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橈
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かい
ふりがな文庫
“
橈
(
かい
)” の例文
人声がして、水を打つ
橈
(
かい
)
の音がする。……すぐ窓の下で、誰かが甲高い厭らしい声で吠えはじめた。シナ人が歌っているのだろう。
グーセフ
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
今にして思へば政海の波浪は
自
(
おのづ
)
から高く自から
卑
(
ひく
)
く、虚名を貪り俗情に
蹤
(
お
)
はるゝの人には
棹
(
さを
)
を
役
(
つか
)
ひ、
橈
(
かい
)
を用ゆるのおもしろみあるべきも
三日幻境
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
日の入る前、彼はいそがしく
橈
(
かい
)
をあちこちに動かして船について来る死体を切り離した。いま、岩の上に打ち上げる波の音は声たかく聞えた。
浅瀬に洗う女
(新字新仮名)
/
フィオナ・マクラウド
(著)
船腹の板をはがして作った
橈
(
かい
)
で
漕
(
こ
)
ぐ船あしは、のろのろとしてもどかしかったが、椰子の茂った海岸へたどって行けそうな岩礁はもう目の前だった。
秘境の日輪旗
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
六人の漕手はボートを岸に乗上げさせて、
橈
(
かい
)
を槍のように押立てながら怖ろしい顔をしてボートを守っていた。
サレーダイン公爵の罪業
(新字新仮名)
/
ギルバート・キース・チェスタートン
(著)
▼ もっと見る
漁夫上がりの弟子たちはお手の物の
橈
(
かい
)
を取って、そのまま沖へ
漕
(
こ
)
ぎ出しました。これを見た群衆はあわてて、我も我もとその辺の舟に打ち乗り、あとを追ってきました。
イエス伝:マルコ伝による
(新字新仮名)
/
矢内原忠雄
(著)
船を漕ぐのに、彼等は
橈
(
かい
)
を引かず、押すのであるから、従って
舳
(
へさき
)
の方を向いている。橈の柄の末端には、木の横木がついている。彼等は一対ずつをなして漕ぎ、漕刑罪人を連想させる。
日本その日その日:03 日本その日その日
(新字新仮名)
/
エドワード・シルヴェスター・モース
(著)
「こぐったって、
橈
(
かい
)
もなんにもない」
恐竜島
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
橈
(
かい
)
は月光をうけてそれを糸の切れた光りかがやく水晶の珠のように振り落とした。船首の浪は巻き上がり高く跳んだ。
浅瀬に洗う女
(新字新仮名)
/
フィオナ・マクラウド
(著)
夜昼なしに
橈
(
かい
)
を動かしつづけても、一日の賃銀は十コペックだった。
追放されて
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
日本の舟は
橈
(
かい
)
で漕ぐのでなく舷から艫で漕いでやるのである。
日本その日その日:03 日本その日その日
(新字新仮名)
/
エドワード・シルヴェスター・モース
(著)
彼は海の波の音も聞かず、
橈
(
かい
)
のない船をたたく水音も知らなかった。彼はまた夢みた、それは、七年前の夏の船出にロックリンに残して来た女の夢だった。
浅瀬に洗う女
(新字新仮名)
/
フィオナ・マクラウド
(著)
眼醒めたばかりの彼らには、
膚
(
はだ
)
を刺すような寒風を吹きつける河が、ぞっとするほど
厭
(
いと
)
わしいらしい。急ぎもせずにカルバスへ跳び移った。……韃靼人と三人の渡船夫は、水掻きの広い長い
橈
(
かい
)
を握る。
追放されて
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
海賊たちは
橈
(
かい
)
をうごかしたり塩水によごれた剣や短剣をみがいたりしていた。
剣のうた
(新字新仮名)
/
フィオナ・マクラウド
(著)
いま岸にくだける浪の音がよく聞えて来た、海賊どもは
橈
(
かい
)
の音を消した。
剣のうた
(新字新仮名)
/
フィオナ・マクラウド
(著)
橈
漢検1級
部首:⽊
16画
“橈”を含む語句
大橈
橈脚
橈骨