“とっさん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
父様70.0%
親仁10.0%
父爺10.0%
親父様10.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「お父様とっさんはまだ寝ないかねえ。」
戯作三昧 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
黒服の親仁とっさんは、すっぽりとちゅう山高を脱ぐ。兀頭はげあたまで、太いくび横皺よこじわがある。けつで、閣翁を突くがごとくにして、銅像に一拝すると
肩まで霧に包まれたその足と、台座の間に、ちょぼりと半面を蟋蟀こおろぎのごとく覗かせて見ていた、ほこりだらけの黒服の親仁とっさんが、ひょいと出た、妙な処に。
いや、親仁おやじ、何よ、お前のとっさんか、父爺とっさんには黙ってよ、父爺にくと、危いとか悪戯いたずらをするなとか、何とか言って叱られら。そら、な、いか、黙って黙って。
悪獣篇 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
鉄蔵はのさのさ入りて大胡坐おおあぐら。「これでも子持の親父様とっさんだ。」「そういやあ竹坊はどうした。二三見えねえぜ。」「彼奴あいつあ、こかしたよ。」と平気でう。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)