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勝
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かつ
ふりがな文庫
“
勝
(
かつ
)” の例文
下っ引の
勝
(
かつ
)
が飛んで来ました。
鋳掛勝
(
いかけかつ
)
という中年男で、乾し固めたような小さい身体ですが、ガラッ八などよりは物事が
敏捷
(
びんしょう
)
に運びます。
銭形平次捕物控:080 捕物仁義
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
勝
(
かつ
)
と思って戦争をして負けて騒ぐのもその通り、負けたらこうして盛り返すという最後の策を定めなければうっかり戦争も出来ない訳だ。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
其日
(
そのひ
)
は
風
(
かぜ
)
が強く
吹
(
ふ
)
いた。
勝
(
かつ
)
は
苦
(
くる
)
しさうに、
前
(
まへ
)
の
方
(
ほう
)
に
曲
(
こゞ
)
んで
馳
(
か
)
けた。
乗
(
の
)
つてゐた代助は、二重の
頭
(
あたま
)
がぐる/\回転するほど、
風
(
かぜ
)
に吹かれた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
殺さば殺さるゝ其條目は
脱
(
のが
)
れ難し如何はせんと計りにて
霎時
(
しばし
)
思案
(
しあん
)
に
暮
(
くれ
)
たるがやう/\思ひ
附
(
つく
)
ことありてや
一個
(
ひとり
)
點頭
(
うなづき
)
有司
(
いうし
)
に命じ庄兵衞の母お
勝
(
かつ
)
。
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「
勝
(
かつ
)
は何處も見物なぞしたうない。東京へ行つても寄宿舍の内にぢつとしてゐて、休日にも外へは出まいと思ふとるの。」
入江のほとり
(旧字旧仮名)
/
正宗白鳥
(著)
▼ もっと見る
只内の裏に、藩の時に
小人
(
こびと
)
と云ったものが住んでいて、その娘に同年位なのがいた。名は
勝
(
かつ
)
と云った。小さい
蝶々髷
(
ちょうちょうまげ
)
を結っておりおり内へ遊びに来る。
ヰタ・セクスアリス
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
勝
(
かつ
)
先生なんぞも
裏小路
(
うらこうじ
)
の小さな家にくすぶっておいでの時節ですからね、五千石の私どもに三人
扶持
(
ぶち
)
はもったいないわけですが、しかし恥ずかしいお話ですが
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
……それに、
勝
(
かつ
)
安房守
(
あわのかみ
)
様より
下渡
(
さげわた
)
された五千両の軍用金で、銃器商大島屋善十郎から、鉄砲、大砲を買取り、鎮撫隊の隊士一同、一人のこらず所持しておる、大丈夫じゃ。
甲州鎮撫隊
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「おれが
爺
(
じじい
)
になったとき。そのときは、この子も大きゅうなっとるぞ。……そうじゃ。
勝
(
かつ
)
、という字を入れた名にしてやろ。……勝、勝、……勝、何がええかのう?……」
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
弟 (腕を振り廻して)あゝ、あゝ、あゝ! 行つた行つた、
勝
(
かつ
)
て! 阪井さん勝て!
疵だらけのお秋
(新字旧仮名)
/
三好十郎
(著)
「
勝
(
かつ
)
ちやん、見においでよ。わたしの家に鹿の仔がゐるよ、ほんとの鹿の仔ッ。」
良寛物語 手毬と鉢の子
(新字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
お
勝
(
かつ
)
という台所を仕切っていられる婦人も笑い出し、「幸さん、ご
馳走様
(
ちそうさま
)
……」などいい出して、いかにも容子が変であるから、一体、このおそばはどうしたのですと、また問いますと
幕末維新懐古談:17 猫と鼠のはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
或
(
ある
)
者は猟銃を撃った。散弾が轟然として
四辺
(
あたり
)
に
迸
(
ほとばし
)
ると、頑強の敵も
流石
(
さすが
)
に
胆
(
きも
)
を
挫
(
ひし
)
がれたらしい、
踵
(
くびす
)
を
旋
(
かえ
)
してばらばらと逃げ出した。巡査等は
勝
(
かつ
)
に乗って追い詰めると、穴は
漸
(
ようや
)
く広くなった。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
あだ名を
野伏
(
のぶせ
)
ノ
勝
(
かつ
)
というわかい男は、もう馬を引き出していた。後は総勢であったが、袴野ノ麿はおれが行かなくともよかろうといった。すると切株の上の女はあたしも行くといい、立ち上った。
舌を噛み切った女:またはすて姫
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
それを
思
(
おも
)
ふと
私
(
わたし
)
の
爲
(
ため
)
に
仇敵
(
あだ
)
といふ
人
(
ひと
)
は
一人
(
ひとり
)
も
無
(
な
)
くて、あの
輕忽
(
そゝくさ
)
とこましやくれて
世間
(
せけん
)
へ
私
(
わたし
)
の
身
(
み
)
のあらを
吹聽
(
ふいちやう
)
して
歩
(
ある
)
いたといふ
小間
(
こま
)
づかひの
早
(
はや
)
も、
口返答
(
くちへんたふ
)
ばかりして
役
(
やく
)
たゝずであつた
御飯
(
ごはん
)
たきの
勝
(
かつ
)
も
この子
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
勝
(
かつ
)
のような滅法界の智者はいる、山岡鉄太郎がどうとか、
松岡万
(
まつおかよろず
)
がこうとか、中条なにがしがああのと言うけれど、皆、分別臭い、問答無用でやっつける奴がいない、皆、利口者になり過ぎている
大菩薩峠:37 恐山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
二
下総
(
しもふさ
)
の国
葛飾郡
(
かつしかのこほり
)
真間
(
まま
)
の
郷
(
さと
)
に、
勝
(
かつ
)
四郎といふ男ありけり。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
どうも
火星
(
くわせい
)
の病人とは
勝
(
かつ
)
手がちがひますね
小熊秀雄全集-22:火星探険―漫画台本
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
「とにかく、
勝
(
かつ
)
には勝った」
白銀の失踪
(新字新仮名)
/
アーサー・コナン・ドイル
(著)
勝
(
かつ
)
では
可
(
よ
)
い!
春昼後刻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
すると、そこに兄の車を引く
勝
(
かつ
)
と云うのがいた。ちゃんと、
護謨輪
(
ゴムわ
)
の車を玄関へ横付にして、
叮嚀
(
ていねい
)
に御辞義をした。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
枳園の妻は
後々
(
のちのち
)
までも、衣服を欲するごとに五百に請うので、お
勝
(
かつ
)
さんはわたしの支度を無尽蔵だと思っているらしいといって、五百が歎息したことがある。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
仕掛るに隱居は
兎角
(
とかく
)
不機嫌
(
ふきげん
)
故
(
ゆゑ
)
手持不沙汰
(
てもちぶさた
)
に其日は
立歸
(
たちかへ
)
りしが彦兵衞は
如才
(
じよさい
)
なき男なれば偖佐竹樣の
勝
(
かつ
)
た所を
悦
(
よろこ
)
び
負
(
まけ
)
た所を
嫌
(
いや
)
がるは何か
謂
(
いは
)
れ有るべしと思ひ
翌日
(
よくじつ
)
は馬喰町の米屋へ
立寄
(
たちより
)
小間物を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
すると、そこに
兄
(
あに
)
の
車
(
くるま
)
を
引
(
ひ
)
く
勝
(
かつ
)
と云ふのがゐた。ちやんと、
護謨
(
ごむ
)
輪の
車
(
くるま
)
を玄関へ
横付
(
よこづけ
)
にして、叮嚀に御辞義をした。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
枳園は阿部家を
逐
(
お
)
われて、祖母、母、妻
勝
(
かつ
)
、生れて三歳の
倅
(
せがれ
)
養真の四人を伴って
夜逃
(
よにげ
)
をしたのである。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
止
(
やめ
)
て
厚
(
あつ
)
く庄兵衞が
跡
(
あと
)
を
吊
(
とむら
)
ふ可し元益は又其母勝こと
年
(
とし
)
寄
(
より
)
て
相續人
(
さうぞくにん
)
の庄兵衞に
死別
(
しにわか
)
れ然こそ
便
(
びん
)
なく思ふ可ければ元益は
醫業
(
いげふ
)
を
廢
(
はい
)
して
更
(
さら
)
に音羽町の町役人となり庄兵衞の
跡
(
あと
)
を相續して
母
(
はゝ
)
勝
(
かつ
)
に
孝養
(
かうやう
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
代助は奥へ
這入
(
はい
)
つた。
婆
(
ばあ
)
さんを呼んで
着物
(
きもの
)
を出させやうと思つたが、腹の痛むものを
使
(
つか
)
ふのが
厭
(
いや
)
なので、自分で簟笥の
抽出
(
ひきだし
)
を
掻
(
か
)
き
回
(
まは
)
して、急いで
身支度
(
みじたく
)
をして、
勝
(
かつ
)
の
車
(
くるま
)
に乗つて
出
(
で
)
た。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
抽斎の友森
枳園
(
きえん
)
が佐々木氏
勝
(
かつ
)
を娶って、始めて家庭を作ったのも天保四年で、抽斎が弘前に往った時である。これより先枳園は文政四年に
怙
(
こ
)
を喪って、十五歳で形式的の家督相続をなした。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
枳園は前年辛未の夏実子
約之
(
やくし
)
を失ひ、冬
妻
(
さい
)
勝
(
かつ
)
を失ひ、家を養嗣子亀三郎に託して此遊の途に上つたのである。枳園の此遊には必ず詩文があつたであらう。しかし一として世に伝はつたものが無い。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
「
勝
(
かつ
)
さんはいないかしら」
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
勝
常用漢字
小3
部首:⼒
12画
“勝”を含む語句
勝負
勝手
殊勝
打勝
勝利
景勝
勝田
遠慮勝
自分勝手
御勝手
勝手口
勝敗
勝山
厭勝
大勝利
勝者
入勝橋
有勝
勝手元
勝手許
...