べく)” の例文
近習番きんじゅうばん木村丈八事、やがて其地に立寄り申すべくつき、領内にて相待ち、同道にて帰府のほう都合よろしかるべし——という指令なのであった。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
皆納かいなふいたし候樣申呉候間甚はだ以て不便ふびんの至りには候へ共ほかに致し方も無之これなくよんどころなくふみうり申度存じ候之に依て近日召連めしつれ出府致し候間いづれへ成共御世話被下度せわくだされたく此段御相談さうだん申上奉つり候なほ委細ゐさい拜顏はいがん之上申上べく早々さう/\以上
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
万一、相手方の者、たがえあるに於ては、世間へ向ってわらい申すべく、当方に違えある時は、即ち、神罰をうくるものなり
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかるに小次郎は君公の御舟にて遣され、私は其許様お舟にて遣され候旨に御座候処、右、御主君に被対たいせられ、如何わしく存じ奉候。この儀、私にはお構いなされず候て然るべくとぞんじ奉り候
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
近日、鎌倉表へめしあるべく
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)