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昇
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のぼ
ふりがな文庫
“
昇
(
のぼ
)” の例文
勇
(
ゆう
)
すなわち
徳
(
とく
)
、
徳
(
とく
)
すなわち
勇
(
ゆう
)
と考えられていた。かかる時代にはよしや動物性が混じ、
匹夫
(
ひっぷ
)
の
勇
(
ゆう
)
以上に
昇
(
のぼ
)
らずとも、それが
尊
(
とうと
)
かった。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
今
(
いま
)
ぞ
廿日
(
はつか
)
の
月
(
つき
)
面
(
おも
)
かげ
霞
(
かす
)
んで、さし
昇
(
のぼ
)
る
庭
(
には
)
に
木立
(
こだち
)
おぼろおぼろと
暗
(
くら
)
く、
似
(
に
)
たりや
孤徽殿
(
こきでん
)
の
細殿口
(
ほそどのぐち
)
、
敏
(
さとし
)
が
爲
(
ため
)
には
若
(
し
)
くものもなき
時
(
とき
)
ぞかし。
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
子家鴨
(
こあひる
)
はみんなが
連
(
つ
)
れだって、
空
(
そら
)
高
(
たか
)
くだんだんと
昇
(
のぼ
)
って
行
(
い
)
くのを
一心
(
いっしん
)
に
見
(
み
)
ているうち、
奇妙
(
きみょう
)
な
心持
(
こころもち
)
で
胸
(
むね
)
がいっぱいになってきました。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
彼は努めて驚きを隠し、はるかに△△を励したりした。が、△△は傾いたまま、
炎
(
ほのお
)
や煙の立ち
昇
(
のぼ
)
る中にただ
唸
(
うな
)
り声を立てるだけだった。
三つの窓
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
彼の足が一歩々々梯子段を
昇
(
のぼ
)
って行くほど、逆に彼を引きおろすようにする何物かゞあって、少年は心でそれと
闘
(
たゝか
)
いながら
上
(
あが
)
り詰めた。
武州公秘話:01 武州公秘話
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
▼ もっと見る
ベンヺ おゝ、ロミオ/\、マーキューシオーはお
死
(
し
)
にゃったぞよ! あの
勇敢
(
ゆうかん
)
な
魂
(
たましひ
)
は
氣短
(
きみじか
)
に
此世
(
このよ
)
を
厭
(
いと
)
うて、
雲
(
くも
)
の
上
(
うへ
)
へ
昇
(
のぼ
)
ってしまうた。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
(お前は
今日
(
きょう
)
からおれの子供だ。もう泣かないでいい。お前の前のお
母
(
かあ
)
さんや兄さんたちは、
立派
(
りっぱ
)
な国に
昇
(
のぼ
)
って行かれた。さあおいで。)
雁の童子
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
姨捨山
(
おばすてやま
)
の月(わが心慰めかねつ
更科
(
さらしな
)
や姨捨山に照る月を見て)ばかりが澄み
昇
(
のぼ
)
って夜がふけるにしたがい
煩悶
(
はんもん
)
は加わっていった。
源氏物語:51 宿り木
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
月は野の向こうに
昇
(
のぼ
)
って、まるく
輝
(
かがや
)
いていた。
銀色
(
ぎんいろ
)
の
靄
(
もや
)
が、
地面
(
じめん
)
とすれすれに、また
鏡
(
かがみ
)
のような
水面
(
すいめん
)
に
漂
(
ただよ
)
っていた。
蛙
(
かえる
)
が語りあっていた。
ジャン・クリストフ
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
お
品
(
しな
)
は
朝
(
あさ
)
から
心持
(
こゝろもち
)
が
晴々
(
はれ/″\
)
して
日
(
ひ
)
が
昇
(
のぼ
)
るに
連
(
つ
)
れて
蒲團
(
ふとん
)
へ
起
(
お
)
き
直
(
なほ
)
つて
見
(
み
)
たが、
身體
(
からだ
)
が
力
(
ちから
)
の
無
(
な
)
いながらに
妙
(
めう
)
に
輕
(
かる
)
く
成
(
な
)
つたことを
感
(
かん
)
じた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
次の晩、ぼくが、二等船室から
喫煙室
(
きつえんしつ
)
のほうに、階段を
昇
(
のぼ
)
って行くと、上り口の右側の部屋から、
溌剌
(
はつらつ
)
としたピアノの音が、流れてきます。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
有王 成経殿はこのたび
宰相
(
さいしょう
)
の少将に
昇
(
のぼ
)
られるといううわさでございます。平氏に
刃向
(
はむ
)
かうことなどは思いもよらぬように見受けられます。
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
王子
(
おうじ
)
は
上
(
うえ
)
へ
昇
(
のぼ
)
って
見
(
み
)
たいと
思
(
おも
)
って、
塔
(
とう
)
の
入口
(
いりぐち
)
を
捜
(
さが
)
したが、いくら
捜
(
さが
)
しても、
見
(
み
)
つからないので、そのまま
帰
(
かえ
)
って
行
(
ゆ
)
きました。
ラプンツェル
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
だからもうこの上、何も云ひはしない。カァター、早く! 早く! 太陽はもう直ぐ
昇
(
のぼ
)
る。そして私はこの男を行かせなくちやならないのだ。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
見て扨は重五郎
日頃
(
ひごろ
)
我に
辛
(
つら
)
く當りしは
却
(
かへつ
)
て
情
(
なさけ
)
有
(
あり
)
し事かと
龍門
(
りうもん
)
の
鯉
(
こひ
)
天へ
昇
(
のぼ
)
り
無間地獄
(
むげんぢごく
)
の
苦痛
(
くつう
)
の中へ
彌陀如來
(
みだによらい
)
の
御來迎
(
ごらいかう
)
ありて助を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
此処の縁側から、上野の森の上に
昇
(
のぼ
)
る、後の月を眺める景色の良さは、明るい昼の太陽の下でも、充分に想像がつきます。
銭形平次捕物控:241 人違い殺人
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
私
(
わたくし
)
は
宙
(
ちう
)
を
飛
(
と
)
んで
船室
(
せんしつ
)
の
方
(
かた
)
に
向
(
むか
)
つた。
昇降口
(
しようかうぐち
)
のほとり、
出逢
(
であ
)
ひがしらに、
下方
(
した
)
から
昇
(
のぼ
)
つて
來
(
き
)
たのは、
夫人
(
ふじん
)
と
少年
(
せうねん
)
とであつた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
翌朝
(
あけのあさ
)
、
棟
(
むね
)
の
雲
(
くも
)
の
切
(
き
)
れ
間
(
ま
)
を
仰
(
あふ
)
いで、
勇
(
いさ
)
ましく
天守
(
てんしゆ
)
に
昇
(
のぼ
)
ると、
四階目
(
しかいめ
)
を
上切
(
のぼりき
)
つた、
五階
(
ごかい
)
の
口
(
くち
)
で、フト
暗
(
くら
)
い
中
(
なか
)
に、
金色
(
こんじき
)
の
光
(
ひかり
)
を
放
(
はな
)
つ、
爛々
(
らん/\
)
たる
眼
(
まなこ
)
を
見
(
み
)
た
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
あの先代半六が隠居所となっていた味噌納屋の二階への
梯子段
(
はしごだん
)
を
昇
(
のぼ
)
ったり降りたりするには、足もとがおぼつかなかった。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
駅長は親切に私をいたわって階壇を
昇
(
のぼ
)
るとその後から紳士と工夫頭とがついて来た。壇を昇りきると岡田が駆けて来て
駅夫日記
(新字新仮名)
/
白柳秀湖
(著)
九階は白き木造で
聳
(
そび
)
え五階は八角柱であり、白と黒とのだんだん染めであったと思う。私は二つとも
昇
(
のぼ
)
って見た事を夢の如く思い起す事が出来る。
めでたき風景
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
何の信仰! 何の希望! 木村は葉子が
据
(
す
)
えた道を——行きどまりの袋小路を——天使の
昇
(
のぼ
)
り降りする雲の
梯
(
かけはし
)
のように思っている。あゝ何の信仰!
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
坊
(
ぼう
)
さんはそのうち
人里
(
ひとざと
)
に出て、ほっと
一息
(
ひといき
)
つきました。そして
花
(
はな
)
やかにさし
昇
(
のぼ
)
った
朝日
(
あさひ
)
に
向
(
む
)
かって手を
合
(
あ
)
わせました。
安達が原
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
ひばりくん、それはちがうでしょう? なるほど、
君
(
きみ
)
は
海
(
うみ
)
に、
野原
(
のはら
)
に、
町
(
まち
)
に、
村
(
むら
)
に、
呼
(
よ
)
びかけている。そして、
雲
(
くも
)
の
上
(
うえ
)
まで
高
(
たか
)
く
昇
(
のぼ
)
って
呼
(
よ
)
びかけている。
平原の木と鳥
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
それからはこの
山
(
やま
)
を
不死
(
ふし
)
の
山
(
やま
)
と
呼
(
よ
)
ぶようになつて、その
藥
(
くすり
)
の
煙
(
けむ
)
りは
今
(
いま
)
でも
雲
(
くも
)
の
中
(
なか
)
へ
立
(
た
)
ち
昇
(
のぼ
)
るといふことであります。
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
博士の云うとおり、○○獣の落ちた穴の中からは、最前までゆうゆうと立ち
昇
(
のぼ
)
っていた
白気
(
はっき
)
は見えなくなっていた。
○○獣
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
折から空高くさし
昇
(
のぼ
)
っているお月様の光でその男を見ますと、それは武士らしいいかにも強そうな男でした。その男は、二郎次が目を
覚
(
さま
)
したのを見ると
三人兄弟
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
路
(
みち
)
の
旁
(
かたわら
)
にこれを立て少しくもたれかかるようにしたるに、そのまま石とともにすっと空中に
昇
(
のぼ
)
り行く
心地
(
ここち
)
したり。
遠野物語
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
『
日
(
ひ
)
が
今
(
いま
)
昇
(
のぼ
)
るのを
見
(
み
)
なさい、
何
(
なん
)
と
神々
(
かう/″\
)
しい
景色
(
けしき
)
ではないか』と
優
(
やさ
)
しく
言葉
(
ことば
)
をかけるまで、
若者
(
わかもの
)
は
何
(
なに
)
を
思
(
おも
)
ふ
暇
(
ひま
)
もなく、ただ
茫然
(
ばうぜん
)
と
老人
(
らうじん
)
の
顏
(
かほ
)
を
見
(
み
)
て
居
(
ゐ
)
たのです。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
陽
(
ひ
)
は
高々
(
たかだか
)
と
昇
(
のぼ
)
っているらしく、
今
(
いま
)
さら
気付
(
きづ
)
いた
雨戸
(
あまど
)
の
隙間
(
すきま
)
には、なだらかな
日
(
ひ
)
の
光
(
ひかり
)
が、
吹矢
(
ふきや
)
で
吹
(
ふ
)
き
込
(
こ
)
んだように、こまいの
現
(
あらわ
)
れた
壁
(
かべ
)
の
裾
(
すそ
)
へ
流
(
なが
)
れ
込
(
こ
)
んでいた。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
なぜならば彼らは山国の住民で日夜山を
降
(
お
)
り
昇
(
のぼ
)
りする。それもただ降り昇りするだけでなくて、重い荷物を背負って急いで降り昇りする程強い人民である。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
父は主計官としてだいぶ好い地位にまで
昇
(
のぼ
)
った上、元来が
貨殖
(
かしょく
)
の道に明らかな人であっただけ、今では
母子共
(
おやことも
)
衣食の上に不安の
憂
(
うれい
)
を知らない好い身分である。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
裏の坂を
昇
(
のぼ
)
ってゆくのを見送った後、そのまんまぼんやり窓にもたれていると、しばらくしてからその同じ坂を、花籠を背負い、小さな帽子をかぶった男が
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
それに『よりいい条件』の生活がしたかったら、なぜもっと、勉強して上の方へ、
昇
(
のぼ
)
るようにしないんだ。
海に生くる人々
(新字新仮名)
/
葉山嘉樹
(著)
何んでも御階段を
昇
(
のぼ
)
り切ったところに柱があってその装飾として四頭の
狆
(
ちん
)
を彫れという御命令であった。
幕末維新懐古談:53 葉茶屋の狆のはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
玄竹
(
げんちく
)
は
本殿
(
ほんでん
)
に
昇
(
のぼ
)
つて、
開帳中
(
かいちやうちう
)
の
滿仲公
(
みつなかこう
)
の
馬上姿
(
ばじやうすがた
)
の
武裝
(
ぶさう
)
した
木像
(
もくざう
)
を
拜
(
はい
)
し、これから
別當所
(
べつたうしよ
)
へ
行
(
い
)
つて、
英堂和尚
(
えいだうをしやう
)
の
老體
(
らうたい
)
を
診察
(
しんさつ
)
した。
病氣
(
びやうき
)
は
矢張
(
やは
)
り
疝癪
(
せんしやく
)
の
重
(
おも
)
つたのであつた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
向日葵
(
ひまわり
)
、
毎幹
(
まいかん
)
の
頂上
(
ちょうじょう
)
に
只
(
ただ
)
一花
(
いっか
)
あり、
黄弁大心
(
おうべんたいしん
)
、
其
(
そ
)
の形
盤
(
ばん
)
の
如
(
ごと
)
く、太陽に
随
(
したが
)
いて回転す、
如
(
も
)
し日が東に
昇
(
のぼ
)
れば
則
(
すなわ
)
ち花は東に
朝
(
むか
)
う、日が天に
中
(
なか
)
すれば
則
(
すなわ
)
ち花
直
(
ただ
)
ちに上に
朝
(
むか
)
う
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
「お日様、お早うございます。
今日
(
きょう
)
も
又
(
また
)
椰子の実をいただきに出ました。」と、蟹はお日様に御礼を言います。お日様はにこにこしてだんだん高く空にお
昇
(
のぼ
)
りになります。
椰子蟹
(新字新仮名)
/
宮原晃一郎
(著)
皇朝
(
くわうてう
)
の昔、
七〇
誉田
(
ほんだ
)
の天皇、兄の
皇子
(
みこ
)
七一
大鷦鷯
(
おほさざき
)
の
王
(
きみ
)
をおきて、
季
(
すゑ
)
の
皇子
(
みこ
)
七二
菟道
(
うぢ
)
の
王
(
きみ
)
を
七三
日嗣
(
ひつぎ
)
の
太子
(
みこ
)
となし給ふ。天皇
崩御
(
かみがく
)
れ給ひては、
兄弟
(
はらから
)
相
譲
(
ゆづ
)
りて位に
昇
(
のぼ
)
り給はず。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
重く河原の
面
(
おもて
)
を立ちこめていた茜色を帯びた白い川霧がだんだん中空をさして
昇
(
のぼ
)
ってくる朝陽の光に消散して、四条の大橋を渡る往来の人の足音ばかり高く聞えていたのが
黒髪
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
この
麗
(
うるはし
)
き
容
(
かたち
)
をば見返り勝に静緒は
壁側
(
かべぎは
)
に寄りて二三段づつ先立ちけるが、彼の
俯
(
うつむ
)
きて
昇
(
のぼ
)
れるに、
櫛
(
くし
)
の
蒔絵
(
まきゑ
)
のいと
能
(
よ
)
く見えければ、ふとそれに目を奪はれつつ一段踏み
失
(
そこ
)
ねて
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
小初は腰の左手を上へ挙げて、額に翳している右の腕に
添
(
そ
)
え、
眩
(
まぶ
)
しくないよう
眼庇
(
まびさ
)
しを深くして、
今更
(
いまさら
)
のように文化の
燎原
(
りょうげん
)
に立ち
昇
(
のぼ
)
る晩夏の
陽炎
(
かげろう
)
を見入って、深い
溜息
(
ためいき
)
をした。
渾沌未分
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
せめて
燒跡
(
やけあと
)
なりとも弔はんと、西八條の方に辿り行けば、
夜半
(
よは
)
にや立ちし、早や
落人
(
おちうど
)
の影だに見えず、
昨日
(
きのふ
)
までも美麗に建て
連
(
つら
)
ねし
大門
(
だいもん
)
高臺
(
かうだい
)
、一夜の煙と立ち
昇
(
のぼ
)
りて、
燒野原
(
やけのはら
)
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
へえゝ
成程
(
なるほど
)
、十八
間
(
けん
)
四
面
(
めん
)
とは聞いてゐましたが、
立派
(
りつぱ
)
なもんですな。近「さ
此
(
こ
)
の
段々
(
だん/″\
)
を
昇
(
のぼ
)
るんだ。梅「へえ
何
(
なん
)
だか
何
(
ど
)
うも
滅茶
(
めちや
)
でげすな……おゝ/\
大層
(
たいさう
)
絵双紙
(
ゑざうし
)
が
献
(
あが
)
つてゐますな。 ...
心眼
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
皆
(
みな
)
除
(
のぞき
)
ていさゝかも家内に
故障
(
さゝはり
)
なく平安
無事
(
ぶじ
)
なる者を
撰
(
えら
)
び、
神㕝
(
じんじ
)
の前の
朝
(
あけ
)
神主
沐浴斎戒
(
もくよくさいかい
)
し
斎服
(
さいふく
)
をつけて本社に
昇
(
のぼ
)
り、えらびたる人々の名をしるして
御鬮
(
みくじ
)
にあげ、
神慮
(
しんりよ
)
に
任
(
まかせ
)
て神使とす。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
小止
(
おや
)
みもなく紛々として
降来
(
ふりく
)
る雪に山はその
麓
(
ふもと
)
なる
海辺
(
うみべ
)
の漁村と共に
埋
(
うずも
)
れ
天地寂然
(
てんちせきぜん
)
たる処、
日蓮上人
(
にちれんしょうにん
)
と呼べる聖僧の
吹雪
(
ふぶき
)
に身をかがめ苦し
気
(
げ
)
に
山路
(
やまじ
)
を
昇
(
のぼ
)
り行く図の如きは即ち然り。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
然
(
しか
)
しながら
其
(
その
)
ような
高
(
たか
)
い
殿堂
(
でんどう
)
に
近寄
(
ちかよ
)
ることや
堂上
(
どうじよう
)
に
昇
(
のぼ
)
ることは
年齡
(
ねんれい
)
に
無關係
(
むかんけい
)
なことであるから、わが
讀者
(
どくしや
)
も
偶
(
たま/\
)
かような
場所
(
ばしよ
)
に
居合
(
ゐあは
)
せたとき
大地震
(
だいぢしん
)
に
出會
(
であ
)
ふようなことがないとも
限
(
かぎ
)
らぬ。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
と、縄は物があってかけたように空中にかかったので、手許にある分を順順に投げあげると縄は高く高く
昇
(
のぼ
)
っていって、その端は雲の中へ入った。それと共に手に持っていた縄もなくなった。
偸桃
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
そしてふかぶかと
胸一杯
(
むねいつぱい
)
に匂やかな空氣を
吸込
(
すひこ
)
めば、ついぞ胸一杯に呼吸したことのなかつた私の
身體
(
からだ
)
や顏には温い血のほとぼりが
昇
(
のぼ
)
つて來て何だか身内に元氣が目覺めて來たのだつた。………
檸檬
(旧字旧仮名)
/
梶井基次郎
(著)
やはり堂に
昇
(
のぼ
)
らずして
止
(
や
)
みたるは恥かしき次第なり。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
“昇”の解説
昇(しょう)は、漢姓の一つ。
(出典:Wikipedia)
昇
常用漢字
中学
部首:⽇
8画
“昇”を含む語句
昇降機
昇降口
昇降
昇進
昇騰
昇降器
昇汞水
昇汞
昇華
呂昇
昇天
昇口
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豊竹呂昇
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...