“飢民”の読み方と例文
読み方割合
きみん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
前年の飢饉には、供御くごの物も減ぜられ、吏を督して、米価や酒の値上りを正し、施粥せがゆ小屋数十ヵ所を辻々に設けて、飢民きみんを救わせ給うたとも説く。
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
山中越えの片輪の飢民きみんたちに、木綿をめぐみ、小屋掛料を施し、あとあとの生活まで、こごえぬように注意して行った人もまた同じ信長であった。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
信長は云い添えて、なお彼らの小屋掛料こやがけりょうまで施して去った。その行列の遠く降りて行ったあと、峠の蝉時雨せみしぐれは彼の慈悲に泣く飢民きみんの声のようでもあった。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)