やや)” の例文
其平な頂上がまさに低下しようとする所から、やや円味を帯びて殆ど直線に近い空線を描いた一座の山が、前記の二峰の上にのり出している。
望岳都東京 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
黎元れいぐわん撫育むいくすることやや年歳としを経たり。風化ふうくわなほようして、囹圄れいごいまむなしからず。通旦よもすがらしんを忘れて憂労いうらうここり。頃者このごろてんしきりあらはし、地しばしば震動す。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
折角せつかく暖かになつた二人の身体はまた凍り付くかと思はれた。種田君はややたしかな歩調を運ばせ乍ら
二黒の巳 (新字旧仮名) / 平出修(著)
亢旱かうかんにして夏に至るまで雨ふらず。百川水を減じて五穀ややしぼめり。まことに朕が不徳をて致す所なり。百姓何の罪ありてか、憔萎せうゐせる事の甚しき。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)