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柳条
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しま
巌の
面に
浮模様、
末を
揃へて、
上下に
香の
図を
合はせたやうな
柳条があり、
虹を
削つて
画いた
上を、ほんのりと
霞が
彩る。
那処に遠く
些の
小楊枝ほどの棒が見えませう、あれが旗なので、
浅黄に赤い
柳条の模様まで
昭然見えて、さうして
旗竿の
頭に
鳶が
宿つてゐるが手に取るやう
と云ったが、その姿は別の女の背と、また肩の間に、
花弁を分けたようにはさまって、膝も胸もかくれている。
明石の
柳条の肩のあたりが淡く映った。
ああ、
膚が透く、心が映る、美しい
女の身の震う影が
隈なく
衣の
柳条に
搦んで揺れた。