此処こヽ)” の例文
旧字:此處
幾十年と無く毎朝まいあさめた五種香しゆかうにほひがむつと顔を撲つ。阿母さんが折々一時間も此処こヽに閉ぢこもつて出て来ぬ事がある丈に、家中うちヾうこの内陣計りはあたヽかいやうななつかしい様な処だ。
蓬生 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
其頃岡崎から程近ほどちか黒谷くろたに寺中ぢちう一室ひとまを借りて自炊じすゐし、此処こヽから六条の本山ほんざんかよつて役僧やくそう首席しゆせきを勤めて居たが、亡くなつた道珍和上とも知合しりあひであつたし、う云ふ碩学せきがく本山ほんざんでもはばいた和上わじやう
蓬生 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
また許したまへ、此処こヽにあるそこばくの歌を
失楽 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
此処こヽだよ。みつぐ。』
蓬生 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)