かい)” の例文
と挨拶してから朝飯を済まし、亭主からかいを一本買受けて、小刀でけずり始めた。が、朝寝をしている間に、可成り小次郎への対策を考えていたらしい。
巌流島 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
孕ませて行く。それが文芸懇話会の使命でありたい。かいをとるもの、艪を操るものには元より個々の力の働きがあるであろう。しかし進み行くべき針路は定っている
今日の文学の展望 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
独りでえいやッと引き卸し、朝風の冷々するにも構わずかいを両手に取って堀の中を漕ぎ廻した、其のうち凡そ一時間の余も経ったであろうか、身体は汗肌と為って気も爽やかに
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)