“ほぐ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
82.3%
反古4.8%
3.2%
反故3.2%
捕具1.6%
1.6%
1.6%
1.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「東京の靴屋へ送りたいと思つて……」内田氏はくるみかけた小包をまたほぐして、そのなかから穿き減らした靴を取り出して見せた。
終に近く益すふるへる声は、つひ平生へいぜい調ちようをさへ失ひて聞えぬ。彼はまさしくその一言いちごんの為には幾千円の公正証書を挙げて反古ほぐに為んも、なかなかをしからぬ気色を帯びてせまれり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
そして葉子がビイルをいだりしているうちに、だんだん気分がほぐれて、社会面記者らしい気分のないこともうなずけて来た。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
踏絵もてためさるる日のしごとも歌反故ほぐいだき立てる火の前
柳原燁子(白蓮) (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
門のほうでは、はや部下たちが、槍、棒、刺叉さすまたなどの捕具ほぐを持って勢揃いし始めている。雷横もまた、颯爽さっそうと出ていった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一夜作りの屋根——樅の青枝を解きほぐして、焚火にゆらしてしまう、どんなに山が荒れても、この谷底まで退かない決心である、脂の臭いのする烟は
白峰山脈縦断記 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
前和歌山県知事川村竹治が何の理由なく国会や県会議員に誓うた約束をたちまちほぐして予の祖先来数百年奉祀し来った官知社を潰しひとえに熊楠をおこらせてよろこぶなどこの類で
うるさいほど沢山蠅の群が集つて、何処どこから塵埃ほこりと一緒に舞込んで来たかと思はれるやうに、鴨居だけばかりのところをんづほぐれつしたのであつた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)