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可
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いゝ
ふりがな文庫
“
可
(
いゝ
)” の例文
『まあ、何と申上げて
可
(
いゝ
)
か解りませんけれど——』とお志保は耳の根元までも
紅
(
あか
)
くなつて、『私はもう其積りで居りますんですよ。』
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
が、
名
(
な
)
ではない。ばさりと
称
(
とな
)
へたは
其
(
そ
)
の
音
(
おと
)
で、
正体
(
しやうたい
)
は
二本
(
にほん
)
の
番傘
(
ばんがさ
)
、ト
蛇
(
じや
)
の
目
(
め
)
に
開
(
ひら
)
いたは
可
(
いゝ
)
が、
古御所
(
ふるごしよ
)
の
簾
(
すだれ
)
めいて、ばら/\に
裂
(
さ
)
けて
居
(
ゐ
)
る。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
願くは、今自分の見て居る
間
(
うち
)
に、早く何處かの
内儀
(
おかみ
)
さんが來て、
全體
(
みんな
)
では餘計だらうが、アノ一番長い足一本だけでも買つて行つて呉れゝば
可
(
いゝ
)
に、と思つた。
葬列
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
『何うしても
肯
(
き
)
きませんか。それぢや
全快
(
なほ
)
つても死でしまひます。
可
(
いゝ
)
から此儘で手術をなさいと申すのに』
泉鏡花作『外科室』
(旧字旧仮名)
/
宮崎湖処子
(著)
あゝ、また
彼
(
あ
)
の先生の書いたものなぞを読んで、神経を痛めなければ
可
(
いゝ
)
がなあと。
彼様
(
あゝ
)
いふ本を読むのは、君、可くないよ。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
はや
其
(
そ
)
の
谷川
(
たにかは
)
の
音
(
おと
)
を
聞
(
き
)
くと
我身
(
わがみ
)
で
持余
(
もてあま
)
す
蛭
(
ひる
)
の
吸殻
(
すひがら
)
を
真逆
(
まツさかさま
)
に
投込
(
なげこ
)
んで、
水
(
みづ
)
に
浸
(
ひた
)
したら
嘸
(
さぞ
)
可
(
いゝ
)
心地
(
こゝち
)
であらうと思ふ
位
(
くらゐ
)
、
何
(
なん
)
の
渡
(
わた
)
りかけて
壊
(
こは
)
れたら
夫
(
それ
)
なりけり。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
何とか先に手紙でも來れや、
職業
(
くち
)
の方だつて見付けるに都合が
可
(
いゝ
)
んだ。昨日は實際僕
喫驚
(
びつくり
)
したぜ。何にも知らずに會社から歸つて見ると後藤の肇さんが來てるといふ。
漂泊
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
『
斯
(
こ
)
の応接室で読まうか。人が来ると
不可
(
いけない
)
。教室が
可
(
いゝ
)
か。小使部屋が可か——否、彼処へも人が来ないとは限らない。』
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
殊
(
こと
)
に
崖
(
がけ
)
を、
上
(
うへ
)
の
方
(
はう
)
へ、
可
(
いゝ
)
塩梅
(
あんばい
)
に
畝
(
うね
)
つた
様子
(
やうす
)
が、
飛
(
とん
)
だものに
持
(
も
)
つて
来
(
こ
)
いなり、
凡
(
およ
)
そ
此
(
こ
)
の
位
(
くらゐ
)
な
胴中
(
どうなか
)
の
長虫
(
ながむし
)
がと
思
(
おも
)
ふと、
頭
(
かしら
)
と
尾
(
を
)
を
草
(
くさ
)
に
隠
(
かく
)
して
月
(
つき
)
あかりに
歴然
(
あり/\
)
とそれ。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
それではどうしたら
可
(
いゝ
)
でせうと問ひますと、「マア能く考へて見て、何とかしたら可ぢやないか。」
雲は天才である
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
(
否
(
いえ
)
、
何
(
なん
)
の
貴僧
(
あなた
)
。お
前
(
まい
)
さん
後程
(
のちほど
)
に
私
(
わたし
)
と
一所
(
いつしよ
)
にお
食
(
た
)
べなされば
可
(
いゝ
)
のに。
困
(
こま
)
つた
人
(
ひと
)
でございますよ。)とそらさぬ
愛想
(
あいさう
)
、
手早
(
てばや
)
く
同一
(
おなじ
)
やうな
膳
(
ぜん
)
を
拵
(
こしら
)
えてならべて
出
(
だ
)
した。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
おや、さうですか? 私は江戸川へ行くんですから、須田町で乘換へたつて
可
(
いゝ
)
ぢやありませんか?
我が最近の興味
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
それ見給え、そういう芸があるなら売るが
可
(
いゝ
)
じゃないか。売るべし。売るべし。無くてさえ売ろうという今の世の中に、有っても隠して持ってるなんて、そんな君のような人があるものか。
朝飯
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
処
(
ところ
)
で、
私
(
わたし
)
が、お
浦
(
うら
)
を
救
(
すく
)
ふ
道
(
みち
)
として、
進
(
すゝ
)
むべき
第一歩
(
だいいつぽ
)
は、
何処
(
どこ
)
でも
可
(
い
)
い、
小家
(
こいへ
)
を
一軒
(
いつけん
)
探
(
さが
)
す
事
(
こと
)
だ。
小家
(
こや
)
でも
可
(
いゝ
)
、
辻堂
(
つじだう
)
、
祠
(
ほこら
)
でも
構
(
かま
)
はん、
何
(
なん
)
でも
人
(
ひと
)
の
居
(
ゐ
)
ない
空屋
(
あきや
)
が
望
(
のぞ
)
みだ。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
可愛い
兒供
(
こども
)
の生れた時、この兒も或は年を
老
(
と
)
つてから
悲慘
(
みじめ
)
な
死樣
(
しにざま
)
をしないとも限らないから、いつそ今斯うスヤ/\と眠つてる
間
(
うち
)
に殺した方が
可
(
いゝ
)
かも知れぬ、などと考へるのは
葬列
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
愉快
(
おもしろ
)
いな、
愉快
(
おもしろ
)
いな、お
天気
(
てんき
)
が悪くつて
外
(
そと
)
へ
出
(
で
)
て
遊
(
あそ
)
べなくつても
可
(
いゝ
)
や、
笠
(
かさ
)
を
着
(
き
)
て
蓑
(
みの
)
を
着
(
き
)
て、
雨
(
あめ
)
の
降
(
ふ
)
るなかをびしよ/″\
濡
(
ぬ
)
れながら、
橋
(
はし
)
の
上
(
うへ
)
を
渡
(
わた
)
つて
行
(
ゆ
)
くのは
猪
(
いぬしゝ
)
だ。
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
『
怎
(
どう
)
だへ、君、函館は
可
(
いゝ
)
かね。』と、何時しか紙莨を啣へて居た楠野君が口を開いた。
漂泊
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
ひよつとかして、
私
(
わし
)
の
方
(
はう
)
さ
出来
(
でき
)
が
佳
(
よ
)
くば、
相談対手
(
さうだんあひて
)
に
成
(
な
)
れるだでの、
可
(
いゝ
)
か、さあ、ござらつせえ。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
『まあ
可
(
いゝ
)
さ。但し當分は先づ食ツて行けるだけでも、仕方がないから辛抱するさ。』
漂泊
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
唯
(
たゞ
)
、ねえ、さう
思
(
おも
)
つて、
居
(
ゐ
)
れば、
可
(
いゝ
)
のだから、いつてはなりませんよ。
可
(
いゝ
)
かい。そして
先生
(
せんせい
)
が
腹
(
はら
)
を
立
(
た
)
つてお
憎
(
にく
)
みだつて、さういふけれど、
何
(
なに
)
そんなことがありますものか。
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
『同じ江戸川へ行くんなら、何處で乘換へたつて
可
(
いゝ
)
ぢやありませんか?』
我が最近の興味
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
見
(
み
)
たいな!
翼
(
はね
)
の
生
(
は
)
へたうつくしい
姉
(
ねえ
)
さん。だけれども、まあ、
可
(
いゝ
)
、
母様
(
おつかさん
)
が
居
(
ゐ
)
らつしやるから、
母様
(
おつかさん
)
が
居
(
ゐ
)
らつしやつたから。(完)(「新著月刊」第一号 明治30年4月)
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
『全體で二百圓あれア
可
(
いゝ
)
んですつて。』
鳥影
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
“可”の意味
《名詞》
(カ)成績や品質などの等級表示で、合格のための最低限のレベル。
(出典:Wiktionary)
可
常用漢字
小5
部首:⼝
5画
“可”を含む語句
可憐
可愛
不可
可恐
可哀
可笑
可惜
可怖
可傷
可怪
可厭
可憫
可怕
許可
可忌
可成
可哀想
可愛想
可訝
可懷
...