此処これ)” の例文
旧字:此處
五「これは恐入りましたな、御家老さま、改まってこれを云えと仰せあられますと困りますが……喜三郎こゝへ出なよ、金公きんこう此処これへ出なよ」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
織「えゝ御家来誠に恐入りましたが、一寸ちょっとお台を……何でも宜しい、いえ/\其様そんな大きな物でなくとも宜しい、これ/\其の包の大きな方を此処これへ」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
大「いや/\然うでない、一体貴様の気象を感服している、これ女中、下物さかな此処これへ、又あとで酌をして貰うが、早く家来共の膳を持って来んければならん」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
へい/\……いたしまして、此通このとほきたなうございますから……。主「まアいよ/\……此処こゝを明けて置いては、雪がむからはや此処これへおはいり、……乃公わしが寒いから……。 ...
若旦那さまもお嬢さまも、只今お聞きの通りの訳でがんすから、お嬢さま何うか此処これへおいでなすって、あなたの御存分になすって、此の野郎の鬢の毛を一本/\ひッこ抜いてお胸を
毎日此処これへ参りましては人様のお袖へ縋っていさゝかの御合力ごごうりょくを受けまして親子の者が露命いのちつないで居る者でございます、けれ共今晩斯様かように風が吹きますので薩張さっぱり人通りがございませんから
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
是までに相成って今不承知じゃと仰しゃっては圖書は立端たちばがございません、此処これに参っておる朋友の者は皆前々ぜん/\同屋敷におりました同役の者ばかりで、これにお聞き遊ばせば知れまするが
なにもないホンの残余肴あまりものだが御飯ごぜんべてください、さア此処これへおはいり…。
これ粂之助ちょっと此処これへ来い、おのれはまだ年は十九で、虫も殺さぬような顔附をして居るが太いやッちゃ、ていよくお嬢様を誘い出して、不忍弁天の池のふちの淋しい処でお嬢様を殺して、金を取って
闇夜の梅 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
畳の上でお母アの手に懸って死ぬのは親の慈悲ということを、今初めて覚えた……アヽわかった、お前も定めてにくかろうが、若旦那さまが此処これへおいでになって、己のびんの毛を一本/\ひッこ抜き
政「此処これる正孝という幇間たいこもちの世話で」