“彷”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
さまよ83.3%
うろつ16.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その幻にひかれて、姫は万法蔵院までさまよい出て、結界を犯した償いに、其処にとどまる。そして化尼ケニに導かれて蓮糸の曼陀羅を織る。
『死者の書』 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
ただはいろうはいろうとするらしく丘のうえをさまよってるうちに目がさめた。蒲団からのり出した右腕が冷たくなっていた。ひえびえとした時雨しぐれの朝である。私はすぐに母を思った。
母の死 (新字新仮名) / 中勘助(著)
先刻さきほどまで箒を持つてうろついてゐた、年老つた小使も何処かに行つて了つて、隅の方には隣家となりの鶏が三羽、柵を潜つて来てチヨコ/\遊び廻つてゐる。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)