)” の例文
旧字:
今の電話の在りを問いただそうとしたが、何となく薄気味がわるくなって来て、ともかくもU君の出社を待っていたのだという。
おのれもまたをりを得てはんと、其家の在りなど予て問ひ尋ね置きたりしかば、直ちにそれかと覚しき店を見出して、此家こゝにこそあれとと入りぬ。
鼠頭魚釣り (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
十年前の彼は、自分が伯父を少しも愛していないと、本気で、そう考えていた。人間は何とおのれの心のを自ら知らぬものかと、今にして驚くの外はない。
斗南先生 (新字新仮名) / 中島敦(著)
彼は、敵のを突き止めると、小躍りしながら、すぐ京を立って、伏見から三十石で大坂へ下った。
仇討三態 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
邑落生活の運命を左右する神の住みと見られて行く傾きになつたものであらう。
願うところは生活技術の今後の攻究に由って、国の病のがよくわかり、従って皆さまのやさしい心配が、結局政治の上にあらわれてくることである。是が私らの考えている婦人参政の本旨である。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)