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可
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いい
ふりがな文庫
“
可
(
いい
)” の例文
人は自分のすべきことをさへすれば
可
(
いい
)
、われわれが貴様を責めるのも、勿論のこと、ひまだからだ、と
煎
(
せん
)
じ詰めた処さういふのだな。
海城発電
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
斗満から十勝の中川郡
本別村
(
ほんべつむら
)
の役場までの十余里はまだ
可
(
いい
)
として、釧路の
白糠
(
しらぬか
)
村役場までは足寄を経て近道の山越えしても中途露宿して二十五里
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
僕は、乞食して行く積りだつて、さう答へた処が、「ソンナ無謀な破廉恥な事はせん方が
可
(
いい
)
だらう。」と云ひました。
雲は天才である
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
歌ちゃんあれは、あれッて
何
(
なに
)
、おとぼけでない彼れさ、知らないよ、知らないはずがあるものかねと叱るように早口に云えば、実は七赤儂とは
極
(
ごく
)
不可
(
いけ
)
ないの、その
不可
(
いけ
)
ないのが
可
(
いい
)
のだろう
油地獄
(新字新仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
そうでないと、あれでも
御国
(
みくに
)
のためには、
生命
(
いのち
)
も
惜
(
おし
)
まない
徒
(
てあい
)
だから、どんなことをしようも知れない。よく思案して請取るんだ、
可
(
いい
)
か。
海城発電
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
『森川さんの憎いツたらありやしない。
那麽
(
あんな
)
に乱暴しなくたつて
可
(
いい
)
のに、到頭「声きく時」を裂いツ
了
(
ちま
)
つた。……』
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「家を有つなら
草葺
(
くさぶき
)
の家、而して一反でも
可
(
いい
)
、己が自由になる土を有ちたい」
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
何しろ横に転がして使う
壜
(
びん
)
なぞ見た事もないんだからね。……
可
(
いい
)
かい。それに
活計
(
くらし
)
むきに余裕があるとなれば、またどうにもなる。
卵塔場の天女
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
初めて聞いた言葉ではないが、お利代は大きい眼を
瞠
(
みはつ
)
て
眤
(
じつ
)
と智恵子の顔を見た。何と答へて
可
(
いい
)
か解らないのだ。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
それも
可
(
いい
)
、時と場合で捕われないにも限らんが、撲られて痛いからって、平気で味方の内情を白状しようとは、呆れ
果
(
はて
)
た腰抜だ。
海城発電
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
願くは、今自分の見て居る
間
(
うち
)
に、早く何処かの
内儀
(
おかみ
)
さんが来て、
全体
(
みんな
)
では余計だらうが、アノ一番長い足一本だけでも買つて行つて呉れれば
可
(
いい
)
に、と思つた。
葬列
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
それも
可
(
いい
)
、時と場合で捕はれないにも限らんが、
撲
(
なぐ
)
られて痛いからつて、平気で味方の内情を白状しやうとは、
呆
(
あき
)
れ
果
(
はて
)
た腰抜だ。
海城発電
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
が兎も角、我が石本君の極めて優秀なる風采と態度とは、決して平凡な一本路を終始並足で歩いて来た人でないといふ事丈けは、完全に表はして居るといつて
可
(
いい
)
。
雲は天才である
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
さ、こう断った上でも、やっぱり看護員は看護員で、看護員だけのことをさえすれば
可
(
いい
)
、むしろ
他
(
ほか
)
のことはしない方が
当前
(
あたりまえ
)
だ。
海城発電
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
『新田さん、貴君はそれで
可
(
いい
)
のですか。よ、新田さん、貴君一人の学校ではありませんよ。人ツ、代用のクセに何だと思つてるだらう。マア御覧なさい。アンナ奴。』
雲は天才である
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
さ、断つた上でも、やつぱり看護員は看護員で、看護員だけのことをさへすれば
可
(
いい
)
、むしろ
他
(
ほか
)
のことはしない方が
当前
(
あたりまえ
)
だ。
海城発電
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
『だつて、お
宅
(
うち
)
ぢや心配してらつしやるわ、屹度。尤も慎次さんも
被来
(
いらしつ
)
たんだから
可
(
いい
)
けど……。』
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
おい、
可
(
いい
)
加減に
巫山戯
(
ふざけ
)
ておけ。これ知るまいと思うても、
先刻
(
さっき
)
ちゃんと
睨
(
にら
)
んでおいた、ここを這入って右側の
突当
(
つきあたり
)
の
部室
(
へや
)
の中に
匿蔵
(
かくまっ
)
てあろうがな。
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
何とか先きに手紙でも来れや、
職業
(
くち
)
の方だツて見付けるに都合が
可
(
いい
)
んだ。昨日は実際僕
喫驚
(
びつくり
)
したぜ。何にも知らずに会社から帰ツて見ると、後藤の肇さんが来てるといふ。
漂泊
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「
唯
(
ただ
)
持って行ってくれれば
可
(
い
)
いの、
何処
(
どこ
)
へッて
当
(
あて
)
はないの。落したら
其処
(
そこ
)
でよし、失くしたらそれッきりで
可
(
いい
)
んだから……
唯
(
ただ
)
心持
(
こころもち
)
だけなんだから……」
春昼後刻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
可愛い
児供
(
こども
)
の生れた時、この児も或は年を老つてから
悲惨
(
みじめ
)
な
死様
(
しにざま
)
をしないとも限らないから、いつそ今
斯
(
か
)
うスヤ/\と眠つてる間に殺した方が
可
(
いい
)
かも知れぬ、などと考へるのは
葬列
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
今のように、
身体
(
からだ
)
で
庇
(
かば
)
って、とんだ怪我でもしちゃ
不可
(
いか
)
ん、気をつけるんだよ、きつと、
可
(
いい
)
か、分ったかね。
わか紫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
『怎だえ、君、函館は
可
(
いい
)
かね。』と、何時しか紙莨を啣へて居た楠野君が口を開いた。
漂泊
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
しかし
可
(
いい
)
加減な話だ、今時そんなことがある訳のものではないと、ある人が一人の坊さんに申しますと、その坊さんは黙って
微笑
(
ほほえ
)
みながら、
拇指
(
おやゆび
)
を出して見せました
湯女の魂
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
道なき道を歩む人とも云へる、コスモポリタンの徒と呼んで見るも
可
(
いい
)
。ハ………。
漂泊
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
まあ、夜分になりましてから
可
(
いい
)
塩梅
(
あんばい
)
に風もちと
凪
(
な
)
ぎましてござりますが、朝ッからの吹通しで、そこいらへ針がこぼれましたように、ちくちくいたしますでござります、へい。
わか紫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
これで
了解
(
のみこ
)
めたから、私も
可
(
いい
)
加減にバツを合せた。そして
札幌
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「
成程
(
なッ
)
、
可
(
いい
)
わえ、それじゃ水心ありの方だの、こう、姉え、そしてお前どこへ行く。」
わか紫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
これで
了解
(
のみこ
)
めたから、私も
可
(
いい
)
加減にバツを合せた。そして
札幌
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「どうしようかしら。お茶を
食
(
あが
)
るんなら
可
(
いい
)
けれど、お酒を
飲
(
のむ
)
んじゃ、可哀相だわ。」
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
もしか、按摩が尋ねて来たら、堅く
居
(
お
)
らん、と言え、と宿のものへ
吩附
(
いいつ
)
けた。叔父のすやすやは、上首尾で、並べて取った床の中へ、すっぽり入って、
引被
(
ひっかぶ
)
って、
可
(
いい
)
心持に寝たんだが。
歌行灯
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「義作さん
可
(
いい
)
加減におしな。お嬢様は御心配を遊ばしていらっしゃるんですよ。」
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
可
(
いい
)
心持に、すっと足を
伸
(
のば
)
す、
背
(
せなか
)
が浮いて、
他愛
(
たわい
)
なくこう、その
華胥
(
かしょ
)
の国とか云う、そこへだ——引入れられそうになると、何の樹か知らないが、
萌黄色
(
もえぎいろ
)
の葉の茂ったのが、上へかかって
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
斜
(
ななめ
)
に甲羅を、板に添って、手を掛けながら、するすると泳ぐ。これが、
棹
(
さお
)
で操るがごとくになって、
夥多
(
あまた
)
の
可
(
いい
)
心持に乾いた亀の子を、カラカラと
載
(
の
)
せたままで、水をゆらゆらと流れて辷った。
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
可
(
いい
)
加減におし、あれさ、可いやね、そんなら私が
素裸
(
まッぱだか
)
になって着物を
地
(
つち
)
に敷いて、その上へ
貴女
(
あなた
)
を休ませ申すまでも、お前達の世話にゃあならない、どちらへも休みはしないからそう思っておくれ。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「それだから
昨日
(
きのう
)
も髪を結わない前に、あんなに芳さんにあやまったものを。
邪慳
(
じゃけん
)
じゃあないかね。
可
(
いい
)
よ、旦那が何といっても、叱られても大事ないよ。私ゃすぐ
引毀
(
ひっこわ
)
して、結直して見せようわね。」
化銀杏
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
可
(
いい
)
塩梅
(
あんばい
)
に
霽
(
あが
)
りました。……ちと、お熱過ぎはいたしませんか。」
妖術
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「いいえ、
可
(
いい
)
のよ、」
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
可
(
いい
)
よ、お上りよ。」
海異記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“可”の意味
《名詞》
(カ)成績や品質などの等級表示で、合格のための最低限のレベル。
(出典:Wiktionary)
可
常用漢字
小5
部首:⼝
5画
“可”を含む語句
可憐
可愛
不可
可恐
可哀
可笑
可惜
可怖
可傷
可怪
可厭
可憫
可怕
許可
可忌
可成
可哀想
可愛想
可訝
可懷
...