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曇
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どん
ふりがな文庫
“
曇
(
どん
)” の例文
と云って、別に平然ともしていない。気がついたのは、ただその眼である。老人は
曇
(
どん
)
よりと地面の上を見ていた。
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
日中
(
ひなか
)
は
硝子
(
ビイドロ
)
を焼くが如く、
嚇
(
かっ
)
と晴れて
照着
(
てりつ
)
ける、が、
夕凪
(
ゆうなぎ
)
とともに
曇
(
どん
)
よりと、水も空も疲れたように、ぐったりと雲がだらけて、
煤色
(
すすいろ
)
の飴の如く
粘々
(
ねばねば
)
と
掻曇
(
かきくも
)
って、日が暮れると墨を流し
浮舟
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
何人
(
なんびと
)
をも不安にしなければやまないほどな注意を
双眼
(
そうがん
)
に集めて彼を凝視した。
隙
(
すき
)
さえあれば彼に近付こうとするその人の心が
曇
(
どん
)
よりした
眸
(
ひとみ
)
のうちにありありと読まれた。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
車に乗るとき
曇
(
どん
)
よりした不愉快な空を仰いで、風の吹く中へ車夫を
駈
(
か
)
けさした。路は歯の廻らないほど
泥濘
(
ぬか
)
っているので、車夫のはあはあいう
息遣
(
いきづかい
)
が、風に
攫
(
さら
)
われて行く途中で、折々余の耳を
掠
(
かす
)
めた。
三山居士
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
“曇(曇り)”の解説
曇り(くもり)とは空が雲で覆われていること。曇天(どんてん)とも呼ばれる。また、しばしば送り仮名が省かれる。
(出典:Wikipedia)
曇
常用漢字
中学
部首:⽇
16画
“曇”を含む語句
瞿曇
安曇
薄曇
微曇
阿曇
曇硝子
北安曇
日曇
曇天
優曇華
掻曇
南安曇
曇日
晴曇
悉曇
焼曇
烏曇鉢
梅雨曇
曇鸞
曇鸞大師
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