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戞
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かつ
ふりがな文庫
“
戞
(
かつ
)” の例文
繋
(
つな
)
ぎ合せて肩を
蔽
(
おお
)
える
鋼鉄
(
はがね
)
の延板の、
尤
(
もっと
)
も外に向えるが二つに折れて肉に入る。吾がうちし太刀先は巨人の盾を
斜
(
ななめ
)
に
斫
(
き
)
って
戞
(
かつ
)
と鳴るのみ。……
幻影の盾
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
図書介の木剣を
戞
(
かつ
)
と叩き落したが、それと同時に自分の木剣もぽろっととり落した、「まいった」「まいった」二人はほとんど同時に叫んだが
薯粥
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
きょうはまぶしいほどに晴れた日で、わたしは
雲雀
(
ひばり
)
の歌を聴きながら、乗馬靴に調子を取って
戞
(
かつ
)
かつとあたる帯剣の音を聴きながら、牧場を乗りぬけて行きました。
世界怪談名作集:15 幽霊
(新字新仮名)
/
ギ・ド・モーパッサン
(著)
笑い興じていると、すぐ下の河原のふちで、
馬蹄
(
ひづめ
)
の音が、
戞
(
かつ
)
っ——と石に響いた。
篝火の女
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
盈々
(
なみなみ
)
と酒を
容
(
い
)
れたる二つの猪口は、彼等の目より高く挙げらるると
斉
(
ひとし
)
く
戞
(
かつ
)
と
相撃
(
あひう
)
てば、
紅
(
くれなゐ
)
の
雫
(
しづく
)
の漏るが如く流るるを、互に引くより早く
一息
(
ひといき
)
に飲乾したり。これを見たる佐分利は甘糟の膝を
揺
(
うごか
)
して
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
▼ もっと見る
戞
(
かつ
)
! と槍が相撃った、降る雪と、足下から舞いあがる雪とで、一瞬ふたりの姿は見えなくなり、次いで
足軽奉公
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「生きておるか」とシーワルドが剣で招けば、「死ぬところじゃ」とウィリアムが高く盾を翳す。右に
峙
(
そばだ
)
つ丸櫓の上より飛び来る矢が
戞
(
かつ
)
と夜叉の額を
掠
(
かす
)
めてウィリアムの足の下へ落つる。
幻影の盾
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
戞
(
かつ
)
、戞、戞、戞
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ごくしぜんに充分引き絞ると、ふっと射て放った。びゅっ、電光のように飛んでいった矢は、四寸の的のまんまん中に当って
戞
(
かつ
)
! みごとに矢竹半ばまで射抜いてしまった。
備前名弓伝
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
戞
(
かつ
)
と打つは石の上と心得しに、われより先に
斃
(
たお
)
れたる人の
鎧
(
よろい
)
の袖なり
薤露行
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
戞
漢検1級
部首:⼽
12画
“戞”を含む語句
戞々
戞然
戞矢
戞戞
剣鳴戞然
戞〻
戞合
戞戞戞
戞飛
摩戞