トップ
>
先刻
>
さきほど
ふりがな文庫
“
先刻
(
さきほど
)” の例文
「ええ
先刻
(
さきほど
)
も申しました通り、私事は西川正休、いささか天文の学を学び、幕府に仕えまして天文方、お見知り置かれくださいますよう」
任侠二刀流
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
父
(
てゝ
)
親は
先刻
(
さきほど
)
より腕ぐみして目を閉ぢて有けるが、あゝ御袋、無茶の事を言ふてはならぬ、我しさへ初めて聞いて何うした物かと思案にくれる
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
先刻
(
さきほど
)
まで箒を持つて
彷
(
うろつ
)
いてゐた、年老つた小使も何処かに行つて了つて、隅の方には
隣家
(
となり
)
の鶏が三羽、柵を潜つて来てチヨコ/\遊び廻つてゐる。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
何を隠しましょう。私は今晩凍死をして自殺する決心なのでございます。私は
先刻
(
さきほど
)
、大桶に一杯のアイス・クリームを部屋に取り寄せておきました。
ノンシャラン道中記:04 南風吹かば ――モンテ・カルロの巻――
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
先刻
(
さきほど
)
は失礼。あのねえ、とにかく挨拶にだけ、行つてくるからね、すまないけど、君からヨッちやんに宜しく言つといてくれないか。義理が悪いんだよ。
竹藪の家
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
▼ もっと見る
「御主人、
先刻
(
さきほど
)
から御容子を伺うに、どうやら世の常の木樵衆とも見受けられぬ、以前は
一花
(
ひとはな
)
咲かした侍衆が、よくよくの仔細あっての山住いと睨んだが、いかがじゃ」
轆轤首
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
奉公に
出
(
いだ
)
し
取換
(
とりかへ
)
の二分にて
質
(
しち
)
に
入置
(
いれおき
)
し夜具を
請
(
うけ
)
に
先刻
(
さきほど
)
此家へ參りし處八十兩の金を
掛硯
(
かけすゞり
)
の引出しへ
入置處
(
いれおくところ
)
を見たるに付
何卒
(
なにとぞ
)
是
(
これ
)
を
盜
(
ぬす
)
み御主人の不自由を
救
(
すく
)
ひ勘當の
詫
(
わび
)
の種にも
爲
(
なし
)
又妻を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
斯う云う処にいらっしゃろうとは
些
(
ちっ
)
とも知りませんで、
昨夜
(
ゆうべ
)
も今日も
先刻
(
さきほど
)
までも貴方のお噂が
漸々
(
よう/\
)
重なって、ポンと
衝突
(
ぶッつ
)
かって此処でお目にかゝるなんてえのは誠に不思議でげすが
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
先刻
(
さきほど
)
から少し離れた客席で、その日の新聞紙に読み耽つてゐたらしい公爵は、ちらと婦人記者の顔を見るなり、不思議さうに二人の会話に聞耳を立ててゐたらしかつたが、暫くすると
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
学部長様が
先刻
(
さきほど
)
からお電話で御座いまして、正木先生がまだおいでになるかとお尋ねで御座いましたから、私はビックリ致しまして、如何か存じませぬがチョット見て参りましょうと申しまして
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
小万は驚きながらふッと気がつき、
先刻
(
さきほど
)
吉里が置いて行ッた手紙の紙包みを、まだしまわず床の間に上げておいたのを、包みを開け
捻紙
(
こより
)
を解いて見ると、手紙と手紙との間から紙に包んだ写真が出た。
今戸心中
(新字新仮名)
/
広津柳浪
(著)
「あの奥さまが、
先刻
(
さきほど
)
お着きになりました。」といった。
貞操問答
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
父親
(
てておや
)
は
先刻
(
さきほど
)
より腕ぐみして目を閉ぢて有けるが、ああ御袋、無茶の事を言ふてはならぬ、
我
(
わ
)
しさへ始めて聞いてどうした物かと思案にくれる
十三夜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「左門様が、あなた様のお父様の敵などとは夢にも知らず、
先刻
(
さきほど
)
から、紙帳の中で、物語りいたしましたは真実ではござりまするが、何んの
貞操
(
みさお
)
を!」
血曼陀羅紙帳武士
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
隣室からは、床に就いて三月にもなる
老女
(
としより
)
の、幽かな呻声が聞える。
主婦
(
あるじ
)
のお利代は、
盥
(
たらひ
)
を門口に持出して、
先刻
(
さきほど
)
からバチヤ/\と洗濯の音をさしてゐる。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
……早速ですが貴方は
先刻
(
さきほど
)
、食事係の看護婦に、御自分のお名前をお尋ねになりましたそうで……その旨を宿直の医員から私に報告して参りましたから、すぐにお伺い致しました次第で御座いますが
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
平田は
先刻
(
さきほど
)
から
一言
(
ひとこと
)
も言わないでいる。
今戸心中
(新字新仮名)
/
広津柳浪
(著)
その時差上げたのが
先刻
(
さきほど
)
の手紙。
平賀源内捕物帳:萩寺の女
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
父親
(
てゝおや
)
は
先刻
(
さきほど
)
より
腕
(
うで
)
ぐみして
目
(
め
)
を
閉
(
と
)
ぢて
有
(
あり
)
けるが、あゝ
御袋
(
おふくろ
)
、
無茶
(
むちや
)
の
事
(
こと
)
を
言
(
い
)
ふてはならぬ、
我
(
わ
)
しさへ
始
(
はじ
)
めて
聞
(
き
)
いて
何
(
ど
)
うした
物
(
もの
)
かと
思案
(
しあん
)
にくれる
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
ところで、
先刻
(
さきほど
)
、一人の女子が、拙者の巣へ——寝所へ、迷い込んでござる。
血曼陀羅紙帳武士
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
物音
(
ものおと
)
を
聞
(
きゝ
)
つけて
璧隣
(
かべどなり
)
の
小學教員
(
せうがくけふいん
)
の
妻
(
つま
)
、いそがはしく
表
(
おもて
)
より
廻
(
まわ
)
り
來
(
き
)
て、お
歸
(
かへ
)
りに
成
(
なり
)
ましたか、
御新造
(
ごしんぞ
)
は
先刻
(
さきほど
)
、三
時
(
じ
)
過
(
す
)
ぎでも
御座
(
ござ
)
りましたろか、お
實家
(
さと
)
からのお
迎
(
むか
)
ひとて
奇麗
(
きれい
)
な
車
(
くるま
)
が
見
(
み
)
えましたに
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
餘
(
あま
)
り
先刻
(
さきほど
)
みな
樣
(
さま
)
のお
強
(
し
)
い
遊
(
あそ
)
ばすが
五月蠅
(
うるさ
)
さに、
一人
(
ひとり
)
庭
(
には
)
へと
逃
(
に
)
げまして、お
稻荷
(
いなり
)
さまのお
社
(
やしろ
)
の
所
(
ところ
)
で
醉
(
ゑ
)
ひを
覺
(
さ
)
まして
居
(
を
)
りましたに、
私
(
わたし
)
は
變
(
へん
)
な
變
(
へん
)
な、をかしい
事
(
こと
)
を
思
(
おも
)
ひよりまして、
笑
(
わら
)
つて
下
(
くだ
)
さりますな
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
“先刻”の意味
《名詞・形容動詞》
先程。ちょっと前。
以前から。すでに。とっくに。
(出典:Wiktionary)
先
常用漢字
小1
部首:⼉
6画
刻
常用漢字
小6
部首:⼑
8画
“先刻”で始まる語句
先刻程