“だんだん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
漸々31.6%
段々27.6%
漸次14.5%
団々9.2%
漸時6.6%
徐々2.6%
段段2.6%
弾々2.6%
団団1.3%
階段1.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しかし彼等が漸々だんだんほろびて行くことは争われぬ道理で、昔に比べると其人数そのにんずも非常に減って来たに相違ない。やがては自然とほろつくすであろう。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
障子が段々だんだんまぶしくなって、時々吃驚びっくりする様な大きなおとをさしてドサリどうと雪が落ちる。机のそばでは真鍮しんちゅう薬鑵やかんがチン/\云って居る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
渡邊をれてうららかな秋の街を散歩でもするような足どりで歩き出した、二人は漸次だんだん郊外の方へ近よると、其所そこには黒ずんだ○△寺の山門が見えた
誘拐者 (新字新仮名) / 山下利三郎(著)
団々だんだんとして渦巻く煤烟ばいえんは、右舷うげんかすめて、おかかたなだれつつ、長く水面によこたわりて、遠く暮色ぼしょくまじわりつ。
取舵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
漸時だんだん親しくなるに連れて、彼女の家の内幕が次第に解かって参りました。その中分けても私の眼に怪しく映ってならなかったのは料理人の季参きさんでございます。
温室の恋 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
ああほんとうに、あの仮面を見ていると、頭の中が徐々だんだんと乱れてきて、不思議な幻影があちこち飛び廻るようになってしまいます。
白蟻 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
元来瞑想的な事にけた印度インド人だから哲学や法律の理解が好く、自由思想は日本の学生よりも概して徹底して居るので段段だんだん英政府の施設が面倒に成つて来たさうだ。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
あの夢現ゆめうつつのまどろみの中に現われるのだ——あの素破すばらしい弾々だんだんたる肉体、夢の様な瞳、はなびらのような愛らしいくちびる、むちむちとした円い体の線は、くびれたような四肢を持って僕にせまって来るのだ
蝕眠譜 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
此間このあひだむかふの土手にむら躑躅つゝぢが、団団だんだんと紅はくの模様を青いなかに印してゐたのが、丸で跡形あとかたもなくなつて、のべつに草がい茂つてゐる高い傾斜のうへに、大きなまつが何十本となく並んで
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
小児一 じゃあ、階段だんだんから。おい、ほうきの足りないものは手で引掻ひっかけ。
多神教 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)