トップ
>
赫
>
かつ
ふりがな文庫
“
赫
(
かつ
)” の例文
何故といつて、富豪は
懐中
(
ふところ
)
に手を突込んで相手を
宥
(
なだ
)
める
術
(
じゆつ
)
を知つてゐるが、貧乏人は
赫
(
かつ
)
となるより外には仕方がないのだから。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
その證拠にはときどき私が
赫
(
かつ
)
としてむかつてゆくと彼は一騎打ちをしずにうまく逃げて遠巻きにひとを苦しめようとする。
銀の匙
(新字旧仮名)
/
中勘助
(著)
それぢや私も
赫
(
かつ
)
として、もう我慢が為切れなく成つたから、物も言はずに飛出さうと為る途端に、運悪く又
那奴
(
あいつ
)
が遣つて来たんぢやありませんか。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
然
(
しか
)
り
而
(
しかう
)
して、おの/\の
腹
(
はら
)
の
冷
(
つめた
)
く
次第
(
しだい
)
に
寒
(
さむ
)
く
成
(
な
)
つた
處
(
ところ
)
へ、ぶつ
切
(
きり
)
、
大掴
(
おほづかみ
)
の
坊主
(
ばうず
)
しやも、
相撲
(
すまふ
)
が
食
(
く
)
つても
腹
(
はら
)
がくちく
成
(
な
)
るのを、
赫
(
かつ
)
と
煮
(
に
)
ようと
云
(
い
)
ふ
腹案
(
ふくあん
)
。
九九九会小記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
り今癲癇と
言
(
いは
)
れては
口惜
(
くやしく
)
もあれ
忌々
(
いま/\
)
しければ
赫
(
かつ
)
と怒つて
箸
(
はし
)
を
捨
(
すて
)
衝
(
つ
)
と立上り
飛掛
(
とびかゝ
)
り和吉が
首筋
(
くびすぢ
)
取
(
とる
)
より早く其所へ引附目を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
なんでも
井戸浚
(
さら
)
への時かで、庭先へ忙しく通りかゝつた父が、私の持出してゐた
鍬
(
くは
)
に
躓
(
つまづ
)
き、「あツ痛い、うぬ黒坊主め!」と拳骨を振り上げた。私は
赫
(
かつ
)
とした。
途上
(新字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
この教師は彼の武芸や競技に興味のないことを喜ばなかつた。その為に何度も信輔を「お前は女か?」と嘲笑した。信輔は或時
赫
(
かつ
)
とした拍子に、「先生は男ですか?」と反問した。
大導寺信輔の半生:―或精神的風景画―
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
野村は我乍ら
滑稽
(
をかし
)
い程
狼狽
(
うろた
)
へたと思ふと、
赫
(
かつ
)
と血が上つて顔が
熱
(
ほと
)
り出して、沢山の人が自分の後に立つて笑つてる様な気がするので、
自暴
(
やけ
)
に乱暴な字を、五六行息つかずに書いた。
病院の窓
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
と
赫
(
かつ
)
と
成
(
な
)
ると、
躍上
(
をどりあが
)
つて、
黒髮
(
くろかみ
)
を
引掴
(
ひツつか
)
むと、
雪
(
ゆき
)
なす
膚
(
はだ
)
を
泥
(
どろ
)
の
上
(
うへ
)
へ
引倒
(
ひきたふ
)
して、ずる/\と
内
(
うち
)
へ
引込
(
ひきこ
)
む。
一席話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
物識りは
赫
(
かつ
)
となりました。
茶話:08 大正十五(一九二六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
さあ、それからは、
宛然
(
さながら
)
人魂
(
ひとだま
)
の
憑
(
つき
)
ものがしたやうに、
毛
(
け
)
が
赫
(
かつ
)
と
赤
(
あか
)
く
成
(
な
)
つて、
草
(
くさ
)
の
中
(
なか
)
を
彼方
(
あつち
)
へ、
此方
(
こつち
)
へ、たゞ、
伊達卷
(
だてまき
)
で
身
(
み
)
についたばかりのしどけない
媚
(
なまめ
)
かしい
寢着
(
ねまき
)
の
婦
(
をんな
)
を
追𢌞
(
おひまは
)
す。
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
何
(
なに
)
、
脱
(
ぬ
)
げば
可
(
よ
)
さゝうなものだけれど、
屋根
(
やね
)
一つ
遠
(
とほ
)
くに
見
(
み
)
えず、
枝
(
えだ
)
さす
立樹
(
たちき
)
もなし、あの
大空
(
おほぞら
)
から、
遮
(
さへぎ
)
るものは
唯
(
たゞ
)
麦藁
(
むぎわら
)
一
重
(
へ
)
で、
赫
(
かつ
)
と
照
(
て
)
つては
急
(
きふ
)
に
曇
(
くも
)
る……
何
(
ど
)
うも
雲脚
(
くもあし
)
が
気
(
き
)
に
入
(
い
)
らない。
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
雲
(
くも
)
は
所々
(
ところ/″\
)
墨
(
すみ
)
が
染
(
にじ
)
んだ、
日
(
ひ
)
の
照
(
てり
)
は
又
(
また
)
赫
(
かつ
)
と
強
(
つよ
)
い。が、
何
(
なん
)
となく
濕
(
しめり
)
を
帶
(
お
)
びて
重
(
おも
)
かつた。
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
貴方
(
あなた
)
はな、とそれ、
赫
(
かつ
)
と
成
(
な
)
る。あの
瞼
(
まぶた
)
の
紅
(
くれなゐ
)
と
云
(
い
)
ふものが、
恰
(
あたかも
)
是
(
これ
)
、
醉
(
よ
)
へる
芙蓉
(
ふよう
)
の
如
(
ごと
)
しさ。
自慢
(
じまん
)
ぢやないが、
外國
(
ぐわいこく
)
にも
類
(
たぐ
)
ひあるまい。
新婚當時
(
しんこんたうじ
)
の
含羞
(
はにか
)
んだ
色合
(
いろあひ
)
を
新
(
あたら
)
しく
拜見
(
はいけん
)
などもお
安
(
やす
)
くない
奴
(
やつ
)
。
みつ柏
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
徐大盡
(
じよだいじん
)
、
赫
(
かつ
)
と
成
(
な
)
り、
床
(
とこ
)
の
間
(
ま
)
に、これも
自慢
(
じまん
)
の、
贋物
(
にせもの
)
らしい
白鞘
(
しらさや
)
を、うんと
拔
(
ぬ
)
いて、ふら/\と
突懸
(
つきかゝ
)
る、と、
畫師
(
ゑし
)
又
(
また
)
身
(
み
)
を
飜
(
ひるがへ
)
して、
畫
(
ゑ
)
の
中
(
なか
)
へ、ふいと
入
(
はひ
)
り、
柳
(
やなぎ
)
の
下
(
した
)
の
潛
(
くゞ
)
り
門
(
もん
)
から、
男振
(
をとこぶ
)
りの
佳
(
い
)
い
顏
(
かほ
)
を
出
(
だ
)
して
画の裡
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
屠者
(
としや
)
向腹
(
むかぱら
)
を
立
(
た
)
て、
赫
(
かつ
)
と
憤
(
おこ
)
つて
鑑定
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
赫
漢検準1級
部首:⾚
14画
“赫”を含む語句
赫々
赫耀
目赫
赫灼
赫奕
赫燿
威赫
赫夜姫
赫耶
赫怒
真赫
赫奕姫
赫土
赫光
赫然
赫映姫
赫耶姫
恐赫
赫爾洪得
赫熱
...