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擔
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かつ
ふりがな文庫
“
擔
(
かつ
)” の例文
新字:
担
鍬
(
くは
)
を
擔
(
かつ
)
いで
遺跡
(
ゐせき
)
さぐりに
歩
(
ある
)
き、
貝塚
(
かひづか
)
を
泥
(
どろ
)
だらけに
成
(
な
)
つて
掘
(
ほ
)
り、
其
(
その
)
掘出
(
ほりだ
)
したる
土器
(
どき
)
の
破片
(
はへん
)
を
背負
(
せお
)
ひ、
然
(
さ
)
うして
家
(
いへ
)
に
歸
(
かへ
)
つて
井戸端
(
ゐどばた
)
で
洗
(
あら
)
ふ。
探検実記 地中の秘密:01 蛮勇の力
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
彼
(
かれ
)
が
薦
(
こも
)
つくこを
擔
(
かつ
)
いで
歸
(
かへ
)
つて
來
(
き
)
た
時
(
とき
)
は
日向
(
ひなた
)
の
霜
(
しも
)
が
少
(
すこ
)
し
解
(
と
)
けて
粘
(
ねば
)
ついて
居
(
ゐ
)
た。お
品
(
しな
)
は
勘次
(
かんじ
)
が
一寸
(
ちよつと
)
の
間
(
ま
)
居
(
ゐ
)
なく
成
(
な
)
つたので
酷
(
ひど
)
く
寂
(
さび
)
しかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
サン やい、グレゴリー、
誓言
(
せいごん
)
ぢゃ、こちとらは
石炭
(
コール
)
なんぞは
擔
(
かつ
)
ぐまいぞよ、
假
(
かり
)
にも。(不面目な賤しい
仕事
(
しごと
)
なんぞはすまいぞよ)
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
續いて、ドツと立ち騷ぐ人垣、鳴物も踊り手も後見も、不意の出來事に驚きながらも、この美しい
犧牲
(
いけにへ
)
を、八方から
擔
(
かつ
)
きあげたのです。
銭形平次捕物控:315 毒矢
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「それで
一日
(
いちんち
)
幾何
(
いくら
)
出
(
だ
)
すと
置
(
お
)
いて
呉
(
く
)
れるんです」と
小六
(
ころく
)
が
聞
(
き
)
いた。「
鐵砲
(
てつぱう
)
でも
擔
(
かつ
)
いで
行
(
い
)
つて、
獵
(
れふ
)
でもしたら
面白
(
おもしろ
)
からう」とも
云
(
い
)
つた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
此日雲飛は
待
(
ま
)
ちに
待
(
ま
)
つた日が
來
(
き
)
たので
夜
(
よ
)
の
明方
(
あけがた
)
に
海岱門
(
かいたいもん
)
に
詣
(
まう
)
で見ると、
果
(
はた
)
して一人の
怪
(
あや
)
しげな男が
名石
(
めいせき
)
を
擔
(
かつ
)
いで
路傍
(
みちばた
)
に立て居るのを見た。
石清虚
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
鍬を
擔
(
かつ
)
いで野路を行く人は誰れであるかと、千代松は若い時から自慢の眼の、強い視力のまだ衰へぬのを試すやうにしてゐた。
天満宮
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
受し者なればお里のお豐は
洗濯
(
せんたく
)
をし又惣内の甚兵衞は
日傭
(
ひよう
)
に
駈歩行
(
かけあるき
)
手紙使
(
てがみづかひ
)
や
土
(
つち
)
こね
草履
(
ざうり
)
取又は
荷物
(
にもつ
)
を
擔
(
かつ
)
ぎ何事に依ず
追取稼
(
おつとりかせぎ
)
を爲し漸々其日を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
大祝賀會
(
だいしゆくがくわい
)
を
催
(
もよう
)
すとの
事
(
こと
)
、
其
(
その
)
仕度
(
したく
)
に
帆木綿
(
ほもめん
)
や、
檣
(
ほばしら
)
の
古
(
ふる
)
いのや、
倚子
(
いす
)
や、テーブルを
擔
(
かつ
)
ぎ
出
(
だ
)
して、
大騷
(
おほさわ
)
ぎの
最中
(
さいちう
)
。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
大きな金持のところへ
入
(
はい
)
つては、百兩二百兩といふ金をふんだくる。中には鐵砲を
擔
(
かつ
)
いで
入
(
はい
)
る者もあるといふ風で、
深川
(
ふかがは
)
の
木場
(
きば
)
や
淺草
(
あさくさ
)
の
藏前
(
くらまへ
)
で、非常に恐れた。
兵馬倥偬の人
(旧字旧仮名)
/
塚原渋柿園
、
塚原蓼洲
(著)
貧乏
(
びんぼう
)
なればこそ
蜆
(
しゞみ
)
を
擔
(
かつ
)
がせて、
此寒空
(
このさむそら
)
に
小
(
ちい
)
さな
足
(
あし
)
に
草鞋
(
わらじ
)
をはかせる
親心
(
おやこゝろ
)
、
察
(
さつ
)
して
下
(
くだ
)
されとて
伯母
(
おば
)
も
涙
(
なみだ
)
なり。
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
もう
此時
(
このとき
)
は、
人
(
ひと
)
が
御神輿
(
おみこし
)
を
擔
(
かつ
)
ぐのでない。
龍頭
(
りうとう
)
また
鷁首
(
げきしゆ
)
にして、
碧丹
(
へきたん
)
、
藍紅
(
らんこう
)
を
彩
(
いろど
)
れる
樓船
(
やかたぶね
)
なす
御神輿
(
おみこし
)
の
方
(
はう
)
が、います
靈
(
れい
)
とともに、
人
(
ひと
)
の
波
(
なみ
)
を
思
(
おも
)
ふまゝ
釣
(
つ
)
るのである。
祭のこと
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
みんなが
威勢
(
ゐせい
)
よく
水
(
みづ
)
を
汲
(
く
)
んだり
擔
(
かつ
)
いだりするのを
見
(
み
)
るのも
樂
(
たのし
)
く
思
(
おも
)
ひました。そればかりではありません。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
けれど、
實際
(
じつさい
)
はそれこそ
麻雀
(
マージヤン
)
が
人達
(
ひとたち
)
を
魅惑
(
みわく
)
する
面白
(
おもしろ
)
さなので、
誰
(
だれ
)
しも
少
(
すこ
)
しそれに
親
(
した
)
しんでくるといつとなくその
日
(
ひ
)
その
時
(
とき
)
の
縁起
(
えんぎ
)
まで
擔
(
かつ
)
ぐやうになるのも
愉快
(
ゆくわい
)
である。
麻雀を語る
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
信吾は好んで
其麽
(
そんな
)
問題を
擔
(
かつ
)
ぎ出し、對手に解らぬと知り乍ら六ヶ敷い哲學上の議論までする。氣をつけて聞けば、其謂ふ所に、或は一貫した思想も意見も無かつたかも知れぬ。
鳥影
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
するとアグレイアは彼の方へ飛んで行つて、叫ぶ、「とうちやん、ダムズをお家へ連れてつて。」彼は彼女を肩に
擔
(
かつ
)
ぎ上げて、矢張り粉挽の歌をうたひながら、路の向うの家へ歸つて行く。
水車のある教会
(旧字旧仮名)
/
オー・ヘンリー
(著)
天幕を
擔
(
かつ
)
いで
樹木とその葉:15 空想と願望
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
「文公、六助、久太——又
惡戯
(
わるさ
)
か。いくら貰つたか知らないが、止せ/\、そいつは人殺しの片棒だ。
迂濶
(
うくわつ
)
に
擔
(
かつ
)
ぐと命がねえぞ」
銭形平次捕物控:056 地獄から来た男
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
振分
(
ふりわ
)
けにして、
比較的
(
ひかくてき
)
輕
(
かる
)
さうなのを
余
(
よ
)
が
擔
(
かつ
)
いで
見
(
み
)
ると、
重
(
おも
)
いの
重
(
おも
)
くないのと、お
話
(
はなし
)
にならぬ。
肩骨
(
かたぼね
)
はメリ/\
響
(
ひゞ
)
くのである。
探検実記 地中の秘密:05 深大寺の打石斧
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
もう
幾人
(
いくにん
)
か
歩
(
ある
)
いた
後
(
あと
)
なので、
思
(
おも
)
ふやうには
捌
(
は
)
けなかつたがそれでも
勘次
(
かんじ
)
はお
品
(
しな
)
にひかされて、まだ
殘
(
のこ
)
つて
居
(
ゐ
)
る
蒟蒻
(
こんにやく
)
を
擔
(
かつ
)
いで
歸
(
かへ
)
つて
來
(
き
)
て
畢
(
しま
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
それで
直
(
す
)
ぐ
準備
(
じゆんび
)
をして、
下男
(
げなん
)
に
藥箱
(
くすりばこ
)
を
擔
(
かつ
)
がせ、
多田院
(
ただのゐん
)
からの
迎
(
むか
)
への
者
(
しや
)
を
先
(
さ
)
きに
立
(
た
)
てて、
玄竹
(
げんちく
)
はぶら/\と
北野
(
きたの
)
から
能勢街道
(
のせかいだう
)
を
池田
(
いけだ
)
の
方
(
はう
)
へ
歩
(
ある
)
いた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
これよと
仰
(
おほ
)
せらる、一しきり
終
(
おは
)
りての
午後
(
ひるすぎ
)
、お
茶
(
ちや
)
ぐわし
山
(
やま
)
と
擔
(
かつ
)
ぎ
込
(
こ
)
めば
大皿
(
おほさら
)
の
鐵砲
(
てつぽう
)
まき
分捕次第
(
ぶんどりしだい
)
と
沙汰
(
さた
)
ありて、
奧樣
(
おくさま
)
は
暫時
(
しばし
)
のほど二
階
(
かい
)
の
小間
(
こま
)
に
氣
(
き
)
づかれを
休
(
やす
)
め
給
(
たま
)
ふ
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
權勢家
(
けんせいか
)
某
(
なにがし
)
といふが居て
此
(
この
)
靈妙
(
れいめう
)
を
傳
(
つた
)
へ
聞
(
き
)
き、一
見
(
けん
)
を
求
(
もとめ
)
に
來
(
き
)
た、
雲飛
(
うんぴ
)
は
大得意
(
だいとくい
)
でこれを
座
(
ざ
)
に
通
(
とほ
)
して石を見せると、
某
(
なにがし
)
も大に
感服
(
かんぷく
)
して
眺
(
ながめ
)
て居たが
急
(
きふ
)
に
僕
(
ぼく
)
に
命
(
めい
)
じて石を
擔
(
かつ
)
がせ
石清虚
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
着せたる
漢
(
をとこ
)
六個
(
むたり
)
に
擔
(
かつ
)
がせ音羽へ至り路次口に
待
(
また
)
せ置つゝ進入り
昨日
(
きのふ
)
の
禮
(
れい
)
を
演
(
のべ
)
たる上
𫥇人
(
なかうど
)
を立て
良辰
(
よきひ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
何
(
なに
)
も
稼業
(
かげふ
)
なら
可
(
い
)
いではないか、
天秤棒
(
てんびんぼう
)
を
擔
(
かつ
)
いだつて
楫棒
(
かぢぼう
)
を
握
(
にぎ
)
つたつて、
誰
(
だれ
)
に、
何
(
なに
)
が
極
(
きま
)
りが
惡
(
わる
)
いね。
月夜車
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
その
點
(
てん
)
でとりわけ
物事
(
ものごと
)
に
縁起
(
えんぎ
)
を
擔
(
かつ
)
ぐ
支那人
(
しなじん
)
が
如何
(
いか
)
に
苦心
(
くしん
)
焦慮
(
せうりよ
)
するかはいろいろ
語
(
かた
)
られてゐることだが、
全
(
まつた
)
く
外
(
ほか
)
のことでは
如何
(
いか
)
なる
擔
(
かつ
)
ぎ
屋
(
や
)
でもない
僕
(
ぼく
)
が
麻雀
(
マージヤン
)
の
日
(
ひ
)
となると
麻雀を語る
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
『それ、
此
(
この
)
間
(
ま
)
に。』と
武村兵曹
(
たけむらへいそう
)
は
紀念塔
(
きねんたふ
)
を
擔
(
かつ
)
いで
走
(
はし
)
り
出
(
で
)
たので、
一同
(
いちどう
)
も
續
(
つゞ
)
いて
車外
(
しやぐわい
)
に
跳
(
をど
)
り
出
(
い
)
で、
日出雄少年
(
ひでをせうねん
)
は
見張
(
みはり
)
の
役
(
やく
)
、
私
(
わたくし
)
は
地
(
つち
)
を
掘
(
ほ
)
る、
水兵
(
すいへい
)
は
石
(
いし
)
を
轉
(
まろ
)
ばす、
武村兵曹
(
たけむらへいそう
)
は
無暗
(
むやみ
)
に
叫
(
さけ
)
ぶ
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
大桶を二つ
擔
(
かつ
)
いで、お定は
村端
(
むらはづれ
)
の樋の口といふ水汲場に行つた。
天鵞絨
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
擔
(
かつ
)
ぎ出し、不忍の池へ投り込めるわけはねえ。お吉は間違ひもなく水を呑んでゐるから、池へ投り込まれる前は生きてゐた筈だ
銭形平次捕物控:158 風呂場の秘密
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
お
光
(
みつ
)
はと振り返へると、横の
徑
(
こみち
)
から
鍬
(
くは
)
を
擔
(
かつ
)
いで來た百姓に小腰を
屈
(
かゞ
)
めつゝ、物を
訊
(
き
)
いてゐたが、やがて嬉しさうな顏をして小走りに小池に追ひ付き
東光院
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
「どうしたもんだかな、
俺
(
おれ
)
でも
擔
(
かつ
)
いて
歩
(
ある
)
つてんべかな、
恁
(
かう
)
して
置
(
お
)
いたんぢや
仕
(
し
)
やうねえかんな」お
品
(
しな
)
へ
相談
(
さうだん
)
して
見
(
み
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
然
(
さ
)
れば
平日
(
ひごろ
)
然
(
さ
)
までに
臆病
(
おくびやう
)
ならざる
輩
(
はい
)
も、
船出
(
ふなで
)
の
際
(
さい
)
は
兎
(
と
)
や
角
(
かく
)
と
縁起
(
えんぎ
)
を
祝
(
いは
)
ひ、
御幣
(
ごへい
)
を
擔
(
かつ
)
ぐも
多
(
おほ
)
かり。
旅僧
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
表
(
おもて
)
の
鹽物
(
しほもの
)
やが
野郎
(
やらう
)
と一
處
(
しよ
)
に、
蜆
(
しゞみ
)
を
買
(
か
)
ひ
出
(
だ
)
しては
足
(
あし
)
の
及
(
およ
)
ぶだけ
擔
(
かつ
)
ぎ
廻
(
まわ
)
り、
野郎
(
やらう
)
が八
錢
(
せん
)
うれば十
錢
(
せん
)
の
商
(
あきなひ
)
ひは
必
(
かな
)
らずある、一つは
天道
(
てんたう
)
さまが
奴
(
やつこ
)
の
孝行
(
かう/\
)
を
見徹
(
みとほ
)
してか、
兎
(
と
)
なり
角
(
かく
)
なり
藥代
(
くすりだい
)
は三が
働
(
はたら
)
き
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
今日
(
けふ
)
は
天氣
(
てんき
)
が
快
(
い
)
いからとて、
幻花子
(
げんくわし
)
が
先導
(
せんだう
)
で、
狹衣
(
さごろも
)
、
活東
(
くわつとう
)
、
望蜀
(
ばうしよく
)
の三
子
(
し
)
が、
鍬
(
くわ
)
を
擔
(
かつ
)
いで
權現臺
(
ごんげんだい
)
に
先發
(
せんぱつ
)
した。
後
(
あと
)
から
余
(
よ
)
も
行
(
い
)
つて
見
(
み
)
ると、
養鷄所
(
やうけいじよ
)
の
裏手
(
うらて
)
の
萱原
(
かやはら
)
の
中
(
なか
)
を、四
人
(
にん
)
て
連
(
しき
)
りに
掘散
(
ほりち
)
らして
居
(
ゐ
)
る。
探検実記 地中の秘密:02 権現台の懐古
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
急ぐ物から
大家
(
たいけ
)
の事ゆゑ
出入
(
でいり
)
の者まで萬事行屆かする其爲に支度に
掛
(
かゝり
)
て日を送りまだ當日さへ
定
(
さだ
)
めざりけり
偖
(
さて
)
も此方は
裏店
(
うらだな
)
に
開闢
(
かいびやく
)
以來
(
いらい
)
見し事なき釣臺三荷の結納物を
擔
(
かつ
)
ぎ入ける
爲體
(
ていたらく
)
に長家の者は目を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
塔
(
たう
)
を
擔
(
かつ
)
いで
來
(
き
)
た
武村兵曹
(
たけむらへいそう
)
は
息
(
いき
)
を
切
(
き
)
らしながら
大佐
(
たいさ
)
に
向
(
むか
)
ひ
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
多勢の彌次馬は、此時
漸
(
やうや
)
く氣がついたやうに、
母娘
(
おやこ
)
二人に手を貸して、死骸をあまり遠くないお樂の茶店に
擔
(
かつ
)
ぎ込みました。
銭形平次捕物控:066 玉の輿の呪
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
蝙蝠傘
(
かうもりがさ
)
を
擔
(
かつ
)
ぐやうにして、お光は肩で息をしてゐた。薄鼠の
絽縮緬
(
ろちりめん
)
の
羽織
(
はおり
)
は、
脱
(
ぬ
)
いで手に持つてゐた。
東光院
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
昨日
(
きのふ
)
も
川田
(
かはだ
)
やが
店
(
みせ
)
でおちやつぴいのお六めと
惡戲
(
ふざけ
)
まわして、
見
(
み
)
たくもない
往來
(
わうらい
)
へまで
擔
(
かつ
)
ぎ
出
(
だ
)
して
打
(
う
)
ちつ
打
(
う
)
たれつ、あんな
浮
(
う
)
いた
了簡
(
りようけん
)
で
末
(
すゑ
)
が
遂
(
と
)
げられやうか、まあ
幾歳
(
いくつ
)
だとおもふ三十は
一昨年
(
おとゝし
)
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
……そして
車
(
くるま
)
に
着
(
つ
)
いた
商人
(
あきんど
)
の、
一人々々
(
ひとり/\
)
、
穗長
(
ほなが
)
の
槍
(
やり
)
を
支
(
つ
)
いたり、
擔
(
かつ
)
いだりして
行
(
ゆ
)
く
形
(
かたち
)
が、ぞろ/\
影
(
かげ
)
のやうに
黒
(
くろ
)
いのに、
椰子
(
やし
)
の
樹
(
き
)
の
茂
(
しげ
)
つた
上
(
うへ
)
へ、どんよりと
黄色
(
きいろ
)
に
出
(
で
)
た、
月
(
つき
)
の
明
(
あかり
)
で、
白刃
(
しらは
)
ばかりが
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
玄子
(
げんし
)
は
器具
(
きぐ
)
など
擔
(
かつ
)
ぎ、
鶴見
(
つるみ
)
にて
電車
(
でんしや
)
を
降
(
お
)
り、
徒歩
(
とほ
)
にて
末吉
(
すゑよし
)
に
著
(
つ
)
いた。
探検実記 地中の秘密:07 末吉の貝塚
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
平次のさう言ふ顏色を讀むと、ガラツ八はつい目と鼻の先の物置に飛んで行つて、三間
梯子
(
ばしご
)
を輕々と引つ
擔
(
かつ
)
いで來ました。
銭形平次捕物控:153 荒神箒
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
玄竹
(
げんちく
)
の
藥箱
(
くすりばこ
)
は
可
(
か
)
なり
重
(
おも
)
いものであつた。これは
玉造
(
たまつくり
)
の
稻荷
(
いなり
)
の
祭禮
(
さいれい
)
に
御輿
(
みこし
)
擔
(
かつ
)
いだ
町
(
まち
)
の
若
(
わか
)
い
衆
(
しう
)
がひどい
怪我
(
けが
)
をした
時
(
とき
)
玄竹
(
げんちく
)
が
療治
(
れうぢ
)
をしてやつたお
禮
(
れい
)
に
貰
(
もら
)
つたものであつた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
今日
(
けふ
)
よりは
私
(
わたし
)
も
家
(
うち
)
に
歸
(
かへ
)
りて
伯父樣
(
おぢさま
)
の
介抱
(
かいほう
)
活計
(
くらし
)
の
助
(
たす
)
けもしまする、
知
(
し
)
らぬ
事
(
こと
)
とて
今朝
(
けさ
)
までも
釣瓶
(
つるべ
)
の
繩
(
なわ
)
の
氷
(
こほり
)
を
愁
(
つ
)
らがつたは
勿躰
(
もつたい
)
ない、
學校
(
がくかう
)
ざかりの
年
(
とし
)
に
蜆
(
しゞみ
)
を
擔
(
かつ
)
がせて
姉
(
あね
)
が
長
(
なが
)
い
着物
(
きもの
)
きて
居
(
ゐ
)
らりようか
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
あたりは
蝙蝠傘
(
かうもりがさ
)
を
引
(
ひ
)
つ
擔
(
かつ
)
いで、や
聲
(
ごゑ
)
を
掛
(
か
)
けて、
卍巴
(
まんじともえ
)
を、
薙立
(
なぎた
)
て
薙立
(
なぎた
)
て
驅出
(
かけだ
)
した。
三里
(
さんり
)
の
山道
(
やまみち
)
、
谷間
(
たにま
)
の
唯
(
たゞ
)
破家
(
やぶれや
)
の
屋根
(
やね
)
のみ、
鷲
(
わし
)
の
片翼
(
かたつばさ
)
折伏
(
をれふ
)
した
状
(
さま
)
なのを
見
(
み
)
たばかり、
人
(
ひと
)
らしいものの
影
(
かげ
)
もなかつたのである。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
それで
一先
(
ひとま
)
づそれを、
雜木林
(
ざふきばやし
)
の
中
(
なか
)
へ
擔
(
かつ
)
ぎ
込
(
こ
)
んで。
探検実記 地中の秘密:05 深大寺の打石斧
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
「その上文句も、小唄の文句のやうで、身につまされるところはないぢやないか。お前が
擔
(
かつ
)
がれたんでなきや、辰三が一杯喰はされたに違ひない」
銭形平次捕物控:307 掏られた遺書
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
舟
(
ふね
)
がまた一
間半
(
けんはん
)
ばかり
岸
(
きし
)
を
離
(
はな
)
れた
時
(
とき
)
、
玄竹
(
げんちく
)
は
下男
(
げなん
)
を
促
(
うなが
)
して
兩掛
(
りやうが
)
けを
擔
(
かつ
)
がせ、
大急
(
おほいそ
)
ぎで
岸
(
きし
)
へ
駈
(
か
)
け
付
(
つ
)
けて
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
太吉
(
たきち
)
は
何時
(
いつ
)
しか
臺
(
だい
)
より
飯櫃
(
めしびつ
)
取
(
とり
)
おろして、よつちよいよつちよいと
擔
(
かつ
)
ぎ
出
(
だ
)
す、
坊主
(
ぼうず
)
は
我
(
お
)
れが
傍
(
そば
)
に
來
(
こ
)
いとて
頭
(
つむり
)
を
撫
(
な
)
でつゝ
箸
(
はし
)
を
取
(
と
)
るに、
心
(
こゝろ
)
は
何
(
なに
)
を
思
(
おも
)
ふとなけれど
舌
(
した
)
に
覺
(
おぼ
)
えの
無
(
な
)
くて
咽
(
のど
)
の
穴
(
あな
)
はれたる
如
(
ごと
)
く
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「
呆
(
あき
)
れた野郎だ——抱くと言つて惡きや、ちよいと
擔
(
かつ
)
いで見るが宜い。そいつを二三十動かすにはどんな力が要るか」
銭形平次捕物控:248 屠蘇の杯
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“擔(
担
)”の解説
担(たん dàn、本来は擔)は、中国の伝統的な質量の単位である。
1担は100斤と定義されているが、1斤の定義が国によって異なるため、1担の大きさもそれによって異なる。中国大陸の市制ではちょうど50 kg、香港では60.478982 kg、台湾の台制では日本の尺貫法に従い、ちょうど60 kgとなる。
(出典:Wikipedia)
擔
部首:⼿
16画
“擔”を含む語句
引擔
荷擔
負擔
加擔
擔荷
荷擔夫
擔任
擔當
分擔
加擔人
擔込
御幣擔
擔入
擔具
擔引
證擔