かつ)” の例文
かつ、戛、戛、石ころを蹴る馬のひづめに坂路はんろの急は度を加えてくる。たまたま、谷へ落ちてゆく石の響きはひどく大きい。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かつ々として響く鉄棍の音、碧落を縫ふ真白なボール、忽ち場の一隅から突如として異様なる応援の声が起つた。競技に酔つた観衆は驚いて眼をみはつた。
どんな無神経ものの眼にでも気がつかずにいない赤い三角形の蟇口はやすやすと細田氏の注視のまととなり、氏のきりの下駄はかつと鳴って、三角形蟇口の前に止りました。
三角形の恐怖 (新字新仮名) / 海野十三(著)
其石は丁度我等の頭の上の瓦に当つてかつと鳴つたと思ふと屋根を転げる音がして庭に落ちる。と思ふ間に又た第二の奴が気持よく頭上の瓦に当つて痛快に脳天に響く。と同時に歓声が門前で起る。
発行所の庭木 (新字旧仮名) / 高浜虚子(著)
どこかで、かつんッ——と、青竹を伐り仆した響きがしたと思うと、間もなく、一節ひとふしの切竹を持って帰って来た。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
周瑜は、そこへ使者を引き出させて、何か大声で罵っていたが、たちまち剣鳴けんめいかつ、首を打ち落して
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かつ、戛、戛——
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かつ。戛。戛……
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かつっ。ぱツん!
剣の四君子:02 柳生石舟斎 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かつ、戛、戛
私本太平記:07 千早帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かつ。戛。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かつ——
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)