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さん
ふりがな文庫
“
様
(
さん
)” の例文
旧字:
樣
(御宅の御新造
様
(
さん
)
は、
私
(
わし
)
ン
処
(
とこ
)
に居ますで案じさっしゃるな、したがな、また
旧
(
もと
)
なりにお前の処へは来ないからそう思わっしゃいよ。)
清心庵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
『え。渡辺
様
(
さん
)
といふお友達の家に参りましたが、その方の兄さんとお親い方だとかで……アノ、
些
(
ちよつ
)
とお目に懸つたんで御座います。』
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
彼家
(
あそこ
)
じゃ
奥様
(
おくさん
)
も好い
方
(
かた
)
だし御隠居様も小まめにちょこまかなさるが
人柄
(
ひと
)
は極く好い方だし、お清
様
(
さん
)
は出戻りだけに
何処
(
どこ
)
か
執拗
(
ひねく
)
れてるが
竹の木戸
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
御隠居と鶴子
様
(
さん
)
とまさ
様
(
さん
)
は正月から盆まで宅の裏座敷にお出でなさりましたわ、あしこの化粧の間が台所で此処の二間をお室になして。
死線を越えて:01 死線を越えて
(新字旧仮名)
/
賀川豊彦
(著)
伯父さんも義理で孝助を出すに違いないが、
就
(
つ
)
いちゃア
明日
(
あした
)
伯父
様
(
さん
)
と一緒に帰って来ては困るが、孝助が
独
(
ひとり
)
で先へ帰る訳には出来まいか
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
仕付糸をとってやりながら、向う
様
(
さん
)
へ行ったら行儀ようするんやぜと母親は常に変らぬ調子でいうのだが、何か叱られているように思った。
雨
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
「お父
様
(
さん
)
、こんな家よしちまって、郊外に大きい
分離派
(
ぶんりは
)
かなんかの文化住宅を、お建てなさいよウ」
紅子
(
べにこ
)
が、ボッブの頭を振り振り云った。
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
痛
(
いた
)
く細君に気遣われしなれ、「
様
(
さん
)
」
附
(
づけ
)
にも呼ばれしなれ、顔に傷をも受けしなれ、今は少しの不審も無し彼れが事は露ほども余が心に関せず
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
亡母
(
おつか
)
さん
其儘
(
そのまゝ
)
で
在
(
い
)
らつしやるんですもの——此の
洋琴
(
オルガン
)
はゼームス
様
(
さん
)
が亡母さんの為めに寄附なされたのですから、貴嬢が之をお弾きなされば
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
実は
切迫
(
せっぱ
)
つまった事で、金は
要
(
い
)
る、借りるところはなし。君がいると、一も二もなく相談するのだが、叔母
様
(
さん
)
には言いにくいだろうじゃないか。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
「山県——はア学校の先生
様
(
さん
)
だア、私等が
餓児
(
がき
)
も先生様の御蔭にはえらくなつてるだア。
好
(
え
)
い優しい人で、はア」
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
とても
止
(
や
)
みそうにもないし、あなたもそうまでせられては、いっしょになってもいられないだろう、わたしもあなたとは、あなたのお父
様
(
さん
)
お母
様
(
さん
)
からの親しい間だし
四谷怪談
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
一人
住居
(
ずまい
)
の相手なしに毎日
毎夜
(
まいや
)
さびしくつて暮しているなれば手すきの時には遊びにも来て下され、私はこんながらがらした気なれば
吉
(
きつ
)
ちやんの様な暴れ
様
(
さん
)
が大好き
わかれ道
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
鰐淵
様
(
さん
)
のかれこれ
有仰
(
おつしや
)
るのは今に始つた事ではないので、もう私実に
窮
(
こま
)
つてをるのでございます。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
『これ、丑松や、猪子といふ御客
様
(
さん
)
がお
前
(
めへ
)
を尋ねて来たぞい。』
斯
(
か
)
う言つて叔母は駈寄つた。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
と、また紛れもないジョンの声が、手近の
椰子
(
やし
)
の林の中から、「お父
様
(
さん
)
! お父
様
(
さん
)
!」
加利福尼亜の宝島:(お伽冒険談)
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
女らしいぞと口の中で
独語
(
つぶやき
)
ながら、誰だ女嫌ひの親分の所へ今頃来るのは、さあ這入りな、とがらりと戸を引き退くれば、
八
(
は
)
ッ
様
(
さん
)
お世話、と軽い挨拶、提灯吹き
滅
(
け
)
して頭巾を脱ぎにかゝるは
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
「もしもしどなた
様
(
さん
)
ですか」いいますと、「姉ちゃん、あて——あてや」いうのんが、光子さんより外にそんないいようする人はないのんですけど、それが電話が遠いのんか、小声でいうてるのんか
卍
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
この様子を見るとお爺
様
(
さん
)
はもう
狂気
(
きちがい
)
のように
周章
(
あわて
)
出して——
白髪小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
「何か用なの? え、仙太
様
(
さん
)
。」
片男波
(新字新仮名)
/
小栗風葉
(著)
こちとらの大家
様
(
さん
)
が高い家賃を取上げて
適
(
たまさか
)
に一杯飲ます、こりゃ何も
仁
(
なさけ
)
じゃねえ、いわば
口塞
(
くちふさぎ
)
の
賄賂
(
まいない
)
さ、
怨
(
うらみ
)
を聞くまいための
猿轡
(
さるぐつわ
)
だ。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
今まで御嬢
様
(
さん
)
にはあんなに優しかった老先生がこの
二三日
(
にさんち
)
はちょっとしたことにも大きな声をして怒鳴るようにならしゃっただ
富岡先生
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
富「お腹立様では
何
(
なん
)
ですが、お隅
様
(
さん
)
に只今の様な事をしたは富五郎本心でしたと思召しての御立腹なれば御尤もでございます」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
『まだ。今日か明日帰るさうだ。吉野
様
(
さん
)
がゐないと俺は
薩張
(
さつぱり
)
詰らないから、今日は莫迦に暑いけれども飛出して来たんだ。』
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
彼
(
あ
)
の慈愛館へ
伴
(
つ
)
れてお
行
(
いで
)
になりましたがネ、——貴嬢、私の
伜
(
せがれ
)
が生きてると
丁度
(
ちやうど
)
篠田
様
(
さん
)
と同年のですよ、私、
彼
(
あ
)
の方を見ると
何時
(
いつ
)
でも涙が出ましてネ
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
宿
(
やど
)
の者
等
(
ら
)
此人を
目科
(
めしな
)
「
様
(
さん
)
」とて特に「
様
(
さん
)
」附にして呼び、帳番も廊下にて
摺違
(
すれちが
)
うたびに此人には帽子を脱ぎて
挨拶
(
あいさつ
)
するなど
大
(
おおい
)
に
持做
(
もてなし
)
ぶりの違う所あるにぞ
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
叔母
様
(
さん
)
、この肺病という
病
(
やつ
)
ばかりは恐ろしいもんですね、叔母
様
(
さん
)
もいくらもご存じでしょう、
妻
(
さい
)
の病気が夫に伝染して一家総だおれになるはよくある
例
(
ためし
)
です
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
正太は大人らしう
惶
(
かしこま
)
りて加減が悪るいのですかと真面目に問ふを、いいゑ、と母親怪しき笑顔をして少し経てば
愈
(
なほ
)
りませう、いつでも極りの我まま
様
(
さん
)
、さぞお友達とも喧嘩しませうな
たけくらべ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「お前はよそ
様
(
さん
)
の子供
衆
(
し
)
と
違
(
ちご
)
て、ふたおやがないのやさかい、余計……。」
わが町
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
「お父
様
(
さん
)
、そりゃ、お酒のせいですよ」黄一郎がおかしそうに口を出した。
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「泊めてお上げなさいよお父
様
(
さん
)
……ねえ、お母
様
(
さん
)
もいいでしょう……」
喇嘛の行衛
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「お照
様
(
さん
)
。」
片男波
(新字新仮名)
/
小栗風葉
(著)
さればこそ、嬢
様
(
さん
)
と聞くと
斉
(
ひと
)
しく、朝から台所で
冷酒
(
ひやざけ
)
のぐい
煽
(
あお
)
り、魚屋と茶碗を合わせた、その
挙動
(
ふるまい
)
魔のごときが、
立処
(
たちどころ
)
に影を潜めた。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
賤「惣吉
様
(
さん
)
誠に済まない事をしました、堪忍して下さいまし、新吉さん早く惣吉さんの手に掛って
死度
(
しにた
)
い、あゝ、お
母
(
っか
)
さん堪忍して下さい」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「そうですとも、大いに妙です。神崎工学士、君は
昨夕
(
ゆうべ
)
酔払って春子
様
(
さん
)
をつかまえてお得意の講義をしていたが忘れたか。」
恋を恋する人
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
『私が喰べるのですよ、誰が昌作さんなんかに上げるもんですか。』と
不減口
(
へらずぐち
)
を叩いて、『よ、昌作
様
(
さん
)
、ハイカラの智恵子さんもまだ帰らないの。』
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「ハア、
折角
(
せつかく
)
の日曜も姉さんの
行
(
いら
)
つしやらぬ教会で、長谷川の寝言など聞くのは馬鹿らしいから、今朝篠田
様
(
さん
)
を訪問したのです、——非常に
憤慨
(
ふんがい
)
してでしたよ」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
「でも叔母
様
(
さん
)
、それは無理ですよ、夫婦に仲のよすぎるということはないものです。病気であって見ると、武男君もいよいよこらそうあるべきじゃありませんか」
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
「お前はよそ
様
(
さん
)
の子供
衆
(
し
)
と
違
(
ちご
)
て、
両親
(
ふたおや
)
が無いのやさかい、余計……」
わが町
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
「お母ア
様
(
さん
)
、
工場
(
こうば
)
へ電話をかけたらどうです」黄一郎が云った。
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「あッ、お父
様
(
さん
)
だ! お父
様
(
さん
)
だ!」
加利福尼亜の宝島:(お伽冒険談)
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
芳
様
(
さん
)
の
跫音
(
あしおと
)
が聞えたので、はッと気が着いて駈出したが、それまでどうしていたんだか、まるで夢のようで、分らなかったよ。
化銀杏
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
今お前
様
(
さん
)
処
(
とこ
)
のお嬢さんのお噂をして居たのだが、実に私は鼻が高い、私の長屋にあゝ云う親孝行の娘が居れば私は
何
(
ど
)
の位鼻が高いか知れない
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
そら
近頃
(
このごろ
)
出来たパン屋の隣に河井
様
(
さん
)
て軍人さんがあるだろう。
彼家
(
あそこ
)
じゃア二三日前に買立の
銅
(
あか
)
の大きな
金盥
(
かなだらい
)
をちょろりと
盗
(
や
)
られたそうだからねえ
竹の木戸
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
『藤野
様
(
さん
)
ア水車の心棒に捲かれて、杵に搗かれただ。』と大声に喚いた。私は
偽
(
うそ
)
とも
真
(
まこと
)
とも解らず、唯強い電気にでも打たれた様に、思はず声を立てて『やあ』と叫んだ。
二筋の血
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「向う
様
(
さん
)
へ行ったら行儀ようするんやぜ」
雨
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
「お父
様
(
さん
)
! お父
様
(
さん
)
!」
加利福尼亜の宝島:(お伽冒険談)
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
その死骸はな、よく死んだことを見極めて、
家内
(
うち
)
の雑具部屋へ入れておけ。高田
様
(
さん
)
、
貴下
(
あなた
)
も御迷惑であろうが手伝って下枝を捜して下さい。
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
番「
汝
(
おのれ
)
は
一昨日
(
おととい
)
の
夜
(
よ
)
この店で帯を締め直す時に落した手紙は、お嬢
様
(
さん
)
に頼まれて粂之助の処へ届けようとしたのじゃないか」
闇夜の梅
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
私、眠くなって
了
(
しま
)
ったわ、だからアーメンと言ったら、
貴下
(
あなた
)
怒っちゃったじゃアありませんか。ねエ朝田
様
(
さん
)
。
恋を恋する人
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
様
常用漢字
小3
部首:⽊
14画
“様”を含む語句
母様
父様
其様
斯様
爺様
此様
何様
彼様
左様
仕様
前様
如何様
異様
兄様
婆様
祖父様
奥様
貴様
坊様
嬢様
...