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靈妙
見る間に
何十
個といふヘボ石の
行列が出來た。けれども
靈妙なる石は
遂に
影をも見せないので
流石の
權勢家も
一先搜索を中止し、
懸賞といふことにして
家に
歸つた。
權勢家某といふが居て
此靈妙を
傳へ
聞き、一
見を
求に
來た、
雲飛は
大得意でこれを
座に
通して石を見せると、
某も大に
感服して
眺て居たが
急に
僕に
命じて石を
擔がせ
下界の
物としては
餘り
靈妙じい! あゝ、あの
姫が
餘の
女共に
立交らうてゐるのは、
雪はづかしい
白鳩が
鴉の
群に
降りたやう。
更に
何か
一種宛靈妙じい
殊なる
效能のある千
種萬
種を
吸出だす。