“痒(かい)” の例文
ナアニこれが他人で見るがいい、お前さんが御免になッたッて成らなくッたッて此方(こっち)にゃア痛くも痒(かい)くも何とも無い事(こっ)たから、何で世話を焼くもんですか。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
「おゝ痒(かい)い」とぴしやり手(て)で蚊(か)を叩(たゝ)いた。彼(かれ)の唄(うた)に連(つれ)て各自(めいめい)が更(さら)に唄(うた)つた。皆(みな)箸(はし)で茶碗(ちやわん)を叩(たゝ)いて拍子(ひやうし)を合(あは)せた。さういふ騷(さわ)ぎに成(な)つてから酒(さけ)は減(へ)らなかつた。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
與「だから鬼だって、自分は勝手三眛(かってざんまい)して居るから痒(かい)くもねえが、それはお累様ア憎いたって、現在赤ん坊が蚊に喰殺されても構わねえて云うなア心が鬼だねえ」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)