“処(ト)” の例文
旧字:處
舞ひ処(ト)で行ふ事は、其威力が村全体に及ばねばなりません。此が花祭りの精神で、同時に日本固有の芸能の精神を伝へて居るのです。
舞ひ処(ト)に焚く榾のいぶりに、眼を労し乍ら、翁の語りや、あるかなしの瞳を垂れて歩く巫女上﨟や、幾らとも知れぬ鬼の出現に、驚きつゞけて居りました。
宣(ノ)り処(ト)における口誦文が、のりとごとであつた。「あまつのりとのふとのりとごと」なる古語は、神秘なる宣り処における壮大なる「宣(ノ)り処(ト)」の詞章といふことである。
日本文学の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
だから、舞ひ処(ト)の外辺に立てる山を、山伏の柴燈と一つにするのは、無理のない事です。
祝詞の名は、奈良に入つて出来たもので、唯此までもあつた「告(ノ)り処(ト)」なる神事の座で唱へる「のりと言(ゴト)」に限つての名が、漸くすべての呪言の上におし拡められて来たのである。
国文学の発生(第二稿) (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
此中の「太」は、単に、天つ祝詞の美称と考へられて来てゐるが、私は、壮重なのりとに於いて、唱へられる言葉、即天つ宣(ノ)り処(ト)に於ける、壮重なのりとごとゝ解する方がよいとおもふ。
呪詞及び祝詞 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
此等は、降(オ)り処(ト)で、降り口でなく、降り立つた場所であらう。
折口といふ名字 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)