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よう
ふりがな文庫
“
様
(
よう
)” の例文
旧字:
樣
そうして、なおも夢中になって、その自記機械から、巻紙
様
(
よう
)
のものを長くひっぱり出して見ている。その目は異様な光をおびていた。
火星兵団
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
などと、いつも
悪体
(
あくたい
)
をつくのです。
母親
(
ははおや
)
さえ、しまいには、ああこんな
子
(
こ
)
なら
生
(
うま
)
れない
方
(
ほう
)
がよっぽど
幸
(
しあわせ
)
だったと
思
(
おも
)
う
様
(
よう
)
になりました。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
此引幕壱帳ヲ宜シク御受納
被下度
(
くだされたく
)
御願申上候
様
(
よう
)
、拙者共ヘ委任相成候間、別紙此幕ヘ出金致シ候人々ノ名前目録モ相添、此段申進候。
明治劇談 ランプの下にて
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
然し此は先生がトルストイである事を忘れたからの叫びです。誰にでも其人
相応
(
そうおう
)
の生き
様
(
よう
)
があり、また其人相応の死に様があります。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
それも
宜
(
よ
)
いが、道の勝手を知って
居
(
お
)
るまい、夜道にかゝって、女の一人旅は
何
(
ど
)
の
様
(
よう
)
な難儀があろうも知れぬ、さ、これで別れましょう
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
これはただに
儒学
(
じゅがく
)
のみでなく、仏教においても同然で、
今日
(
こんにち
)
もなお
解
(
と
)
き
難
(
がた
)
き句あれば「
珍聞漢
(
ちんぷんかん
)
」とか、あるいは「お
経
(
きょう
)
の
様
(
よう
)
」なりという。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
馬鹿云うな、口があれば京に
上
(
のぼ
)
る、長崎から江戸に一人行くのに何のことがあるか。「けれども私は中津に
帰
(
かえっ
)
てお
母
(
ふくろ
)
さんにいい
様
(
よう
)
がない。 ...
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
全くそうでございましょうね、一度聞いた位で試験してみてそれでよく出来ないと教え
様
(
よう
)
が悪いというのは習う人の無理ですね。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
附近の交番から警官が駈けつけて、調べて見ると、覚悟の自殺らしく、死体の胸のポケットから、一通の書置き
様
(
よう
)
の紙切れが発見された。
悪魔の紋章
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
現在に対する
虚無
(
きょむ
)
の思想は、
今尚
(
いまなお
)
氏を去りません。
然
(
しか
)
し、氏は信仰を得て「永遠の生命」に対する希望を持つ
様
(
よう
)
になりました。
岡本一平論:――親の前で祈祷
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
これならば燃やしたくも燃え
様
(
よう
)
が無い。しかしこの上にもなお何とか工夫は無かろうかと、人々は、言わず語らず胸を痛めた。
暗黒星
(新字新仮名)
/
シモン・ニューコム
(著)
「あなたに身を
託
(
たく
)
したばかりに、私はこの
様
(
よう
)
に苦労しなければならない」と、あるいはそう話しかけていたのかも知れない。
風琴と魚の町
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
また
船
(
ふね
)
の
甲板
(
かんぱん
)
を
洗
(
あら
)
っているのや、
港
(
みなと
)
の
町
(
まち
)
へ
遊
(
あそ
)
びにゆこうとして
艀
(
はしけ
)
をこぎはじめているのや、それは一
様
(
よう
)
でなかったのでした。
カラカラ鳴る海
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
(
間違
(
まちが
)
って原を
向
(
むこ
)
う
側
(
がわ
)
へ下りれば、もうおらは死ぬばかりだ。)と達二は、半分思う
様
(
よう
)
に半分つぶやくようにしました。それから
叫
(
さけ
)
びました。
種山ヶ原
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
浮世の風を
滲
(
し
)
み込ませようとする時に、最も陥り易い短所であるが、しかし之も見様に由れば、技術の洗煉されないせいで、
用
(
もち
)
い
様
(
よう
)
に由っては
FARCE に就て
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
古焼
新焼
(
しんやけ
)
と相
聯繋
(
れんけい
)
して、左右の濃い
蒼翠
(
そうすい
)
の間を
蜿蜒
(
えんえん
)
として
爬行
(
はこう
)
し、さながらそこに
巨巌
(
きょがん
)
の行進曲を奏でている
様
(
よう
)
に見える。
雲仙岳
(新字新仮名)
/
菊池幽芳
(著)
そうして私のし
様
(
よう
)
とした事はその人達によってぶちこわされてしまった。一日中いらいらしたそうしてかなしい気持でばっかりくらしてしまった。
日記:02 一九一四年(大正三年)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
却
(
かえ
)
って心配の
種子
(
たね
)
にて我をも
其等
(
それら
)
の
浮
(
うき
)
たる人々と同じ
様
(
よう
)
に
思
(
おぼ
)
し
出
(
いず
)
らんかと
案
(
あん
)
じ
候
(
そうろう
)
ては
実
(
げ
)
に/\頼み薄く
口惜
(
くちおし
)
ゅう覚えて、あわれ
歳月
(
としつき
)
の早く
立
(
たて
)
かし
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
吉原
(
よしわら
)
の
出来事
(
できごと
)
、
観音様
(
かんのんさま
)
の
茶屋女
(
ちゃやおんな
)
の
身
(
み
)
の
上
(
うえ
)
など、おそらく
口
(
くち
)
を
開
(
ひら
)
けば、一
様
(
よう
)
におのれの
物知
(
ものし
)
りを、
少
(
すこ
)
しも
速
(
はや
)
く
人
(
ひと
)
に
聞
(
き
)
かせたいとの
自慢
(
じまん
)
からであろう。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
さてどうも長の旅路を、いろいろとお世話にあずかってかたじけない、なんともお礼の申し
様
(
よう
)
もござらぬが、そなたの仕事の
障
(
さわ
)
りにはなりませぬか。
大菩薩峠:08 白根山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
痛いのかと思うとそうでもなしに、むず
痒
(
がゆ
)
い、
頼
(
たより
)
ない、もので
圧
(
おさ
)
えつけると
動気
(
どうき
)
が
跳
(
おど
)
る
様
(
よう
)
で切なくッて
可
(
い
)
けません。
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
未
(
ま
)
だ若い
様
(
よう
)
であった。夫と子供に相ついで死にわかれ、ひとりでいるのを、私の家で見つけて、
傭
(
やと
)
ったのである。この乳母は、終始、私を頑強に支持した。
新樹の言葉
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
思いきや! 鈴川源十郎の
腰巾着
(
こしぎんちゃく
)
、つづみの与吉が、どういう
料簡
(
りょうけん
)
か旅のしたくを調えて、今や自分の袖口に何か手紙
様
(
よう
)
のものを押し入れようとしている。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
一度にワーンと蜂の巣をつついたような活気が街に
溢
(
あふ
)
れ、長い長い冬眠から覚めて、
老
(
おい
)
も若きも、町民の
面
(
おもて
)
には、一
様
(
よう
)
に、
何
(
なに
)
となく「期待」が輝くのである。
鱗粉
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
林野を女が歩いていると、行く手に
忽然
(
こつぜん
)
として地中からキノコ
様
(
よう
)
のものが現われて、ホタリホタリ
(11)
している。その時すこしもあわてず前をまくって
えぞおばけ列伝
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
しかし、これが一般向きの店となってはなかなかそうもいかぬ
様
(
よう
)
である。第一に客種に問題があるのだろう。
握り寿司の名人
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
だが、ただ一
様
(
よう
)
にほうはいたる
巨浪
(
きょろう
)
が、
無辺
(
むへん
)
に起伏するのを見るばかりで、何者の影も見あたらなかった。
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
「僕の詫
様
(
よう
)
が
空々
(
そらぞら
)
しいとでも云うのかね、なんぼ僕が金を欲しがるったって、これでも
一人前
(
いちにんまえ
)
の男だよ。そうぺこぺこ頭を下げられるものか、考えても御覧な」
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
それにとうとうしまいには
御恩
(
ごおん
)
になった先生があの死に
様
(
よう
)
でしょう。あたしほんとに悲観しちゃったわ。
ニッケルの文鎮
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
ゴンドラなども支那のジャンク
様
(
よう
)
の形であって、支那風の色彩と手法が面白い効果を作っているのです。
楢重雑筆
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
最近、英国の田舎ミッドル・エセックス州の奥に、周囲に高さ二十フィートの石垣をめぐらした公園
様
(
よう
)
の広場ができた。疑問は、その不自然に高い石の垣である。
戦雲を駆る女怪
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
しかるに横田家の者どもとかく異志を存する由相聞え、ついに
筑前国
(
ちくぜんのくに
)
へ
罷越
(
まかりこ
)
し
候
(
そろ
)
。某へは三斎公御名
忠興
(
ただおき
)
の
興
(
おき
)
の字を
賜
(
たま
)
わり、沖津を興津と相改め
候
(
そろ
)
様
(
よう
)
御沙汰
(
ごさた
)
有之候。
興津弥五右衛門の遺書
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
巻物の
捲
(
ま
)
き
様
(
よう
)
、紐の止め方まで細かに調べてみたが、余程几帳面な人間の手で
蔵
(
しま
)
い込んであったものらしく、どこもここもキチンとしていて、二重に折れ曲った処や
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
母御さまにも、幾ほどの事もあるまじく候、いか
様
(
よう
)
にもして、御臨終を見とどけて給わるべく候。
日本名婦伝:小野寺十内の妻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
近来夫婦共稼ぎという声を盛んに聞く
様
(
よう
)
になった。これは
勿論
(
もちろん
)
生活の圧迫から来たのであろう。
夫婦共稼ぎと女子の学問
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
読書
(
どくしょ
)
は
彼
(
かれ
)
の
病的
(
びょうてき
)
の
習慣
(
しゅうかん
)
で、
何
(
な
)
んでも
凡
(
およ
)
そ
手
(
て
)
に
触
(
ふ
)
れた
所
(
ところ
)
の
物
(
もの
)
は、それがよし
去年
(
きょねん
)
の
古新聞
(
ふるしんぶん
)
であろうが、
暦
(
こよみ
)
であろうが、一
様
(
よう
)
に
饑
(
う
)
えたる
者
(
もの
)
のように、きっと
手
(
て
)
に
取
(
と
)
って
見
(
み
)
るのである。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
いでや、事の
様
(
よう
)
を見んとて、
慢々
(
ゆらゆら
)
と
出来
(
いできた
)
れるは富山唯継なり。片手には
葉巻
(
シガア
)
の
半
(
なかば
)
燻
(
くゆ
)
りしを
撮
(
つま
)
み、
片臂
(
かたひぢ
)
を五紋の
単羽織
(
ひとへはおり
)
の
袖
(
そで
)
の内に張りて、鼻の下の延びて見ゆるやうの
笑
(
ゑみ
)
を浮べつつ
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
出
(
い
)
で次の四辻にて分るゝまで語らいながら歩むなどの事も有りたれど其身分其職業などは探り知ろう
様
(
よう
)
も無く
唯
(
た
)
だ此の目科に美しき細君ありて充分目科を愛し
且
(
か
)
つ
恭
(
うやま
)
う様子だけは知れり
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
談
(
はな
)
すので、
或
(
ある
)
僧の
談
(
はなし
)
によると、
所謂
(
いわゆる
)
寺の亡者が知らせに来る場合には、必ずその人の生前の性質が現れる、例えば気の荒い人だったらば、
鉦
(
かね
)
の叩き
様
(
よう
)
が
頗
(
すこぶ
)
る荒っぽいそうだし、温和な人ならば
テレパシー
(新字新仮名)
/
水野葉舟
(著)
有り
様
(
よう
)
に言ってしまえば、こねえだからお前さん方のしていることは何から何まで、書生派がどうの江戸藩邸の実権を誰が握ったのと、水戸の藩内の内輪喧嘩だけじゃありませんかねえ? 待った
天狗外伝 斬られの仙太
(新字新仮名)
/
三好十郎
(著)
豚を女に渡し、ビール二三本そえて持ってくる
様
(
よう
)
に命じた。そうして中島にもぜひ来てくれといった。中島は今夜ちょっと出るつもりでいたのだけれど、それじゃそのほうはやめにして来ようという。
廃める
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
こう言って、俊夫君は、その名刺
様
(
よう
)
の白紙を受け取りました。
深夜の電話
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
かれの衰え行く
様
(
よう
)
は明らかに見える。
糸くず
(新字新仮名)
/
ギ・ド・モーパッサン
(著)
間もなく、この大広間は、世界の終りが来たかのように、一人のこらず死に絶えた。まことに急激な、そして不可解な死に
様
(
よう
)
だった。
蠅
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「君の説も一応は
道理
(
もっとも
)
の
様
(
よう
)
に聞えるが、五個の庄の住民は
矢
(
や
)
はり普通の人間で、決して𤢖や山男の
類
(
たぐい
)
では無いと云うじゃアないか。」
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
一生の思出に、一度は
近郷
(
きんごう
)
近在
(
きんざい
)
の衆を呼んで、ピン/\した鯛の刺身煮附に、
雪
(
ゆき
)
の
様
(
よう
)
な米の
飯
(
めし
)
で腹が割ける程馳走をして見たいものだ。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
私
(
わたし
)
はお
前
(
まえ
)
さんのためを
思
(
おも
)
ってそう
言
(
い
)
って
上
(
あ
)
げるんだがね。とにかく、まあ
出来
(
でき
)
るだけ
速
(
はや
)
く
卵
(
たまご
)
を
生
(
う
)
む
事
(
こと
)
や、
喉
(
のど
)
を
鳴
(
なら
)
す
事
(
こと
)
を
覚
(
おぼ
)
える
様
(
よう
)
におし。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
と手を放しますると、又々腰に差したる木刀
様
(
よう
)
の物を持って文治に打ってかゝる。その
小手下
(
こてした
)
を
掻潜
(
かいくゞ
)
って又も其の手を
確
(
しか
)
と押え
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
とあると同じく「
人
(
ひと
)
」なる
観念
(
かんねん
)
を二つにしていることが明らかである。すなわち「人」なる字が善悪の二
様
(
よう
)
に用いられている。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
クラムベルは山桃の
様
(
よう
)
な実ですが生ならばやはり煮てセリー酒を少し加えますし、
鑵詰
(
かんづめ
)
のゼリーならばそのまま裏漉しにしてもいいのです。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
様
常用漢字
小3
部首:⽊
14画
“様”を含む語句
母様
父様
其様
斯様
爺様
此様
何様
彼様
左様
仕様
前様
如何様
異様
兄様
婆様
祖父様
奥様
貴様
坊様
嬢様
...