かい)” の例文
此方から短銃ぴすとると言た時に直様すぐさまはい其短銃ぴすとる云々しか/″\と答えたのが益々彼れの手管てくだですわ、つまり彼れは丁度計略の裏をかいて居るのです
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
取上て見れば牡丹ぼたんの繪にうらには詩をかいて有り又此通り親骨おやぼねに杉田三五郎と記してあれば全く敵は三五郎に相違無さうゐなし是によつて先生に助太刀を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
規則には満十二歳以上なんてかいてありますが、満十三、四歳まで大人の船賃を払う者は一人もありはしませんとうから、私は承知しない。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
其黄金機会ツていふやうなことはお金のたんとある人か、さうでなければ、むかしの人か、さうでなければ書物にかいてある、マア日本で正成マサシゲとか
黄金機会 (新字旧仮名) / 若松賤子(著)
簿記函とかいた長方形の箱が鼠入らずの代をしている、其上に二合入の醤油徳利しょうゆどくりと石油の鑵とがおいてあって
二少女 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
硝子板にかいて御座いまして、風呂にめ、白紙なり壁なりに写すというのは、世間に沢山御座います
探偵小説の「謎」 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
朧気おぼろげながら逢瀬おうせうれしき通路かよいじとりめを夢の名残の本意ほいなさに憎らしゅう存じそろなどかいてまだ足らず、再書かえすがき濃々こまごまと、色好み深き都の若佼わこうど幾人いくたりか迷わせ玉うらん御標致ごきりょうの美しさ
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
ちひさきかみ川村太吉かはむらたきちかいりたるをよみみて此處こゝだ/\とくるまよりりける、姿すがたつけて、おゝ番町ばんちやう旦那樣だんなさまとおさんどんが眞先まつさきたすきをはづせば、そゝくさは飛出とびだしていやおはやいおいで
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
また明治十二年に大阪で刊行せられた永田方正の『由氏植物書』緒言中にも「此書ハユーマン氏ノ原著ニシテ原名ヲセコンド、ブック、ヲフ、ボタニー(植学第二書)ト称シ云々」とかいている。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
... 改良すべき文学者の責任としてはどうしても道理にしたがわねばならんという意味を委しくかいげたらどうだね」大原「ウム、それも書くがね、その代り道理上からいえば父母の承諾なしに子がほしいままに嫁を ...
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
メソジストの全国教会名簿には、翁の名は何とかいてあったろう?
(新字新仮名) / 小川未明(著)
ものかいて扇子ひきさくなごり哉
河伯令嬢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
一番後まで見落すとは、しかし老人が自分でかいたので無いとすれば事の具合が全く一変する、さア此文字は誰が書た、勿論老人を
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
日本人のまなこを以て見れば王子もまたただ不浄の畜生たるに過ぎず云々うんぬんとて、筆をたくみに事細かにかいやったことがある。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
持て私が取にしかし事によるこられぬ時は御まへの内へ直樣すぐさま取にやるから一寸請取をかいくださいと云ふにぞ道具屋は書付かきつけしたゝ判迄はんまでおして出しければ直八手に取揚とりあげよみけるに
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
左の手に附て置けば誰も老人の仕業とは思わず、ればとて現に藻西の名をかいて有るから真逆まさかに藻西が自分で自分の名を書く程の馬鹿な事を仕様とは猶更なおさら思われず
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
そのとき途中で廻国巡礼に出逢い、その笠を見れば何の国何都何村の何某なにがしと明白にかいてある。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
かいくだされましと言に道具屋ハイ/\家主いへぬしひろ次郎と申ますと肩書かたがきにして渡しければ直八是で宜と其儘馬喰ばくろ町の旅宿りよしゆくへ歸りて長兵衞ならび村名主むらなぬし源左衞門に向ひ下谷山下やましたにて見當みあたりし脇差わきざしの事を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)