反古ほぐ)” の例文
家を見て廻ると、あなた、驚くじゃありませんか、流し元の窓や、唐紙からかみの破れをつくろった反古ほぐをよくよく見ると、それがみんな一茶自筆の書捨てなんですよ。
大菩薩峠:23 他生の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
終に近く益すふるへる声は、つひ平生へいぜい調ちようをさへ失ひて聞えぬ。彼はまさしくその一言いちごんの為には幾千円の公正証書を挙げて反古ほぐに為んも、なかなかをしからぬ気色を帯びてせまれり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
もしか反古ほぐと間違っておたもとへでもおいれになりませんでしたろうか、一応お聞申します
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)