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荷
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かつ
ふりがな文庫
“
荷
(
かつ
)” の例文
所の猟師よりももっと詳しく知り尽していたという事で……気が向くと夜よなかでもサッサと支度して、鉄砲を
荷
(
かつ
)
いで出て行くので
復讐
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
標準に
拘泥
(
こうでい
)
することなかれ。手前勘の理想を
荷
(
かつ
)
ぎまはることなかれ。
嗜好
(
しかう
)
にあやまたるゝことなかれ。演繹的なることなかれ。
柵草紙の山房論文
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
四尺四方もある大きな
早桶
(
はやおけ
)
を
荷
(
かつ
)
いで、跡から
龕灯
(
がんどう
)
を照しました
武士
(
さむらい
)
が一人附きまして、頭巾
面深
(
まぶか
)
にして眼ばかり出して、様子は分りませんがごた/\這入って来ました。
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
それから二人でベンチへ隣り合せに腰を掛けていると、だんだん
停車場
(
ステーション
)
へ人が寄ってくる。大抵は
田舎者
(
いなかもの
)
である。中には長蔵さんのような
袢天
(
はんてん
)
兼
(
けん
)
どてらを着た上に、
天秤棒
(
てんびんぼう
)
さえ
荷
(
かつ
)
いだのがある。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
いくらたたいても誰も来ないので、変に思って下へ降りて来ますと、大きな風呂敷包みを
荷
(
かつ
)
いだ一人のお爺さんを捕まえて、みんなで
豚吉とヒョロ子
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
三鳥山人
(著)
▼ もっと見る
森「来ました、驚きましたねえ、酒を一樽
荷
(
かつ
)
いで来て旦那に上げてくれって来ました」
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
頬冠りしたる
彼
(
か
)
の馬十、鍬を
荷
(
かつ
)
ぎてわが居る方丈の
背面
(
うしろ
)
に来り、
彼
(
か
)
の梅の古木の根方を丸く輪形に耕して、豆のやうなる種子を蒔き居り。
白くれない
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
彼も記者と同じようにペンを
荷
(
かつ
)
いだ職人で、都会カブレをしなければ飯の喰えない人種である……赤ゲットを尊敬は出来るが
街頭から見た新東京の裏面
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
それからもし運動会がなかった時の用心に昨日次の日の時間割に合わして本を詰めて置いた鞄を
荷
(
かつ
)
いで、学校に行きました。
寝ぼけ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
私がここまで
荷
(
かつ
)
いで来て解いて上げたのです……サアこれで私のお話はおしまいです。今度はあなたがお話しをなさる番です
オシャベリ姫
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
かぐつちみどり
(著)
一方、気が狂った紅木大臣は、
濃紅
(
こべに
)
姫の死骸を
荷
(
かつ
)
いだまま、一息に廊下をかけ抜けて、馬にも乗らず真一文字に、自分の
家
(
うち
)
に帰り着きました。
白髪小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
そうすると、見るみるうちにリイの足は岩の上から離れて、刀と鉄砲を
荷
(
かつ
)
いだまま月の世界の方へ飛んでゆきました。
奇妙な遠眼鏡
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
香倶土三鳥
(著)
……
亜歴山
(
アレキサンドル
)
大王はアラビヤ人を亡ぼすために、黒死病患者の屍体を
荷
(
かつ
)
いだ人夫を連れて行って、メッカの町の辻々でその人夫を一人ずつ
斬倒
(
きりた
)
おさせた。
悪魔祈祷書
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
と云ううちに、袖をふり切って表に飛び出して、荷物を
荷
(
かつ
)
いで車力を引きながらドンドン駈け出してゆきました。
豚吉とヒョロ子
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
三鳥山人
(著)
早くも起き出でし寺男と
思
(
おぼ
)
しく、骨格逞ましく、全身に
黥
(
いれずみ
)
したる中老人が竹箒を
荷
(
かつ
)
ぎて本堂の前を浄め居り。
白くれない
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
自警団やその他のやり口にかぶれたものかどうか知らぬが、団体を組んで長い物をふりまわしたり、又は焼け残りの刀剣類を
荷
(
かつ
)
いだりして喧嘩をしてまわった。
東京人の堕落時代
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
と云いながら直ぐ
傍
(
そば
)
の石作りの門の中に這入ったが、やがて大きな袋と
箒
(
ほうき
)
を持って来てすっかり銀杏の葉をその中へ
掃
(
は
)
き
込
(
こ
)
んで、どこかへ
荷
(
かつ
)
いで行く様子である。
白髪小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
そうしてそのまんま地びたの上にソッと寝かして、足の処をシッカリとハンカチで
結
(
ゆわ
)
えるとヤットコサと
荷
(
かつ
)
ぎ上げながら、低い声でこんな事を云って聞かせたのよ。
支那米の袋
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
或る日のこと……思い出したように道具を
荷
(
かつ
)
いで
因幡町
(
いなばちょう
)
の恩師、浅川一柳斎の道場へ出かけた。
斬られたさに
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
その
中
(
うち
)
に美留女姫も一生懸命に走ってお爺さんに追い付いて、何を
為
(
す
)
るかと思うと、
懐
(
ふところ
)
から小さな
鋏
(
はさみ
)
を取り出して、お爺さんが
荷
(
かつ
)
いで行く袋の底を少しばかり切り破った。
白髪小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
あらん限りの苦労をした
揚句
(
あげく
)
、
鉋飴
(
かんなあめ
)
売りの商売を覚えて、
足高盥
(
あしだかだらい
)
を
荷
(
かつ
)
ぎ荷ぎ故郷へ帰って来たが、帰って来てみると故郷は皆死絶えたり零落してしまったりしてアトカタもない。
骸骨の黒穂
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
ところへ思いがけなく向うから
笊
(
ざる
)
を前後に
荷
(
かつ
)
いだ卵売りに出会ったので呼止めて、二人で卵を買って
啜
(
すす
)
り始めたが、卵というものはイクラ空腹でも左程沢山に啜れるものでない。
近世快人伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
と鞄一パイのお土産を
荷
(
かつ
)
ぎ込む中折れ……。こんな方々が如何に色男で才子で信用があっても、変態心理の所有者でない限りその心に残っている記憶の影を踏み消す訳に参りませぬ。
鼻の表現
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
山芋をドッサリ
荷
(
かつ
)
いだ亭主の金作が、思いがけなく早く、裏口から帰って来た。
いなか、の、じけん
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
ちょっと、そのお前が
荷
(
かつ
)
いでいる風呂敷包みの中の着物を見せてくれないか
豚吉とヒョロ子
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
三鳥山人
(著)
“荷”の意味
《名詞》
(に)運搬の対象となるもの。
(に)負担、責任。
(出典:Wiktionary)
荷
常用漢字
小3
部首:⾋
10画
“荷”を含む語句
荷物
薄荷
荷担
荷葉
荷厄介
茗荷谷
荷馬車
茗荷
一荷
茗荷屋
荷嵩
上荷
荷担夫
稲荷
荷車
荷足
荷拵
永井荷風
抱茗荷
荷梱
...