“彼:あれ” の例文
“彼:あれ”を含む作品の著者(上位)作品数
三遊亭円朝21
泉鏡花9
島崎藤村5
泉鏡太郎4
幸田露伴3
“彼:あれ”を含む作品のジャンル比率
芸術・美術 > 演劇 > 大衆演芸59.7%
文学 > ロシア・ソヴィエト文学 > 小説 物語4.8%
文学 > 日本文学 > 小説 物語2.3%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
「伯父さん、宗太も福島の方へもどってまいりましてね、馬籠のおとっさんのことはいろいろあれから聞きましたよ。」
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
せな「あれだアもの、累も云ったからてめえも云えってえ、己に云わして己云ったで事が分ったてえ、そんな事があるもんだ」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「ムッシュウなんてあれのことを御呼びに成らないで、エドワアルと呼捨になすって下さい。あれはまだほんの子供ですから」
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
立派りつぱな、畫伯方せんせいがたんで、片端かたつぱしから、やつがとにがり、あれ
雪霊記事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
——いては、先日より何か送りたくと存じながら、あれこれやにひかされて今日まで延引いたし、誠に不本意に御座候。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
孝「へいあれは本当の叔父ではございません、親父おやじ店受たなうけで、ちょっと間に合わせの叔父でございます」
「貴方の方に、郷里くにに、自分の旅舎やどやじゃ……どうしてナカナカ骨が折れる。考えてみると、よくあれもやったものです」
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
由「えゝあれは誠に綺麗な事で……これは堪らん、旦那少し代って下さいまし、わたくしは小便にきますから」
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「一体あれは将来何になるつもりなんでせう。私はそんなことは関はないんですが、いつまであゝやつてゐたつて仕方がないでせう。」
夏ちかきころ (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
「先生。」と云つた。自分は、何だか医者にでもなつたかのやうな気がした。「あれは見込みがあるでございませうか?」
夏ちかきころ (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
宗蔵の噂も出た。「ああ捨身に成れば、人間は生きて行かれるものだ——あれは彼で食える」と森彦は森彦らしいことを言って、笑った。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
杢「あれは中々感心な男だ、只の人間じゃない、計り炭を売るなぞと何うも工夫が旨い、それに云う事がみんかわっているよ」
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「それにしても可哀そうな女です。あれ自身も思い設けない結果になってしまって——。」と、芳村はまだ女の心持をあわれんでいた。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
聞こゆるのはこういう声だけだった、「ああ、あれは帰ってこないが!」ただ時々遠くに馬車の音がするきりだった。
あれ罷出まかりいでましたが、これも強く逆上ぎやくじやういたしがかすみ、あたまに熱を
華族のお医者 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
あれわしが水をれて置いたのだ、無闇むやみくちなんぞを打欠ぶつかいちやアいけませぬよ。
黄金餅 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
えゝ何所どこのお汁粉屋しるこやでもみなコウふだがピラ/\さがつてますが、エヘヽあれがございませぬやうで。
士族の商法 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
平「へえ、まだ帰りません、使いに出すと永いのがあれの癖で、お払い金などを取りにお遣りなさるのは宜しくない事で、誠に困りましたな」
文七元結 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
海「あゝ、うん、あの小兼かえ、知って居るとも、れはたしかお前のなんで、あゝあれい女だ」
千島ちしま事抔ことなどうはさしあへるを耳にしては、それあれかうと話してきかせたく鼻はうごめきぬ
隅田の春 (新字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
しかし日暮しの時には、先生は少し首をかたむけて、いやあれは以太利じゃない、どうも以太利では聞いた事がないように思うと云われた。
ケーベル先生 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
大きに有難う、お蔭さまで助かりましたと云うと、彼奴が屹度きっと己の処へ詫に来る、もし詫に来たら、あれは使わん、しからん奴だ
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
うから馴染の情夫おとこに相違ないようだ、君の前で云うのはんだが、本当にあれが君を思って貞女を立て通す気かも知れないが
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
あれはあの悲鳴を聞いた時には、今少しで気絶しそうでしたよ、先生。ちょっと舵を動かしてやれば、あの男は我々の味方になりましょう。」
老爺ぢいさん、いまのは、あれは、木像もくざうだ、製作つくつた木彫きぼりをんななんだ。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
『ソーラ、あれ屹度きつと昌作さんよ。』と、静子は今しも川上の瀬の中に立つてゐる一人の人を指さした。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
乙「いゝえなんでげす、家老や用人よりは中々腕前が良いそうだが、全体あれを家老にしたら宜かろう」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
し遊ばせよ、あなたはあれ怜悧りこう思召おぼしめして目をけていらツしやいますが
にゆう (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
「あるだろう、無いことはない、私の考えでは、あれがお前さんをかまわないと思うが、そうじゃないかね」
藍微塵の衣服 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「ハ、閣下、あれが先刻も談柄だんべいに上りましたる、社会党の篠田と申すもので御座りまする」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
『そうら、あれは屹度昌作さんよ。』と、靜子は今しも川上の瀬の中に立つてゐる一人の人を指さした。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
——わかりました。——いえうしてはられません。ぼくがキヤツとつて、いきなり飛出とびだしたもんですから、あれが。
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
かれはその瞬間に一足飛びにかれはかれ自身の、まだ弱りきれない遠い世のあれの引続いた感情を見た。
みずうみ (新字新仮名) / 室生犀星(著)
「面倒な駆引は抜きにして、早速承りますが、手前どもの八五郎という男——鈴売りに身をやつして参ったはずでございますが、あれはどうなりました」
母と彼男あのをとことの間に、を高く頭の上に載せ、少許すこしづつ籾を振ひ落して居る女、あれは音作の『おかた』(女房)であると話した。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
×「兄いあれを云いなさんなよ、あんまりパッパと云ってつかまって困った者が有るから」
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「出て行ったかい! あれは?」さすがに何処となく恩愛の情がまつわっている声だった。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
『ナニ、猪子蓮太郎?』と銀之助は言淀いひよどんで、『の先生は——あれは例外さ。』
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
彼女は幾度も首を振って、「どうかしてあれがウマクやってくれると可いが」を熱心に繰返した。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
旦「君はすぐ取持口とりもちぐちをいうから困るよ、しかし色気は余所よそにして何となく何うもおれあれしたわしいね」
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
新「それは誠にお気の毒様で、う見えたので……気のせいで見えたのだね……眼に付いて居て眼の前に見えたのだナあれは……んな綺麗な顔を」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
あれを、あゝ、あれあれ。)といつてきよろ/\と四辺あたりみまはす。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
『それはジルベールから来た手紙で明かです。あれは私だけを頼りにしています。自分を救い出すものは私よりほかにいないと信じています。この手紙です』
水晶の栓 (新字新仮名) / モーリス・ルブラン(著)
「出て行つたかい! あれは?」さすがに何処となく恩愛の情が纏はつてゐる声だつた。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
それはみんあれ空想くうさうだ、なにかなしんでるのではない、ねえ。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
——男でも女でもあれが一生の極楽世界と云ふもんですよ——羨ましいとは思ひませんかネ
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
むかしこひでがす。あれでもの、お前様めえさま新造盛しんざうざかりのことつけ。人形あねさましがる時分じぶんぢや。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
又「あのなんで、この先に伯父さんが有るが、あれはあなたの真実の伯父さんかえ」
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
あれよりはいと云うんだからんなにいか知れません、粥河さんはね、あれでい様に見えても一寸ちょっといけすかない処がありますからねえ
あれ到頭たうとう生体しやうたいなしで夢中むちゆうります。
華族のお医者 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
小僧「だからあれはいけないと云うので、危険けんのんな奴ですよ、強請言ねだりごとばかり云ってましたから、お嬢さんが勾引かどわかされるといけませんぜ」
あれ叡山えいざんです。彼が比良です。彼処あすこう少し湖水に出っぱった所に青黒あおぐろいものが見えましょう——彼が唐崎からさきの松です」
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
慾肥りてえのはあれから初まったでげす……じゃア美代ちゃんの家へ入らっしゃいまし
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
役「なに鹽原、ハイあれは十三年まえにお国詰になって此のお屋敷には居らん」
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
なんて、アノ重い口からくらゐだから、まア本当ほんたうに不思議だと思つてますの、アノ今日けふ旦那だんなあれをちよいとんでやつて下さいよ
世辞屋 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
千「貴公も買ってるそうだがわしも買って居る、これは甚だ不都合で、一人の遊女を両人ふたりで買うのはお互に心持が宜くないから、あれは貴公に差上げよう」
父君の昔に越えて幸福な道を踏んでもそれが不当とも思えない偉さがあれにある
源氏物語:34 若菜(上) (新字新仮名) / 紫式部(著)
きっとあれは、あたしが気でも違ったのじゃないかと思ったかも知れませんわ。
ア、あれくひやアがる、うもひどやつだナあれ/\。
黄金餅 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
ナニ横着わうちやくな事があるものか、イエあれはほんの心ばかりのいはひなんで、如何いかにもめづらしい物を旧主人きゆうしゆじんからもらひましたんでね
八百屋 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
「いやいや、あれこそは、行く末の国持つお人よ。おそろしいお方ではある」
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
はじめ勝元はあれだけの地位に立っていても、不幸にして子がなかった。
魔法修行者 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
あれはやしかぜあたるのではございませんので?)
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
でもあれきりらつしやらないにはなに理由わけがあるんだらうつて、ふうだノはアだのがねえさん本当ほんたう旦那だんなうなすつたんだらう
世辞屋 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
沈着おちついた人は水へ落ちても死なぬと申します、あれあわてると身体がたてになるので沈みますので身体が横になると浮上るものです、心のしずかな人は川へ落ちても
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「さあ、そいつも決まっていないね。しかし生活くらしには何ほどもかかりゃしない。ただ彼奴あいつは時々酒を飲む。それから余所よそへ出て花をひく。それがあれの道楽でね。」
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
ふッくりした束髪で、リボンの色は——あれは樺色というのか知ら。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
馬車が姿を現わすと、仙太は往来へとび出した。あれを慥かに視た。
凍雲 (新字新仮名) / 矢田津世子(著)
『お里では不可いけません。あれには関係のないことだから。』
運命論者 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
きさまは知らいでも、怜悧りこうあれは知つてる。
紅玉 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「そんなに厭な男でもないじゃないか。あれならば上等だよ。」
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
そしてその挨拶の中に、「長ちゃんも御丈夫ですか。」「はア、しかしあれにも困りきります。」というような問答もんどうから、用件は案外に早く蘿月の前に提出される事になったのである。
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
僕が貰ってからあれを遣るつもりだ」大原「そんな事を言わないで早く遣り給え、今の内に」主人「だってまだもらもない」大原「あるよ」主人「何処に」大原「何処にでもあるがね。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
竜華寺やあれと俥に揺られ来て行き過ぐる見ればこは鉄舟寺
海阪 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
あれ博士はかせぶりといふのであるとおつしやつた。
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
あれ書記官しよきくわんつてります。
明治の地獄 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
「それでお前さえ柔順おとなしく辛抱してくれれば、私は何でもして上げるよ。芳太郎が厭なら厭でもいいのさ。あれに身上をけて別家さして、お前に他から養子をしたっていいんですからね。」
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
其様そんな時にはあれは友禅メリンスというものだか、縮緬ちりめんだか、私には分らないが、何でも赤い模様や黄ろいかた雑然ごちゃごちゃと附いた華美はで襦袢じゅばんの袖口から
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
「そうかい。宗太は吾家うちへも寄って行った。正己まさみもね、あれからずっと朝鮮の方だが、おれの出した手紙を見たらあれも驚くだろう。二、三日前に、おれも半蔵さんの見舞いに行って来た。」
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「そんぢややうねえな、どうしてだんべなまた、折角せつかくあれかたまんだからさうしてれゝばえゝんだがな」おつたはがつかりけた態度たいどでいつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
地震ぢしんときけたのが彼処あすこ近頃ちかごろてかけた市庁しちやうあれと、甲板かんぱんうへ評定ひやうぢやうとり/″\すこぶやかましい。
検疫と荷物検査 (新字旧仮名) / 杉村楚人冠(著)
そんなことつたつておめえ、あれだつてひとりでゝもんぢやなしつものつてはたらくのに三十せんや五十せん家賃やちんはらへねえこともんめえな
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「だんないわい、虫が好くのや、あれが喫むのでなうて、腹の虫が喫むのや。線香を食うたり、壁土や泥土ごろたかぢる子があるもんやが、それと同じこつちや。病や。」と私の為に弁護して呉れた。
世の中へ (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
あれが一人の母のことは彼さへ居ねば我夫にも話して扶助たすくるに厭は云はせまじく、また厭といふやうな分らぬことを云ひも仕ますまいなれば掛念はなけれど、妾が今夜来たことやら蔭で清をば劬ることは
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
内儀「そうであったろう、もう麻布のが一番あれを可愛がってくれたから、誠に有難う、万事お前のお蔭で行届きました、が斯うなるのもみんな因縁事と諦めて居ますから、私は哀しくも何ともありませぬよ」
闇夜の梅 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
それじゃア田中たなか中間ちゅうげんの喧嘩の龜藏かめぞうという奴で、身体中きずだらけの奴がいるだろう、あれ藤田ふじた時藏ときぞう両人ふたりに鼻薬をやって頼み、貴様と三人で
誠にあれ怜悧りこうな者でなア、此処へ遁込にげこんでから、わしが手許を離さずに側で使うてる、私が塩梅あんばい悪いと夜も寝ずに看病をする、両親が無いとは云いながら年のかぬのに
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
あれや是と思出が幻のやうに胸に閃く。
昔の女 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
相手が死にでもしましたらあれめは下手人、わたくしは彼を亡くして生きて居る瀬はござりませぬ、ハイありがとうござります、彼めが幼少ちいさいときはひどい虫持で苦労をさせられましたも大抵ではござりませぬ
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
小野は黙って新吉の顔を見ていたが、「だが、見合いなんてものは、まったく当てにはならないよ。新さんの前だが、あれは少し買い被ったね。婚礼の晩に、初めてお作さんの顔を見て、僕はオヤオヤと思ったくらいだ。」
新世帯 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
乾柿ころがき、へえゝあれは。
心眼 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
目標もくひょうあれなのだ。
にんじん (新字新仮名) / ジュール・ルナール(著)
父の不行蹟の為に家庭が収まらず、親の争ひを倅が見るに忍びなかつたり、「あれが家に居る間は、断じて帰らない。顔を見るのも嫌だ。」などと父が彼を罵つたといふことを聞いたり……そんなわけで這々はう/\の態で彼は
スプリングコート (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
一体村田は長州に行て如何いかにも怖いと云うことを知て、そうして攘夷の仮面めんかぶっわざとりきんで居るのだろうか、本心からあんな馬鹿を気遣きづかいはあるまい、どうもあれの気が知れない。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
あれが一人の母のことは彼さえいねば我夫にも話して扶助たすくるに厭は云わせまじく、また厭というような分らぬことを云いもしますまいなれば掛念けねんはなけれど、妾が今夜来たことやらかげで清をばいたわることは
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
あたしはあれのことで心の休まる暇もないのです! もうはや十日も、あたしはこのキエフのあなた方のお側に参つてをりますけれど、悲しさはちつとも減りはしませんわ。人知れず坊やを育てて、仇討をさせようとも思ひました……。
フヽヽんな工合ぐあひだツて……あ彼処あそこ味噌漉みそこしげて何処どこかのやとをんなるね、あれよりはう少し色がくろくツて、ずんぐりしてえてくないよ。
心眼 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
一度は僕も自分の癖見ひがみだろうかと思いましたが、合憎あいにく想起おもいおこすは十二の時、庭で父から問いつめられた事で、あれおもい、これを思えば、最早もはや自分の身の秘密を疑がうことは出来ないのです。
運命論者 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
火の玉鋭次が根性だけでも不動が台座の岩より堅く基礎いしずゑ確と据さすると諸肌ぬいで仕て呉るゝは必定、あれにも頓て紹介ひきあはせう、既此様なつた暁には源太が望みは唯一ツ、天晴十兵衞汝が能く仕出来しさへすりや其で好のぢや
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
すると何うだ、おれにお謝罪わびをすればまだしも可愛気かはいげがあるけれど、いくら寒いたつてあんまりな、山田の寝床へ潜込もぐりこみにきをつた。あれ妖怪ばけものと思違ひをして居るのもいやとは謂はれぬ。
妖怪年代記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)