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『山間秘話』
ふりがな文庫
『
山間秘話
(
さんかんひわ
)
』
春であつた。牡兎の血の環りはよくなつてゐた。勇ましくはないまでも、しやきしやきしてゐた。一日兎は森に這入つて行つた、牝狐を訪ねる算段で。彼が森の径を巡つてゐる時、牝狐は家で囲炉裡にあたつてゐた。仔狐達は窓の近くで遊んでゐた。牡兎が森の方から …
著者
中原中也
ジャンル
文学 > 日本文学 > 小説 物語
文字種別
新字旧仮名
読書目安時間
約4分(500文字/分)
朗読目安時間
約6分(300文字/分)
作品に特徴的な語句
彼
(
あれ
)
誘
(
おび
)
流眄
(
ながしめ
)