“〆(しま)” の例文
夏の事とて明け放した下座敷を窺(のぞ)きながら、お千代が窓のそばへ蹲踞(しゃが)んで足の爪を切っている姿を見るや、否(いな)や、また例の〆(しま)りのない粗雑(ぞんざい)な調子で
夏すがた (新字新仮名) / 永井荷風(著)
まず引掛(ひっかけ)の昼夜帯が一つ鳴って〆(しま)った姿。わざと短い煙管(きせる)で、真新しい銅壺(どうこ)に並んで、立膝で吹かしながら、雪の素顔で、廓(くるわ)をちらつく影法師を見て思出したか。
第二菎蒻本 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)