“赫土”の読み方と例文
読み方割合
あかつち100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
だから赫土あかつちのゆるい坂径には、木炭や、肥料やを積んだ荷馬車や、小売商人やを乗せた自転車がわりに頻繁に通る。
南方郵信 (新字新仮名) / 中村地平(著)
所々に秋草の花が咲き、赫土あかつちはだが光り、られた樹木が横たわっていた。私は空に浮んだ雲を見ながら、この地方の山中に伝説している、古い口碑こうひのことを考えていた。
猫町:散文詩風な小説 (新字新仮名) / 萩原朔太郎(著)
朝の霜にゆるんだまま程なくふたたび夕闇に沈みこもうとしている丘かげの、足許のあやうい赫土あかつちの小道の上に伸子は一つの女靴の踵の跡が、くっきりと印されているのを見た。
道標 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)