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とうさま
ふりがな文庫
“
父様
(
とうさま
)” の例文
旧字:
父樣
「お前が、そういう
心掛
(
こころがけ
)
で買うのなら、時々は買ってもいい。お
父様
(
とうさま
)
は、お好きな
方
(
ほう
)
なのだから。」と、お
母
(
っか
)
さんは言いました。
納豆合戦
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
父様
(
とうさま
)
がミンチン先生にお願いして下すったの。だって——ねえ、私、おあそびする時、自分でお話をこしらえて、自分に話してきかすからなの。
小公女
(新字新仮名)
/
フランシス・ホジソン・エリザ・バーネット
(著)
これからこの娘が父親のことを、「
父様
(
とうさま
)
」といっている。いくら大尽の家の親父にしたところが、その子供が「父様」なんていうことはないはずだ。
中里介山の『大菩薩峠』
(新字新仮名)
/
三田村鳶魚
(著)
お国さんのお
父様
(
とうさま
)
は骨格の逞しい怖い人でお役のため留守がちだつたが、たまに家のときはいちんち二階に閉ぢこもつてなにか書きものをしてゐた。
銀の匙
(新字旧仮名)
/
中勘助
(著)
「安斉先生はつぎの間へさがったが、お
父様
(
とうさま
)
は心配になってのぞいてみた。すると大変! 『ご
短慮
(
たんりょ
)
、ご短慮』といって、富田さんがおさえている」
苦心の学友
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
▼ もっと見る
筆「お
父様
(
とうさま
)
、
私
(
わたくし
)
は一生懸命に神信心をして上手に成ってお父様のお手助けをいたし
度
(
と
)
うございますから御心配なく、来年の夏迄には
屹度
(
きっと
)
一人前に成りますから」
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
子供は舌の働きが自由でないから、とかく言いにくい音を言いやすい音にかえたがる。「
美
(
うつく
)
しい」を「うつくちい」、「お
父様
(
とうさま
)
」を「おとうちゃま」などと云う。
特殊部落の言語
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
『
父様
(
とうさま
)
、私は
真実
(
ほんと
)
に父様の
児
(
こ
)
なのでしょうか。』と
兼
(
かね
)
て思い定めて置いた通り、単刀直入に問いました。
運命論者
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
人の前で、
母様
(
かあさん
)
と云おうが、
父様
(
とうさま
)
と云おうが、道義上あえて
差支
(
さしつかえ
)
はない、かえって結構なくらいである。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
すると清は
澄
(
すま
)
したものでお
兄様
(
あにいさま
)
はお
父様
(
とうさま
)
が買ってお上げなさるから構いませんと云う。これは不公平である。おやじは
頑固
(
がんこ
)
だけれども、そんな
依怙贔負
(
えこひいき
)
はせぬ男だ。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
広大なる邸に住んで多くの侍僕を使い、人は一代の
碩学
(
せきがく
)
として称えてくれる。しかし
父様
(
とうさま
)
のお心の中の苦悶は、私の物心ついてこの方いまだ一日として消えたこともないのだ。
令嬢エミーラの日記
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
「いえ、何んにも変ったことはございませんが、私の
腑
(
ふ
)
に落ちないことを、親分さんにお訊ねしたいと思いまして、
父様
(
とうさま
)
にも内証で、出入りの若い衆に頼んで、送って貰いました」
銭形平次捕物控:321 橋場の人魚
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
『先生に
判
(
わか
)
りはしませんよ。ねえお嬢様。お
父様
(
とうさま
)
に
仰
(
おつ
)
しやらしないでせう。』
御門主
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
四角な顔の軍人は主人と見えて、先に立つて二人を案内した。玄関には台附のランプが点して置いてある。十二三のと八つばかりのと、男の子が二人走つて玄関に出て、お
父様
(
とうさま
)
の右左に取り附く。
金貨
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
お
父様
(
とうさま
)
に悪いところがあるならおれがいさめて改めさせればいい、ふたりが善人になればこの町はよくなるのだ、南山にとらをうちにゆく必要もなければ長橋にりゅうをほふりにゆく必要もない
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
「お
父様
(
とうさま
)
だけ。御兄弟は確かございませんでしたね?」
春
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
そして、「お
父様
(
とうさま
)
、どうかお願いですから、」
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
「有難うございました。私は昨晩から悪者の為にこの部屋に監禁されているのでございます。
父様
(
とうさま
)
はどうなすったでしょう。どうかすぐH
旅館
(
ホテル
)
へ案内して下さい。私はAというもので、父様の看護の為、当地にきているのです。」
緑衣の女
(新字新仮名)
/
松本泰
(著)
「お
父様
(
とうさま
)
からお許しが出たかどうかうかがってみる。それに学監室へは時々話しにくるようにとおっしゃった」
苦心の学友
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
一寸
(
ちょっと
)
重役の
家
(
うち
)
へ遊びに行っても、銀の煙管じゃとか、紙入じゃとか、風呂敷とか、手拭とか云うものを盗んで
袂
(
たもと
)
へ入れて来るじゃ、そこでお
父様
(
とうさま
)
も呆れてしまい
闇夜の梅
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
其
(
そ
)
の
雪
(
ゆき
)
は、
故郷
(
ふるさと
)
から
私
(
わたし
)
を
迎
(
むかひ
)
に
来
(
き
)
たものを、……
帰
(
かへ
)
る
気
(
き
)
は
些
(
ちつと
)
も
無
(
な
)
しに、
貴下
(
あなた
)
の
背
(
せな
)
に
凭
(
より
)
かゝつて、
二階
(
にかい
)
の
部屋
(
へや
)
へ
入
(
はい
)
りしなに、——
貴下
(
あなた
)
のお
父様
(
とうさま
)
が
御覧
(
ごらん
)
の
目
(
め
)
には、……
急
(
きふ
)
に
貴下
(
あなた
)
が
大
(
おほ
)
きく
成
(
な
)
つて
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「お
父様
(
とうさま
)
、お
母様
(
かあさま
)
、どうか
勘忍
(
かんにん
)
して下さいまし。」
おぎん
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「お
父様
(
とうさま
)
、日曜から土曜へは少しご無理じゃございませんでしょうか?」
苦心の学友
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
父
常用漢字
小2
部首:⽗
4画
様
常用漢字
小3
部首:⽊
14画
“父”で始まる語句
父
父親
父子
父母
父娘
父御
父樣
父上
父爺
父君