ひじりの家ひじりのいえ
日向路の五日はいつも良い月夜であつた。最初の晩は土々呂の海浜の松の蔭を、白い細かな砂をきしりつゝ、延岡へと車を走らせた。次の朝早天に出て見たら、薄雪ほどな霜が降つて居た。車の犬が叢を踏むと、それが煙のやうに散るのである。山の紅葉は若い櫨の木 …
作品に特徴的な語句
あがた