“彼(こ)” の例文
がら/\/\と位牌が転がり落る騒ぎ、何うか彼(こ)うか逃げましたが、いまだに経机の角で向脛(むこうずね)を打った疵(きず)は暑さ寒さには痛くってならねえ
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
すっかり忘れて居たんだ。今度は盆狂言で、名題下のこちとらも何(ど)うやら彼(こ)うやら好い役が附いて居るんだ、こんな折を外しちゃこちとらは一生浮ぶ瀬が無い
百唇の譜 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
「みどり児の乳乞(ちこ)うがごとく、天(あま)つ水仰ぎてぞ待つ、あしひきの山のたをりに、彼(こ)の見ゆる天(あま)の白雲、海神(わたつみ)の沖つ宮辺(みやべ)に、立ち渡りとの曇(ぐも)り合ひて、雨も賜はね」
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
拙者(てまえ)も当地へ来て何うやら斯うやら彼(こ)うやって、家(うち)を持って、聊(いさゝ)か田畑を持つ様になって村方でも何うか居(お)り着いて呉れと云うのだが、永住致すには妻(さい)がなけりア成らぬが
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
心持髷を直して、芳年の手拭を取上げて冠(かぶ)ると、何(ど)うやら彼(こ)うやら町人らしくなります。
芳年写生帖 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
少年は大分応接間の空気に慣れて、何(ど)うやら彼(こ)うやら、これだけの事を報告しました。
流行作家の死 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
清「いや然うは往(よ)きませぬ、何(ど)うでも彼(こ)うでも落合まで未(ま)だ日も高いから行(よ)こ積りで」
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「どうも彼(こ)うも無い、この楽譜を持って、警察へ訴えるばかりだ」
死の舞踏 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)