拍子ひようし)” の例文
不器用ぶきようなればお返事へんじのしやうもわからず、唯々たゞ/\こ〻ろぼそくりますとてをちゞめて引退ひきしりぞくに、桂次けいじ拍子ひようしぬけのしていよ/\あたまおもたくなりぬ。
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
金之助は箱を受取つて、暫らく調べてをりましたが、やがて、前後左右から、一種の拍子ひようしで叩き始めました。
銭形平次捕物控:311 鬼女 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
古墳こふんをやたらにつたりすることはわるいことでありますが、なにかの拍子ひようしこはれたりして、なかからものときには大切たいせつにこれを保存ほぞんし、丁寧ていねいにこれを調しらべなくてはなりません。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
やゝ餘炎ほとぼりのさめたるころのぶさんおまへはらつからないけれどとき拍子ひようしだから堪忍かんにんしていてんな、れもおまへ正太しようた明巣あきすとはるまいではいか
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
わびがしたれけれど障子しようじ時機しほがなく、おたみ最初さいしよんでれしときすこしひねくれてより拍子ひようしぬけがして今更いまさらにはしもされず、そのうちにおかへりにならばなんとせん
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)