かけはし)” の例文
西鶴が『五人女』の中で「広間をすぎてえんよりかけはしのはるかに熊笹くまざさむら/\としてその奥に庭籠ありてはつがん唐鳩からばと金鶏きんけいさま/\の声なして」
古句を観る (新字新仮名) / 柴田宵曲(著)
何の信仰! 何の希望! 木村は葉子がえた道を——行きどまりの袋小路を——天使ののぼり降りする雲のかけはしのように思っている。あゝ何の信仰!
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
雲のかけはしにもまごうやぐらを組み、土嚢を積み、ほりをうずめ、弩弓の乱射、ときの声、油の投げ柴、炎の投げ松明たいまつなど——あらゆる方法をもって攻めた。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
橋ある所へくだらんためかけはしをまうけてあり、橋はすぐなる丸木を二本ならべにし、細木を藤蔓ふぢつるにてあみつけたるなり。
仕方が無いから此の連中の内で聡明でも有り善良でも有るやからは、高級骨董の素晴らしい物に手を掛けたく無い事は無いが、それは雲にかけはしの及ばぬ恋路みたやうなものだから
骨董 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
雲梯うんてい衝車しょうしゃの新兵器まで押し出して用いた。雲梯——雲のかけはし——とは、高さあくまで高い梯子櫓はしごやぐらである。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
仕方がないからこの連中の内で聡明でもあり善良でもあるやからは、高級骨董の素晴らしい物に手を掛けたくない事はないが、それは雲にかけはしの及ばぬ恋路みたようなものだから
骨董 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
たもとを払って、閣を下りようとすると、いつのまにか、そこのかけはしを下からはずしてあった。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)