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解
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ほぐ
ふりがな文庫
“
解
(
ほぐ
)” の例文
おくみは鋏を入れては縫ひ糸を
解
(
ほぐ
)
しながら、その抜いて行く糸の一筋づゝに、さつきからの、小さびしい自分の心が読み返された。
桑の実
(新字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
「東京の靴屋へ送りたいと思つて……」内田氏は
包
(
くる
)
みかけた小包をまた
解
(
ほぐ
)
して、そのなかから穿き減らした靴を取り出して見せた。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
新八郎やや
弛
(
ゆる
)
む。——
間
(
かん
)
! ——
揉
(
も
)
む。
解
(
ほぐ
)
れる。久作、起きかえる。
咄嗟
(
とっさ
)
。久作の手、
鎧貫
(
よろいどお
)
しを引き抜いて、新八郎の
喉
(
のど
)
へ目がけて突く。
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
しかし、その時鑑識課員が姉妹の指紋を採りに入ってきたので、偶然緊迫した空気が
解
(
ほぐ
)
れて、一同はやっと一息
吐
(
つ
)
くことが出来たのである。
聖アレキセイ寺院の惨劇
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
組んづ
解
(
ほぐ
)
れつ闘いますうち私は滑らかな床に足を辷らせ、自分で摚と倒れました、此の時次の室の片隅から苦痛に耐えぬ声が聞こえました。
幽霊塔
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
▼ もっと見る
それを手早く
解
(
ほぐ
)
して開くと、その中にいつ用意してあったのか、一組の衣類と、見苦しからぬ
拵
(
こしら
)
えの大小一腰が現われました。
大菩薩峠:15 慢心和尚の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
そして
解
(
ほぐ
)
した髪の毛の先が触手の恰好に化けて、置いてある鉢から菓子をつかみ、その口へ持ってゆこうとしているのです。
橡の花
(新字新仮名)
/
梶井基次郎
(著)
いくらしても片端じから崩れたり
解
(
ほぐ
)
れたりしてものにならない藁束に向って、彼女の満身の呪咀と怨言が際限もなく浴せかけられたのである。
禰宜様宮田
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
彼
(
かれ
)
は
毎日
(
まいにち
)
のやうにおつぎを
連
(
つれ
)
て、
唐鍬
(
たうぐは
)
で
切
(
き
)
り
起
(
おこ
)
した
土
(
つち
)
の
塊
(
かたまり
)
を
萬能
(
まんのう
)
の
背
(
せ
)
で
叩
(
たゝ
)
いては
解
(
ほぐ
)
して
平坦
(
たひら
)
にならさせつゝあつたのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
見ればジルベールとボーシュレーとは組んづ
解
(
ほぐ
)
れつの大挌闘、血塗れになって床の上を上になり下になって転々しておる彼等の衣服は血だらけだ。
水晶の栓
(新字新仮名)
/
モーリス・ルブラン
(著)
若
(
も
)
し糸が切れようものなら確かに敷石の上に落ちる。若し糸が
解
(
ほぐ
)
れようものなら
彼
(
あ
)
の子はきっと天へ
昇
(
あが
)
ってしまう。
乃公
(
おれ
)
は大声立てて人を呼んだ。
いたずら小僧日記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
一は
殊
(
こと
)
に價
貴
(
たふと
)
し、されど一は
纈
(
むすび
)
を
解
(
ほぐ
)
すものなるがゆゑにあくるにあたりて極めて大なる
技
(
わざ
)
と
智
(
さとり
)
を
要
(
もと
)
む 一二四—一二六
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
これはてつきり源太めが仲間外れにされて、それを
口惜
(
くや
)
しがつて、それでそんなことを云つて皆をおどかすのだらうと思つた。皆はまた組みつ
解
(
ほぐ
)
れつした。
花束
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
酒が廻るに従って
解
(
ほぐ
)
れて来、父の隣に席を占めた御牧が、如何でございますか皆さん、この親子はちっとも似ていないと云う評判があるんですが、………と
細雪:03 下巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
すぐに
肩癖
(
けんぺき
)
は
解
(
ほぐ
)
れた、と見えて、若い人は、隣の桟敷際へ戻って来て、廊下へ
支膝
(
つきひざ
)
、
以前
(
もと
)
のごとし。……
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
何しろ、得体の判らぬ男であるが、
何時
(
いつ
)
まで睨み合っていても
際限
(
はてし
)
がないと、市郎の口も
解
(
ほぐ
)
れ初めた。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
と答へて千登世は縫物を片付け、ピンを拔き髮を
解
(
ほぐ
)
し、寢卷に着替へようとしたが、圭一郎は彼女の
窶
(
やつ
)
れた裸姿を見ると今更のやうにぎよつとして急いで眼を
瞑
(
つぶ
)
つた。
業苦
(旧字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
全
(
まる
)
で
落語家
(
はなしか
)
の
咄
(
はな
)
しっても無いです。が、綸はまだ着いてましたので、旦那は急いで綸を執る、私は苫を
解
(
ほぐ
)
すで、又二度めの戦争が始まりましたが、どうかこうか抄い上げました。
大利根の大物釣
(新字新仮名)
/
石井研堂
(著)
その間にも、組んず
解
(
ほぐ
)
れつ、焔の
塊
(
かたまり
)
は互いに往来を
逐
(
お
)
いつ転げつしていたが、私にもようやくおぼろ気ながらに、この場の様子が呑み込めてきた。走り狂っていると思ったのは私の見誤りであった。
生不動
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
解
(
ほぐ
)
れるように語るお秀、それを迎えて平次は優しく
促
(
うなが
)
しました。
銭形平次捕物控:123 矢取娘
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
我はこの
青玉
(
せいぎよく
)
の珠數を
解
(
ほぐ
)
して
そぞろごと
(旧字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
解
(
ほぐ
)
し難くうち
雜
(
まじ
)
りたる
群集
(
ぐんしふ
)
の
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
大勢にて追取卷
組
(
くん
)
づ
解
(
ほぐ
)
れつ戰ふ有樣善か惡かは分らね共若者の
働
(
はたら
)
き
凡人
(
ぼんじん
)
ならず天晴の手練かなと感じ
乍
(
なが
)
らに見て居たるに今
大勢
(
おほぜい
)
の雲助に
叩
(
たゝ
)
き
伏
(
ふせ
)
られ已に一命も危く見ゆる
故
(
ゆゑ
)
彼
(
かの
)
武士は立上り何は
兎
(
とも
)
あれ惜き若者見殺しにするも
情
(
なさけ
)
なし
率
(
いざ
)
助
(
たす
)
けて呉んと
鍛
(
きた
)
え上たる
鐵
(
てつ
)
の
禪杖
(
ぜんぢやう
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「ええ……」と、内侍もやや頬の
解
(
ほぐ
)
れをみせて「武者のお家はおろか、世間のことも、何一つようぞんじてはおりませぬ」
私本太平記:10 風花帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と或る場合に対する異常な決意を
仄
(
ほのめ
)
かせて、滝人はきっと唇を噛んだ。しかし、その硬さが急に
解
(
ほぐ
)
れていって、彼女の眼にキラリと
紅
(
あか
)
い光が
瞬
(
またた
)
いた。
白蟻
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
おつぎは
勘次
(
かんじ
)
が
起
(
おこ
)
した
塊
(
かたまり
)
を一つ/\に
萬能
(
まんのう
)
の
脊
(
せ
)
で
叩
(
たゝ
)
いてさらりと
解
(
ほぐ
)
して
平
(
たひら
)
にならして
居
(
ゐ
)
る。
輕鬆
(
けいしよう
)
な
土
(
つち
)
から
凝集
(
こゞ
)
つて
居
(
ゐ
)
た
塊
(
かたまり
)
は
解
(
ほぐ
)
せば
直
(
すぐ
)
に
吹
(
ふ
)
き
拂
(
はら
)
はれた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
ふと、もう一つの悪い方の丸帯を
解
(
ほぐ
)
して表にして、青木さんの夏のお蒲団を拵へてお上げしようかと思ひ附く。
桑の実
(新字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
沈黙はどちらからともなく
解
(
ほぐ
)
れ、お茂登はいかにも助け合って商売をして来た総領息子に向う口調で
その年
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
わたくしは朝から無暗に笑いたくって仕様がないので、お朝をその相手にしようと思って、さっきから色々に誘いかけるのですが、お朝はどうしても
口脣
(
くちびる
)
を
解
(
ほぐ
)
しませんでした。
三浦老人昔話
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
それからそれへと纏まりのない思想の断片が脳中を
組
(
く
)
んず
解
(
ほぐ
)
れつした。
The Affair of Two Watches
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
荊
(
いばら
)
の実は又
頻
(
しきり
)
に飛ぶ、
記念
(
かたみ
)
の
衣
(
きぬ
)
は左右より、
衣紋
(
えもん
)
がはら/\と寄つては
解
(
と
)
け、
解
(
ほぐ
)
れては
結
(
むす
)
ぼれ、
恰
(
あたか
)
も糸の乱るゝやう、翼裂けて
天女
(
てんにょ
)
の
衣
(
ころも
)
、
紛々
(
ふんふん
)
として大空より
降
(
ふ
)
り
来
(
く
)
るばかり、其の胸の
反
(
そ
)
る時や
二世の契
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
主『鮒は、大きくなると、皆
此様
(
こん
)
な風になるです。そして、泥川のと違ひ、鱗に
胡麻班
(
ごまぶち
)
など付いてなくて、青白い銀色の光り、そりやア美しいです。話し
許
(
ばか
)
りじやいかんから、君
解
(
ほぐ
)
してくれ給へ。』
元日の釣
(新字旧仮名)
/
石井研堂
(著)
解
(
ほぐ
)
れる樣に語るお秀、それを迎へて平次は優しく
促
(
うなが
)
しました。
銭形平次捕物控:123 矢取娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
七兵衛は身仕度を
解
(
ほぐ
)
しはじめる。
大菩薩峠:07 東海道の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
手と膝と胸とで、朱実は体を
山茶花
(
さざんか
)
の
蕾
(
つぼみ
)
みたいに固くむすんでいた。八十馬はどうかしてこの筋肉の抵抗をことばで
解
(
ほぐ
)
させようとするのだった。
宮本武蔵:04 火の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ああ、
もの云う表象
(
テル・テール・シムボル
)
。——とは何であろうか。その
解
(
ほぐ
)
れきれない霧のようなものは、妙に筋肉が硬ばり、血が凍りつくような空気を作ってしまった。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
私は
先刻
(
さつき
)
まで彼女が仕かけてゐた乏しい
解
(
ほぐ
)
し物が束ねてあるのを寂しく見守りながら、自分のやうな男の妻になつた彼女の運命を、憫れと思ふ事も度々あつた。
金魚
(旧字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
という意味がこの手紙の書きだしで、
流麗
(
りゅうれい
)
な女の
手跡
(
しゅせき
)
が、順に
解
(
ほぐ
)
れゆくに従って、万吉の眼底異様な光を帯びてきた。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
主婦さんは、ひつそりした帳場で、物馴れないやうな年の入つた下女とたつた二人で
解
(
ほぐ
)
し物なぞをした。
赤い鳥
(旧字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
と
華奢
(
きゃしゃ
)
な指に、一筋髪を摘まんで、輪になったそれを
解
(
ほぐ
)
しながら
紅毛傾城
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
幼少の頃よくやった
狆
(
ちん
)
コロの喧嘩みたいに、どっちの手も、首の根を
把
(
と
)
ったり、襟もとをつかまえて、そのままいつまで、
解
(
ほぐ
)
れようともしなかった。
私本太平記:02 婆娑羅帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
片づけてこちらへ来て、序に帯を
解
(
ほぐ
)
しにかゝる。やつぱり軽い糊を附けてちやんとしなければならないから、縫ふのはあすの
午後
(
ひるから
)
でなくては出来さうにもなかつた。
桑の実
(新字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
妙に緊迫していた空気が、偶然そこで
解
(
ほぐ
)
れてしまった。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
「何かと、お世話でござった。それでは早速、拙者もその奈良井の大蔵とかを、尋ねて参ろう。——お蔭で
微
(
かす
)
かながら、
緒口
(
いとぐち
)
の
解
(
ほぐ
)
れて来た心地がする」
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
宗仁の書面は彼の指に
解
(
ほぐ
)
れた。極めて短文であり、また非常な走り書である。——が、一読
卒然
(
そつぜん
)
として、秀吉の
頸
(
えり
)
もとの毛は、燈火にそそけ立っていた。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
正成は、唇をむすんで、やがて、そのおもてにあった戦場いらいの硬ばったものを、自然な微笑に
解
(
ほぐ
)
していた。
私本太平記:08 新田帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
牛が仆れると、燃えていた車蓋は、紅い
花車
(
はなぐるま
)
が崩れるように、ぐわらぐわらと響きを立てて、
解
(
ほぐ
)
れてしまった。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と共に、あらゆる
飢寒
(
きかん
)
や
辛酸
(
しんさん
)
との闘いも心ゆるんで、骨も肉も、筋も、いちどにばらばらに
解
(
ほぐ
)
れるかのような気もちになり、どたっと、そこへ坐ってしまった。
大岡越前
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
武蔵と、伊織のあいだに、
誂
(
あつら
)
えておいた
蕎麦
(
そば
)
がもう来ていた。大きな
塗
(
ぬり
)
の蕎麦箱の中に、蕎麦の玉が六ツ並んでいて、その一山を、
箸
(
はし
)
で
解
(
ほぐ
)
しかけていた所である。
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
日吉もまた、一歩そこの土塀を出ると、青空の
碧
(
あお
)
さに心を吸われて、
解
(
ほぐ
)
れた気持のほか何もなかった。
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
解
常用漢字
小5
部首:⾓
13画
“解”を含む語句
了解
弁解
理解
解剖
辯解
雪解
解放
誤解
解釈
言解
解脱
解釋
解決
溶解
引解
瓦解
諒解
絵解
御了解
方解石
...