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彼
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あの
ふりがな文庫
“
彼
(
あの
)” の例文
「だって、
彼
(
あの
)
男に及第が出来ますものかね。考えて御覧な。——もし及第なすったら藤尾を
差上
(
さしあげ
)
ましょうと約束したって大丈夫だよ」
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ひそめ
彼
(
あの
)
御方の儀に付ては
一朝一夕
(
いつてういつせき
)
に
述
(
のべ
)
がたし
先
(
まづ
)
は
斯樣々々
(
かやう/\
)
の御身分の御方なりとて
終
(
つひ
)
に天一坊と赤川
大膳
(
だいぜん
)
に引合せ
則
(
すなは
)
ち御
墨付
(
すみつき
)
と御短刀を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「分かってようございました。エ、
彼
(
あの
)
人
(
ひと
)
ですか、たしか
淡路
(
あわじ
)
の人だと云います。
飯屋
(
めしや
)
をして、大分儲けると云うことです」
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
何か
彼
(
あの
)
放逐された大尽と自分との間には一種の関係があつて、それで面白くなくて引越すとでも思はれたら
奈何
(
どう
)
しよう。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
彼
(
あの
)
可厭
(
いや
)
と思った学生の声でしたから、私達は急いで停車場を出て、待たせて置いた
宅
(
うち
)
の俥に乗って帰ったのでした。
昇降場
(新字新仮名)
/
広津柳浪
(著)
▼ もっと見る
上人様が何と仰やつたか知らぬが妾にはさつぱり分らず
些
(
ちつと
)
も面白くない話し、唐偏朴の
彼
(
あの
)
のつそりめに半口与るとは何いふ訳、日頃の気性にも似合はない
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
底本中ではばらばらに用いられている、「其の」と「其」、「此の」と「此」、「
彼
(
あ
)
の」と「
彼
(
あの
)
」は、それぞれ「其の」「此の」「彼の」に統一しました。
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
いや/\、よもや
其樣
(
そのやう
)
なこともあるまい、
不斷
(
ふだん
)
から
上人
(
しゃうにん
)
と
人
(
ひと
)
に
崇
(
あが
)
められた
彼
(
あの
)
法師
(
ほふし
)
ぢゃ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
今
稍
(
やや
)
真面目になれ得たと思うのは、全く父の死んだ時に経験した痛切な実感のお
庇
(
かげ
)
で、即ち亡父の
賜
(
たまもの
)
だと思う。
彼
(
あの
)
実感を経験しなかったら、私は何処迄だらけて行ったか、分らない。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
「
彼
(
あの
)
大水
(
おおみず
)
のあった時より、あの
悪病
(
わるびょう
)
の
流行
(
はやっ
)
た時が怖しかった。どうしてこの村は、人が長く落付かないだろう。私共も早く
悴
(
せがれ
)
が一人前となって、店でも出すようになったら、町へ越して行きたいものだ。」
僧
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
丑松は文平の
瀟洒
(
こざつぱり
)
とした
風采
(
なりふり
)
を見て、別に其を羨む気にもならなかつた。たゞ気懸りなのは、
彼
(
あの
)
新教員が自分と同じ地方から来たといふことである。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「これが
彼
(
あの
)
……」と
叔母
(
をば
)
は
逡巡
(
ためら
)
つて
宗助
(
そうすけ
)
の
方
(
はう
)
を
見
(
み
)
た。
御米
(
およね
)
は
何
(
なん
)
と
挨拶
(
あいさつ
)
のしやうもないので、
無言
(
むごん
)
の
儘
(
まゝ
)
唯
(
たゞ
)
頭
(
あたま
)
を
下
(
さ
)
げた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
底本中ではばらばらに用いられている、「其の」と「其」、「此の」と「此」、「
彼
(
あ
)
の」と「
彼
(
あの
)
」は、それぞれ「其の」「此の」「彼の」に統一しました。
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
東京に出ては
儂
(
わし
)
も立派な田舎者だが、田舎ではこれでもまだ中々ハイカラだ。儂の生活状態も大分変った。君が初めて来た頃の
彼
(
あの
)
あばら家とは
雲泥
(
うんでい
)
の相違だ。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
怒
(
いか
)
らしコレ小僧
和主
(
てまへ
)
は
何處
(
どこ
)
の者かは知ねど大藤の娘お光さんに癲癇が有るるとは何の
謔言
(
たはごと
)
彼
(
あの
)
お光さんは
容貌
(
きりやう
)
能
(
よ
)
く親孝心で
優
(
やさし
)
くて癲癇所ろか病氣は
微塵
(
みぢん
)
聊
(
いさゝ
)
かない人を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
当りを付けて
瘠
(
やせ
)
公卿
(
くげ
)
の五六軒も尋ね廻らせたら、
彼
(
あの
)
笛に似つこらしゅうて、あれよりもずんと好い、
敦盛
(
あつもり
)
が持ったとか誰やらが持ったとかいう名物も何の訳無う金で手に入る。
雪たたき
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
其
(
その
)
方法
(
てだて
)
ぢゃが……おゝ、
害心
(
がいしん
)
よ、ても
速
(
はや
)
う
入
(
はひ
)
って
來
(
き
)
をるなア、
絶望
(
ぜつばう
)
した
者
(
もの
)
の
胸
(
むね
)
へは!……
思
(
おも
)
ひ
出
(
だ
)
すは
彼
(
あの
)
藥種屋
(
やくしゅや
)
……たしか
此邊
(
このあたり
)
に
住
(
す
)
んでゐる
筈
(
はず
)
……いつぞや
見
(
み
)
た
折
(
をり
)
は、
身
(
み
)
に
襤褸
(
つゞれ
)
を
着
(
ゆ
)
て
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
『だから僕は斯う思つたのさ。』と銀之助は引取つて、『何か
其様
(
そん
)
な一寸したつまらん事にでも感じて、それで
彼
(
あの
)
下宿が嫌に成つたんぢやないかと。』
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
下田の金さん
宅
(
とこ
)
では、去年は
兄貴
(
あにき
)
が抽籤で
免
(
のが
)
れたが、今年は稲公が
彼
(
あの
)
体格
(
たいかく
)
で、砲兵にとられることになった。当人は
勇
(
いさ
)
んで居るが、
阿母
(
おふくろ
)
が今から
萎
(
しお
)
れて居る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
ロミオ (傍の給仕に對ひて)あの
武家
(
ぶけ
)
と
手
(
て
)
を
取
(
と
)
りあうてござる
彼
(
あの
)
姫
(
ひめ
)
は
何誰
(
どなた
)
ぢゃ?
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
音にきゝたる
児
(
ちご
)
が
岳
(
たけ
)
とは今白雲に蝕まれ居る
峨〻
(
がゞ
)
と聳えし
彼
(
あの
)
峯ならめ、さては此あたりにこそ
御墓
(
みしるし
)
はあるべけれと、ひそかに心を配る折しも、見る/\
千仭
(
せんじん
)
の谷底より霧漠〻と湧き上り
二日物語
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
出し扨大橋氏
甚
(
はなはだ
)
失敬
(
しつけい
)
なる申し分には御座れ共此金子は十八ヶ年以前に
御恩借
(
ごおんしやく
)
致
(
いた
)
したる金子
延引
(
えんいん
)
ながら返上仕つるにより
何卒
(
なにとぞ
)
御受納下
(
ごじゆなふくだ
)
され候樣に願ひ奉つる誠に
彼
(
あの
)
節
(
せつ
)
貴殿の御厚情ゆゑに我々夫婦只今はどうか斯か致して居るも皆貴殿の
御庇蔭
(
おかげ
)
にて候然るに貴殿
斯
(
かく
)
御零落
(
ごれいらく
)
成
(
なら
)
れたる有樣を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
“彼”の意味
《代名詞》
(か:古語) 遠称。あれ、あちら、あの。
(かれ)三人称。
《名詞》
(かれ)ボーイフレンド又は男性の恋人。
(出典:Wiktionary)
彼
常用漢字
中学
部首:⼻
8画
“彼”を含む語句
彼方
彼女
彼処
彼方此方
彼地
彼奴
彼様
彼岸
彼家
彼処此処
彼處
彼此
彼得
彼等
彼奴等
彼樣
彼是
誰彼
彼所
彼男
...