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区劃
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くかく
ふりがな文庫
“
区劃
(
くかく
)” の例文
旧字:
區劃
それは雪国の旧家というものが特別
陰鬱
(
いんうつ
)
な建築で、どの部屋も薄暗く、部屋と部屋の
区劃
(
くかく
)
が不明確で、迷園の如く陰気でだだっ広く
石の思い
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
従来の地質図に色別してある秩父古生層と花崗岩
若
(
も
)
しくは石英閃緑岩との
区劃
(
くかく
)
線は、頗る怪しい箇所が有ることは断言するに躊躇せぬ。
秩父の奥山
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
いい加減に切り揚げて、やがてその一
区劃
(
くかく
)
をぬけて、広い通りの旅館を二軒と、アパアト風の洋館を一軒当たってみたが、無駄であった。
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
造型美術だけは或る定まった時間の
区劃
(
くかく
)
が無ければどうする事も出来ないので、この点についての彼女の苦慮は思いやられるものであった。
智恵子の半生
(新字新仮名)
/
高村光太郎
(著)
殊に
仁王門
(
におうもん
)
を這入って
右手
(
めて
)
の、五重の塔、
経堂
(
きょうどう
)
、ぬれ仏、
弁天山
(
べんてんやま
)
にかけての一
区劃
(
くかく
)
は、宵の内からほとんど人通りがなかった。
一寸法師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
▼ もっと見る
そんな限られた海へ出る人の
一町
(
ひとまち
)
があるのだとは私も信じ得ないが、そこは要するに留守を守る女ばかりの一
区劃
(
くかく
)
であって
地図にない街
(新字新仮名)
/
橋本五郎
(著)
が、牡鹿山の城は筑摩家代々の本城であるから、備えもきびしく、城内の
区劃
(
くかく
)
もかなり複雑に出来ているので、なか/\外へ忍び出るような便宜もない。
武州公秘話:01 武州公秘話
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
すなわち各部屋を幾つにも
区劃
(
くかく
)
し、その一ツずつについて細心な注意と整然たる順序をもって研究するのだ。
水晶の栓
(新字新仮名)
/
モーリス・ルブラン
(著)
遥かにこの南半球の濠洲のサンデー砂漠地帯の一
区劃
(
くかく
)
に
移駐
(
いちゅう
)
することを許された
次第
(
しだい
)
であった。
人造人間戦車の機密:――金博士シリーズ・2――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
それから北の方へ防風林を一
区劃
(
くかく
)
、なるべくは林を多く取って置くことにしました。それから水の澄み渡った小川がこの防風林の右の方からうねり出て屋敷の前を流れる。
牛肉と馬鈴薯
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
いまだそれを重ね写しして一般的
区劃
(
くかく
)
ともいうべきものを、定めることが出来ぬのみである。
野草雑記・野鳥雑記:01 野草雑記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
そうかと思うと
櫛
(
くし
)
とか称する無意味な
鋸様
(
のこぎりよう
)
の道具を用いて頭の毛を左右に等分して嬉しがってるのもある。等分にしないと七分三分の割合で
頭蓋骨
(
ずがいこつ
)
の上へ人為的の
区劃
(
くかく
)
を立てる。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ただ俳句十七字の小天地に今までは辛うじて一山一水一草一木を写し
出
(
い
)
だししものを、同じ
区劃
(
くかく
)
のうちに変化極まりなく活動止まざる人世の一部分なりとも縮写せんとするは難中の難に属す。
俳人蕪村
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
荒布橋
(
あらめばし
)
から江戸橋へかけて、隅田川に通ずる掘割の水があだかも荷船の
碇泊処
(
ていはくじょ
)
の趣を成している一
区劃
(
くかく
)
。そこは捨吉が
高輪
(
たかなわ
)
の学校時代の記憶から引離して考えられないほど
旧
(
ふる
)
い馴染の場処だ。
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
その
広闊
(
こうかつ
)
な場面を、幾何学的造りの庭が池の単純な円や、花壇の複雑な雲型や弧形で、精力的に
区劃
(
くかく
)
されていた。それは偶然規則的な図案になって大河底を流れ下る氷の渦紋のようにも見えた。
母子叙情
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
一、城下町筋の
区劃
(
くかく
)
整理。
半之助祝言
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
均平がこの町中の一
区劃
(
くかく
)
にある遊び場所に足を踏み入れた時は、彼の会社における地位も危なくなり、
懐
(
ふところ
)
も寂しくなっていた。
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
更に異様なのは、この部屋には到るところに厚い
天鵞絨
(
ビロード
)
の垂幕が下って、一箇の大地下室を幾つもに
区劃
(
くかく
)
し、迷路のような感じを与えていることであった。
偉大なる夢
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
事実上はかように明暸に
区劃
(
くかく
)
を受けて、作物中に出てくるものではありません。
文芸の哲学的基礎
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
どうしてこの一
区劃
(
くかく
)
のみに、こういう古語が残っていたかはまだ謎であるが、山陰山陽は少なくとも三分の一、それから内海の幾つかの島と、対岸四国の一角までは確かに分布しており
野草雑記・野鳥雑記:01 野草雑記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
運動場の
区劃
(
くかく
)
は碁盤の目を盛ったような真直な道で他の草地なぞと仕切ってあって、向うの一角に第一期の卒業生の記念樹があれば
是方
(
こちら
)
の一角にも第二期の卒業生の記念樹が植えてあるという風に
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
口を
噤
(
つぐ
)
んでしまったのだが、その晩もちょっとその辺を散歩するつもりで、二人で旅館を出ると、わざと大通りを避けて
区劃
(
くかく
)
整理後すっかり様子のかわった新花町あたりの新しい町を歩いた。
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
日がだんだん
傾
(
かたぶ
)
いて陰の方は蒼い山の
上皮
(
うわかわ
)
と、蒼い空の
下層
(
したがわ
)
とが、双方で本分を忘れて、好い加減に
他
(
ひと
)
の領分を
犯
(
おか
)
し合ってるんで、眺める自分の眼にも、山と空の
区劃
(
くかく
)
が判然しないものだから
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そこに一つの線でも引いたような
区劃
(
くかく
)
が岸本には見えて来た。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
“区劃”の意味
《名詞》
仕切ること。そのしきり。境界。
(出典:Wiktionary)
区
常用漢字
小3
部首:⼖
4画
劃
漢検準1級
部首:⼑
14画
“区劃”で始まる語句
区劃扉
区劃石