土地しま)” の例文
傭人だけでも四十人という中洲なかす亭の大屋台を十九という若さで背負って立ち、土地しまでは、人の使いかたなら中洲亭のお安さんに習えとまでいわれた。
野萩 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
……とりわけ柳橋がお好きで始終あの土地しまへ行っておいでゞした。——西巻さんはその方の大のお気に入り。……お側去そばさらずの恰好でしたから柳橋で西巻さんを知らなかったらそれこそモグリ。
春泥 (新字新仮名) / 久保田万太郎(著)
傭人やといにんだけでも四十人という中洲亭の大屋台を、十八という若さで背負って立ち、土地しまでは人の使いかたなら中洲亭のおやすさんに習えとまでいわれた。
ユモレスク (新字新仮名) / 久生十蘭(著)