方のからだきずが付く。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「お定ツ子はおとなしくてなあ。」と言はれる度、今も昔も顔を染めては、「おら知らねえす。」と人の後に隠れる。
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
「それに何だか我が折れて愚にかえったような風も見えるだ。それを見ると私も気の毒でならん、やかまし人は矢張やっぱり喧しゅうしていてくれる方がえと思いなされ」
富岡先生 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
「そんなにあせらんでもまあえわい。心配なさるな、どうにかなる。時に、才子は今夜来ていないかの。」綾子「百田様ももたさん?」伯は「うう」「は、参っております。」
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「何處だときかつしやるな。何處でもえじや御座んせんか、徳の伴れてゆく處に面白うない處はない」
少年の悲哀 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
日帰りに山家からふもとの里へ通う機織はたおりの女工が七人づれ、えですか。……峠をもう一息で越そうという時、下駄の端緒はなおが切れて、一足後れた女が一人キャッと云う。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
『このしとアまあ、え工夫してること。』と笑つた。お定も心持顔を赧くして笑つたが、風呂敷包は、難なく其処から戸外そとへ吊り下された。格子は元の通りに直された。
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
こひともおもふが、ちつこい。どぜうでは可笑をかしかんべい。ふなひとこさへてせつせえ。ざつかたちえ。うろこ縦横たてよこすぢくだ、……わしおなじにらかすで、くらべてるだね。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「持てもえなんチュウことは言わさん、あれほど可愛かわいがっておって未だ文句が有るのか」
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
『伴れて行くともす。今朝誰も居ねえ時聞いて見たば、伴れてつてもえつてたもの。』
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
よろしゅうございます。行っていらっしゃいと云うて、その金子かね請取うけとったんじゃ、えか、諸君。
露肆 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「ウーン三輔さんすけのことか、そうか、三輔なら三輔と早く言えばえに。時に三輔は達者かナ」
富岡先生 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
『伴れて行くともす。今朝誰も居ねえ時聞いて見たば、伴れてつてもえつてたもの。』
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
出番でばんたら、ちやんとこしらツてくがいだ。おきやくたして、タイヤに空氣くうきれるだあもの。……馬鹿親仁ばかおやぢ。」と散溢ちりこぼれた石炭屑せきたんくづ草鞋わらぢはらでバラリとよこつて
飯坂ゆき (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
それも彼奴きゃつ等の癖だからまアえわ、辛棒出来んのは高山や長谷川の奴らの様子だ、オイ細川、彼等きゃつら全然まるでだめだぞ、大津と同じことだぞ、生意気で猪小才ちょこざいで高慢な顔をして
富岡先生 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
『そして、少し家業に身を入れて呉れるとえども。』と、母が何日いつでも附加へた。
刑余の叔父 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
「裏表とも気をけるじゃ、いか、可いか。ちょっと道寄りをして来るで、可いか、お方。」
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「それは不実だ。先生もなかなか浮気だの、新らしいのがえだ」と言って老人は笑った。
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
文選小僧は「明日の新聞も景気がえぞ。」と工場で叫んで居た。
菊池君 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
さてこまつたは、さむければ、へい、さむし、あつければあつ身躰からだぢや、めしへば、さけむで、昼間ひるまよる出懸でかけて、ぬま姫様ひいさまるはえが、そればかりではきてられぬ。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
文選小僧は『明日の新聞も景気がえぞ。』と工場で叫んで居た。
菊池君 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
わかつた、わかつたよ、御坊ごばう。お前様めえさまが、ほとけでもおにでも、魔物まものでも、たゞ人間にんげん坊様ばうさまでもえ。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
『まだがべえどら。』と、お由が呟く様に口を入れた。
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
そこでじゃ諸君、えか、その熊手の値を聞いた海軍の水兵君が言わるるには、よし、熊手屋、二円五十銭は分った、しかしながらじゃな、ここに持合わせの銭が五十銭ほか無い。
露肆 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
『エツヘヘ。源作さあ何日いつでも気楽でえでヤなあ。』
刑余の叔父 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
このねがいを聞届け遣わされりゃ、殺されても、俺、はりつけになってもえのですだで。国手。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
其麽そんなに痛えがす? お由殿よしどな、寝だらがべす。』
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
又、汝等きさまらとても、う云ふ事件の最後の際には、其の家の主人か、良人おっとか、えか、俺がぢや、ある手段として旅行するにきまつとる事を知つてる。きさまは知らいでも、怜悧りこうあれは知つてる。
紅玉 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
えでヤ。』と言つた叔父の声は稍高かつた。
刑余の叔父 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
「や、ここでえ。話はき分る。」と英臣はステッキを脇挟んで、葉巻をくわえた。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
『千早先生も、それならがべす?』
足跡 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
南無阿弥陀仏なんまいだぶ、ソ、それは、それ、この次の、次の、小座敷で亡くならしっけえ、どっかの嬢様が書いてっただとよ、きそこだ、今ソンな事あどうでもえ。頭から、慄然ぞっとするだに、」
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
また、汝等きさまらとても、こういう事件の最後の際には、その家の主人か、良人おっとか、えか、俺がじゃ、ある手段として旅行するにきまっとる事を知っておる。きさまは知らいでも、怜悧りこうなあれは知っておる。
紅玉 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「かね……わしまた西洋の雀躍すずめおどりか、と思ったけ、まあ、え。」
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
藥賣くすりうりぢやにひないな、ところたでや。)
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
もつも寄越よこすがいよ。」
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ちてもえか……はあ、)
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)